大串ひろやすWebsite (千代田区議会議員)
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質問ができるまで

 

16年第2回定例会での一般質問

この質問ができるまではこちらから

 

水と緑の景観形成に如何に取り組むのか

〈質問の構成は〉

水と緑の景観形成に如何に取り組むのか
 ◆区長に水と緑の景観形成についてのビジョンを問う
 ◆そのビジョンを実現するための具体的方法は
 ◆道路・公園整備のあり方は

 〈質問と答弁の全文〉

 平成16年第2回定例会にあたり公明党議員団の一員として一般質問させていただきます。

 質問に先立ち、大宮正義議員のご逝去を悼み謹んでご冥福をお祈りいたします。

 私は、水と緑の景観形成に如何に取り組むべきなのか、という課題について3点質問を行います。
昭和8年に皇居外郭一帯が初の美観地区に指定されましたが、その東京市美観地区指定図がまちづくり推進部の入り口に掲げられています。この美観地区指定とは、現在の建築基準法の前身である市街地建築物法で市街地の美観を維持するために定められた制度です。都市近郊の自然環境を保存することを目的とした都市計画法の風致(おもむき)地区(地域地区指定の一種)と一対にもなっています。(ちなみに風致地区指定第1号は大正15年に明治神宮内外苑が指定されました。)

 この美観地区指定と、ちょっと意外でしたが私も尊敬する「憲政の神様」と言われた尾崎咢堂(行雄)とつながりがあることを知りさっそく調べてみました。尾崎行雄が第2代東京市長の時、明治39年建築学会に東京市建築条例案の作成を依頼しました。その時、中心的に作業を行ったのが当時を代表する近代建築家曽根(そね)達蔵(たつぞう)でありました。かれは都市の美を「街上(がいじょう)の体裁(ていさい)」(道路を挟んだ街の体裁)という章をつくり条例に盛り込もうと努力しました。結果として条例案は実現しませんでしたが、後に制定された市街地建築物法の中で、唯一生かされたのがこの美観地区指定だったのです。景観が始めて法律に謳われた最初となりました。
 他にも調べると、市長としての9年間、尾崎は景観に対して非常に熱心だったことがわかります。それはまず、
@有名ですがワシントン市への3,000本の桜の寄贈。これは明治45年、当時アメリカ大統領タフトの夫人が沼地の多かったワシントン市を美化するために日本の桜を植えたい希望を持っていることを知り市民を代表する意味で行いました。
Aまた、荒廃した多摩川に山林を自ら視察され、水源林としてこれを買収し、見事生き返らせました。
Bさらに、街路樹の研究を福羽逸人(ふくばはやと)に委託し、全国で街路樹としてポピュラーなユリノキはこの時できました。
C日比谷公園が開設されたのもこの時期でもあります。
これらの実績はまさに水と緑の景観形成に尾崎が熱心だった結果と言えるでしょう。
東京市美観地区指定図を掲げていることは景観を特に大事にしている千代田区としては大変に意味があることだと思います。(具体的な美観地区運用条例が70年を経た今もできていないのは残念だが・・・。)

 水と緑ということでは、私はこの3月、区内のあるボランティアグループ主催のセミナーに参加する機会がありました。慶応大学の石川(いしかわ)幹子(みきこ)教授を講師に招き、テーマは「緑の波で21世紀の庭園都市を創る」というものでした。
 江戸時代から今日までの千代田区の水と緑がどのように変化してきたのかを地図と写真を使って説明されました。千代田区の本来持っている質の高い水と緑のストックを守り、また創っていくことが重要であること。またそのためには何が必要で何が課題となっているのかなどを、資料としてのオリジナル(原典)や、参考となる日本や世界の公園