25年第3回定例会での代表質問




東京都の再生可能エネルギー戦略「TOKYO 2020」 を示して!

〈質問通告〉

■「豊かな地域社会」を目指して!

◆ 3.11 大震災の教訓を正しく認識し、これからの社会に活かしていかねばならない。区長は教訓をどのように捉えられているのか。
◆ 区長の目指す「豊かな地域社会」とはどのような社会をいうのか。具体的に再度述べていただきたい。
◆ エネルギー政策は今や自治体の行政課題となった。エネルギー政策推進に関して基本的な考え方を問う。
◆ エネルギー施策を一元的かつ計画的に推進する必要がある。そのためのエネルギー計画の策定を提案する。ご所見は。
◆ 行政を始め地域の様々な主体がエネルギーについて協議できる仮称「環境エネルギー協議会」の設置を提案する。ご所見は。


〈質問全文〉

 平成25年第3回定例会にあたり、公明党議員団を代表して質問を行います。

 3.11大震災から早2年半が経過しました。奇しくも東京でのオリンピック開催決定を知らせるニュースが入った9月8日、その日の新聞には「震災関連死 直接死上回る」とのショッキングなニュースが掲載されました。福島県の避難所など、生活疲労や精神的ショックなどで亡くなる震災関連死が8月末で1,539人となりこの二年半で直接死をまもなく上回るだろうとの記事でした。震災により地域のコミュニティも共同体もなくなったことが避難者をいっそう孤独にし、そのことが生活疲労や精神的ショックを拡大させたのではないかと思います。オリンピック開催を迎えるにあたり、一日も早い真の復興と原発事故の収束を願うものであります。
 質問は、改めて3.11大震災の教訓を確認し、その上で、目指すべき社会の方向性を問い、関連するエネルギー政策について提案を行うものです。

 最初に、震災の教訓についてであります。
 災害は、その時の社会の脆弱さを浮き彫りにすると言われます。3.11大震災も例外ではありません。電力システムや中央集権の行政官僚システムの脆弱さを明らかにしました。と同時にそれらのシステムに私たちは依存していたことを改めて知ることとなり、はっとさせられたのでした。絶対安全の防波堤、絶対安全の原発、間違うことのない行政官僚制などへの依存です。しかし、それらのシステムは、平時はともかくいざという時はまったく機能しないということが明らかとなり、システムへの過度な依存は危険であるということを認識しました。3.11大震災はまさに「依存する社会」の脆弱さを浮き彫りにしたのです。
 この大震災の教訓とは何だったのか、私たちはきちんと学び、後世に伝えることは勿論、今後の社会の向かうべき方向性を考えていかねばなりません。
今後の社会ということでは様々な意見がありますが、大きくは二つの意見に分かれると思います。一つは、国家の力、国家のシステムをより強く、より大きくしようというものです。もう一つは地域の絆と連帯で社会の厚みを作り社会の底上げを図っていこうというものです。前者は、震災の教訓をシステムのさらなる強化と捉え、後者は、システムへの過度な依存から脱却しその分地域コミュニティの形成と共同体の自治へ向かうことを教訓とするものです。
このことについて、東京大学大学院教授の姜尚中氏はこのように述べています。「今の日本に必要なのは国家の力を肥大させることではなく、アソシエーションの構築なのです。・・『私は社会から支えられている。私も社会を支えるために努力しよう』という個人が増えればいい。フランスの政治思想家トクヴィルは、フランス革命に受け継がれてゆく旧体制下の行政の集権化を問題にしました。行政の集権化が進むと、『後見的な権力』によりかかる人々が増えて無気力な市民になってしまうというのです。戦後日本もまた、残念ながら『人任せの民主主義』で歩んできてしまいました。・・人任せの『おねだり民主主義』を脱却するためには、日本列島のあちこちに・・中間的集団を網の目のように張り巡らさなければなりません」(「潮」本年7月号)と。
また、首都大学東京の教授で社会学者の宮台眞司氏はこう述べています。「ギネス級の堤防があって全滅した所もあれば低い堤防しかないのに『想定に囚われず、全力で逃げろ』の教えでほぼ全員が助かった所もあった。『絶対安全な』原発にせよ堤防にせよ〈システム〉過剰依存が〈システム〉崩壊の際に地獄を来す。なのに『もっと高い堤防を』『もっと安全な原発を』は愚昧だ。防災に限らない。欧州では共同体が〈市場〉や〈国家〉などのシステムに過剰依存する危険を共通認識とする。だから、スローフードや自然エネルギーが普及した。日本はグローバル化で〈市場〉と〈国家〉が回らなくなって以降、自殺・孤独死・高齢者所在不明・乳幼児虐待放置が噴出した。〈システム〉過剰依存による共同体空洞化が原因だ。・・反省すべきは共同体自治の脆弱さだ。復興は共同体自治に向かうべきだ」(「原発社会からの離脱」P.5)と。
 この姜氏、宮台氏の意見に大いに賛成であります。私もこの「過度な依存」ということでは、平成18年第二回定例会、また平成20年第三回定例会にて、「『過度な行政依存』はコミュニティの形成にむしろ逆効果になる」と注意が必要であることを指摘させていただきました。
震災の教訓とは、想定を増やすことでも、もっと高い堤防を作ることでも、もっと安全な原発を作ることでもありません。また国家やシステムの力をより強く、より大きくすることでもありません。私たちは、個人や共同体が過度にシステムに依存することの危険性を認識し、コミュニティの形成や共同体の自治へ向かわねばならないことを教訓として学んでいかねばならないのではないでしょうか。
 そこで、最初に、区長に3.11大震災の教訓をどのようにとらえられているのか、お伺いします。

 次に、「豊かな地域社会」についてであります。
 区長は、区長選挙後、初の定例会招集挨拶で今後4年間の区政運営の基本方針を述べられました。目標として「豊かな地域社会の実現」を掲げられ、そのためには@地域コミュニティの強化とA多くの人々の参画と協働に取り組むことが必要であると述べられました。またコミュニティについて「一昨年発災した東日本大震災をはじめ、独居老人の孤独死、いじめ問題など・・(の)課題(に対し)・・まさに現在、ご近所の底力、地域コミュニティの意義・重要性を改めて見つめ直す時がきているのではないでしょうか」とその重要性を強調されました。
 「豊かな地域社会」を目指すことは、先ほどの震災の教訓に通ずるものと理解しています。時機を得た目標を掲げられたことと評価いたします。今後、区民(中間区民も含む)、議会、行政が「豊かな地域社会」について同じ認識を持ち、その実現に向けて一体となり取り組んでいくことが重要であります。
 そこで、皆が同じ認識に立つためにももう少し具体的に「豊かな地域社会」とはどういう社会なのか、区長に示していただきたいと思います。

 次に、区のエネルギー政策推進に関する基本的な考え方についてであります。
 震災に伴う福島原発事故は国のエネルギーシステムの脆弱さを浮き彫りにしたことは述べました。当然のこととしてエネルギー政策を大きく転換させることにもなったのです。それは、エネルギー政策のもっぱら国の専管事項とされていたことから自治体が主体的に関わる事項となったことであります。
 この度、エネルギー政策に関する質問をするにあたり、東京都庁、長野県飯田市そして岩手県葛巻町を訪ねてまいりました。東京都は、2020年までに再生可能エネルギーを20%にするという画期的な計画「東京都再生可能エネルギー戦略2020」通称「TOKYO 2020」を平成18年3月に策定しました。(現物を提示)副題は、「エネルギーで選びとる持続可能な未来」となっています。この計画策定を始め環境都市東京を築いてくることができたのは、本年7月まで環境局長を務められました大野輝之氏に負うところが大であると聞いています。残念ながら今回大野氏に直接お話を聞くことはできませんでしたが、幸いつい最近、「自治体のエネルギー戦略」(岩波新書)という本を出されました。(実物を紹介)東京の環境エネルギー政策が書かれており、大変参考になりました。後ほど引用させていただきます。飯田市は住宅用太陽光発電普及率全国トップクラスであります。その推進の要である株式会社おひさま進歩エネルギーを訪ね社長の原氏からお話を聞くことができました。また葛巻町は自然エネルギー100%の町として有名ですが、山田議員と共に町の各自然エネルギーの設置場所を回り説明を聞くというツアーに参加できました。それぞれ大変参考となりました。飯田市、葛巻町に共通していえることは自治体を含む地域が方法の別はあれエネルギーの発電と需要を考え推進する主体となっているということでした。

 さて、エネルギー政策推進に関しての基本的な考え方ですが、2つの視点があると思います。1点目は、原発をなくし、再生可能エネルギーを増やしていこうという点、2点目は、震災の教訓のところで述べました「依存から脱却」し「共同体の自治」へという点です。
 このことについて、大野氏は先ほどの本の中で述べていますので少々引用させていただきます。
 「エネルギー選択をめぐる広範な議論の中で、その速度についての意見は分かれているとしても原発への依存度を減らし、最終的にはゼロを目指すことについては国民的な合意ができているのではないだろうか」(P.200)「これからのエネルギーシステムでは、大規模集中型電源への依存を減らし、分散型供給型システムの比重を高めていくことが必要だ。同様にエネルギーに関する政策の決定や執行の権限もより分権化していくべきだ。これまでは電力制度に関するものなど、エネルギー施策にかかわる大半の権限を国が独占してきた。エネルギーのように国家の存立にかかわる課題は、国が所管することが妥当だという考え方が一般に受け入れられ、また中央官僚は、エネルギー政策を判断することのできる専門能力を持っているはずだ、という前提に立っていたからだ。しかし、3.11はそうした前提をすっかり崩してしまった。・・・今後、日本のエネルギー確保の主役となっていく再生可能エネルギーは、本質的に分散型のエネルギーであり、自治体が地域の様々な主体と協力することで、大きな成果をあげることが期待できる。(中略)地域の有する自然エネルギー資源を活かした『地産地消』の電力供給が各地で始まっている・・ここで大事なのは、その事業主体が地域の自治体やコミュニティであったり、これまで電力とは無関係だった異業種からの参入であったりすることだ。そこにはもはや旧来の電力事業者や中央官僚だけにエネルギー政策を任せておくわけにはいかない、という意思が反映されている」(P.A)と。つまり、一点目の視点については国民的合意ができている大事な方向性であるとし、二点目の視点についても、「任せておくわけにはいかない」と過度に依存することの危険性を認識した上で、自治体が地域の様々な主体と協力することで大きな成果をあげることができると述べています。
 また、エネルギー政策推進の考え方ということでは1986年に起きたチェルノブイリ原発事故後の欧州、特に北欧の国々がとった取り組みも参考にしていかねばなりません。それは、「原発から自然エネルギーへ」という取り組みを進める過程(プロセス)をテコにして、共同体が再生できたということです。つまり、一つ目の視点を地域を構成する皆が進める過程で実は二つ目の視点も達成されていったという実績がすでに欧州、特に北欧にはあるということです。例えばデンマークのサムソ島やスウェーデンのベクショーなどは有名であります。「エネルギーデモクラシー」や「エネルギー自治」という言葉がヨーロッパで生まれたのもこのような取り組みとその実績によるものとうなずけます。
 飯田市おひさま進歩エネルギー社長の原氏に多くの人が参加しての太陽光発電の取り組みが地域の自治、「エネルギー自治」につながっていますかとお聞きすると「重要な点ですね。これからです」と自信ある答えが返ってきました。
 エネルギー政策推進に関して基本的考え方として重要な二つの視点について述べました。
 そこで、区長にエネルギー政策推進に関しての基本的な考え方をお伺いします。

 次に、エネルギー計画策定の提案についてです。
 本年、1月13日の朝日新聞一面には「10都府県 新エネ計画 国任せから脱却」との見出しで、震災後、自治体が主体的にエネルギー計画の策定や見直しを進めているとの記事が掲載されました。大野氏が言うようにエネルギー施策が震災後、地方自治体の行政課題となった今、自治体におけるエネルギー計画の策定が増えていることは至極当然といえます。
 さて、千代田区におけるエネルギー計画としては、ローカルアジェンダ21として平成12年に策定した「環境配慮指針」がありました。そしてその配慮指針を受ける形で「新エネルギービジョン」(平成18年)があります。なお、配慮指針は期間が10年で更新はされませんでしたので現在はありません。
アジェンダ21については少し説明が必要です。ローカルアジェンダ21は先ほどのサムソ島やベクショーのエネルギー政策を成功に導いた原因となる計画であります。スウェーデンでは、計画が地域社会で行政と市民をつなぎ対話のきっかけをつくり、一人ひとりに自覚と行動を促す大きな役割を果たしています。
アジェンダ21は、1992年にブラジル・リオで開かれた「環境と開発に関する国連会議」通称「地球サミット」で採択されました「21世紀に向けた人類の行動計画」のことを言います。目標としては「持続可能な開発」の実現を掲げています。そこには、環境問題に対して、様々な主体が協力して社会的な障害を克服していくという新たな社会的なアプローチが要請されており、地方自治体がエネルギーと環境の政策の主導権を持つというものです。この目標と取り組み手法そして自治体が主導権を持つという説明は、先ほどの大震災の教訓と重なります。
 「持続可能な開発」とは、1987年、国連ブルントラント委員会から報告書「地球の未来を守るために」が出されますが、その中心的な概念として打ち出されたものです。当時、世界は、@環境と開発、A貧困問題(南北問題)、B世代問題とがあり、この三つの問題を同時に解決しなければいけないというまさに難しい3次元方程式、困難に直面していました。そこに、国連ブルントラント委員会は「持続可能な開発」という概念を解として発表したのです。以後、この概念は世界の環境とエネルギーの基礎的な概念となっています。
 実はこのブルントラント委員会設置の提唱者は日本でありました。しかし、残念なことに、日本では「持続可能な開発」が「持続的な成長」と社会のことではなく経済のこととなってしまい世界から取り残されてしまうことになりました。
 エネルギー計画策定のベースとなるアジェンダ21と「持続可能な開発」について述べました。
 エネルギー政策が地方自治体の行政課題となった今、3.11大震災の教訓と「持続可能な開発」の概念はたぶん共通するものと思いますが、これらをきちんと活かした区のエネルギー計画が必要となっています。
 そこで、改めてエネルギー計画の策定を提案します。計画策定の予定があるとすれば、どのような内容になるのかも合わせてご答弁く

 次に、仮称千代田区環境エネルギー協議会(事務所)設置の提案についてであります。
 名称はともかく、地域の多様な主体が集まってエネルギーについて情報を共有し、対話し、協議し、連携し、行動するための場所・拠点が必要です。飯田市では、最初は行政主催のシンポジウムがその役割を果たしたそうです。後にそれがNPOになり、株式会社おひさま進歩エネルギーになりました。今では、おひさま進歩エネルギーが活動の拠点であり皆が集う場所となっているそうです。
 欧州では、デンマークを筆頭に普及に努めてきた「環境・エネルギー事務所」というパートナーシップ(共同で事業を営む組織)があります。現在、デンマーク全土に21の事務所があり、デンマーク政府の助成を受けて、交流や対話を始めエネルギー環境教育、情報提供、助言活動、意識啓発としての展示やキャンペーン、講演会、出版や自然エネルギープロジェクトの立ち上げなどを行っているそうです。単なる場所というのではなく、このような役割をきちんと果たすことができる場所であり拠点となっています。
 大野氏は「3.11以降、再生可能エネルギーの普及が喫緊の課題でなる中で、全国各地で、地域の企業、住民、NGOなどが自治体と共に、『自然エネルギー協議会』とか、『自然エネルギー推進ネットワーク』などの名称の組織を立ち上げている。地域の住民などが主導的に自然エネルギーの普及を進める取り組みである『コミュニティパワー』の運動も広がりつつある。・・・ 新たな環境エネルギー政策を構築し支える主体となりうるものだと思う」(「自治体のエネルギー戦略」P.225)と、環境エネルギー事務所などの設置を評価しています。
 日本では、コミュニティや共同体の空洞化が指摘されて久しくなります。依存する社会ではどうしても自ら考え、判断し、行動するという自治の精神は弱くなり、コミュニティは衰え共同体は空洞化していきます。
この度の環境・エネルギー協議会または事務所が設置され、その役割を果たす中で地域コミュニティの再生、また「共同体の自治」へ向かうことを確信いたします。
 そこで、仮称千代田区環境・エネルギー協議会の設置を提案します。ご所見をお伺いします。

 質問は以上であります。
 結びに、私もその通りだと思いましたが、環境・エネルギー政策の第一人者である飯田哲也氏の言葉を引用して終わりたいと思います。
 「日本では、エネルギー政策も、一貫して産業界へのエネルギー供給対策だけを優先してきた。たとえば、北欧では日常的に見られる地域熱供給も、日本ではほとんど取り組まれていないだけでなく、産業用途や商業用途ばかりが優先され、家庭の暖房は無視されている。そうした産業経済のためだけのエネルギー政策がもたらしたものは、ダムや原発に象徴されるように、日本の地域が本来持っていた文化的・社会的な豊かさの破壊である。地域の自然エネルギー資源だけを収奪し、廃棄物を戻していく一方的な関係で、かろうじて見せかけの繁栄を維持してきたといえる。(中略)私たちは、誰も選択していないエネルギー未来像に支配されているのだ。やはり、日本のエネルギー政策に欠けているのは、本来の意味の「公共」であり、市民と地域が自らのエネルギーと未来を選択しうる新しいデモクラシー、いわば「エネルギーデモクラシー」という思想だろう」と、以上です。

 区長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待し質問を終わります。
 ありがとうございました。
 


〈区長答弁〉

 大串議員のご質問にお答えいたします。

 私からは、3.11の教訓をどのように捉えているか、あるいは、「豊かな地域社会」とはどういう考え方を持っているのかと、この2点について答弁をいたします。
 今まで大串議員からさまざまなご質問の中でご意見が出ました。私、基本的には、大串議員の考え方にほとんど一致しております。むしろ賛同する部分が大変多いと思います。
 ところで、まず、現代の社会は大変利便性を求めている中で、過度の、あるいは膨大なシステムの上に全部乗っております。そうした中で、一たび、ある1カ所がトラブルが起こりますと、ほとんど生活をするのが非常に難しいという社会になっている。まさに大串議員からお話がありました、依存する社会というふうになっている。確かに、そのことが、むしろ地域のコミュニティ形成だとか、そういうものをやや阻害しているんだろうということが、今回の3.11で改めて再認識をしたところでございます。
 ある面では、過度な行政依存、あるいは、何でも行政がやるんだと、こういう社会というのは、本来、地域コミュニティだとか、地域をつくっていくという意味では、やや違うんではないかと。まず、その地域の人が主体的に何をやるかという、そういう社会づくりが肝要だろうと思います。
 ところで、「豊かな地域社会」というものについて、今年の第1回定例会で申しましたが、何回か、私は申し上げてきております。私なりに改めて、この「豊かな地域社会」というものを整理をさせていただきますと、まず第1点は、その地域を構成している方々に支えられている地域福祉がきっとできている。地域福祉の中には子育ても、あるいは高齢者の問題もある。それから、第2は、やはり歴史や文化を大切にする地域社会であろう。そして、文化や芸術活動が活発な地域であること。そして第3が、地域を構成している方々が主体的に学びということを繰り返しできる社会であろうと思います。さらに、第4として申し上げるならば、まち全体が安全・安心感が持てる社会であろうと思います。そうしたことが重なって初めてつながりを築く、包容力のある地域社会になるんだろうと思います。あるいは、「豊かな地域社会」になるだろう。
 そのためには、「豊かな地域社会」をつくっていくために、さまざまな分野で、行政もさまざまに取り組むわけでございますが、基本的にはそこに構成をしている地域住民が、さまざまな場面で、それぞれの地域の課題に関心を持ち、住民自身が解決をするためのさまざまなアクションを起こしていくということも、「豊かな地域社会」をつくるベースになるだろうと思います。ある面では、そうしたことの繰り返しが、「豊かな地域社会」というものをつくっていくもとになり、そして、真の意味での共同体、あるいはコミュニティというものをつくっていくことになるんだろうと思います。ある面では、行政もさまざまな施策をこれからも進めなきゃいけないわけでございますので、ぜひこうした中身について、これからも多様なご提言、ご意見を賜りたいと思います。
 なお、詳細については、関係理事者をもってご答弁をいたさせます。
 


〈環境安全部長答弁〉

 大串議員の千代田区のエネルギー政策に関するご質問にお答えいたします。

 まず、エネルギー政策推進に関する基本的な考え方についてでございます。日本経済の高度成長期には、エネルギー政策は国主導で進められてまいりました。しかしながら、地球温暖化問題がクローズアップされ、さらに、東日本大震災を経た現在、エネルギー政策は、地方自治体がそれぞれの置かれた地域の特性を踏まえ、節約や利用の効率化、未利用エネルギー、再生可能エネルギーの活用などを通じて、独自のエネルギー政策を考え、実施していくことが必要となっているものと認識しております。とりわけ本区は、活発な経済活動を反映し、オフィスビルを中心としてエネルギーを大量に消費しておりますが、そのエネルギーのほとんどを区外に依存していることから、他の自治体に率先して積極的に省エネや創エネの導入に取り組む必要があるものと考えております。

 次に、新エネルギー計画の策定についてですが、区は、平成18年に新エネルギービジョンを策定し、その後、平成20年に地球温暖化対策条例を施行、地球温暖化対策地域推進計画や国の環境モデル都市選定を受けた行動計画を策定しております。これらの計画は、さきの新エネルギービジョンを取り込むものとなっており、さらに、業務機能が集積した千代田区の地域特性を踏まえれば、まさにエネルギー対策を効果的に進めることを内容とした計画となっております。現在、環境モデル都市第2期行動計画の策定作業を進めておりますが、その中では、個々の建物のエネルギー対策のみならず、エネルギーの面的活用の一層の推進、未利用エネルギーや再生可能エネルギーの有効活用など、平時はもとより、災害時も想定した自立・分散型のエネルギー供給体制の構築、あるいはエリア・エネルギー・マネジメントなどの視点も取り入れた計画とする考えでおります。

 次に、エネルギーについて協議し行動する協議会の設置についてですが、現在、地球温暖化対策に関する区全体の取り組みを協議する場として、地球温暖化対策推進懇談会を設置し、ご議論をいただいており、この懇談会には、区民を初め、環境施策に関する学識経験者などにお入りいただいています。さらに、本年度は、学識経験者や電気・ガス・地域冷暖房事業者など、エネルギーに関する専門家に特化した委員会による面的エネルギー検討会を設置し、多角的な視点からエネルギー施策に関するご議論をいただいております。議員ご指摘のとおり、さまざまな主体がエネルギーについて考え、行動することは大変重要なものであることから、今後、こうした会議の活用も含め、環境・エネルギー施策を継続的に協議し、実現させていく体制づくりについては別途検討を行ってまいります。

 次に、東日本大震災の教訓についてのご質問に、区長答弁を補足してお答えいたします。
 この大震災では、地域社会が一体となって自然災害に立ち向かう「地域防災力」を向上させることの重要性が改めて認識されました。災害対応において、行政の責任は大きいものでありますが、一方で、行政による対応には限界があり、区民一人ひとりや、事業所、地域団体、ボランティア等を含む民間の各主体の自立的な取り組みが不可欠でございます。まず、区民一人ひとりが防災に対する「自助」の意識を高め、自らの命と生活を守れるようになることが第一であり、それが可能となるように行政が後押ししていくことが重要と考えております。さらに、災害時には地域でお互いに助け合い、支え合うという「協助」の意識を高め、行政とも連携しつつ、多様な地域主体が積極的に地域を守る社会づくりを進めていくことも肝要です。
 そのような「協助」の実現には、日ごろの防災訓練、清掃活動、地域のパトロール、高齢者や障害者の見守りなどを通じて、平素から地域の交流を深めることが大切であり、それが災害時の協力支援体制につながっていくものと考えております。
 区といたしましては、地域防災力の向上に向けて、「自助」「協助」をさらに高め、区民を初め、千代田区にかかわる全ての人と手を携えながら、安全・安心なまちの実現に努めてまいります。
 

 

〈質問に際して〉

視察
東京都再生エネルギー課
長野県飯田市
岩手県葛巻町
福島県いわき市

引用文献
毎日新聞9月8日
「潮」2013年7月号 P.38
「原発社会からの離脱」宮台眞司×飯田哲也著 講談社現代新書
「北欧のエネルギーデモクラシー」飯田哲也著 新評論
「自治体のエネルギー戦略」大野輝之著 岩波新書

参考
1070年〜80年代のこの20年間に世界は大きく動いた。
1986年、チェルノブイリ事故
1986年、ウルリッヒ・ベック「リスク社会論」
1987年、ブルントラント報告書、「持続可能な開発・発展」
1977年、スーザン・ジョージ「なぜ世界の半分が飢えるのか」
1970年、レイチェル・カーソン「沈黙の春」

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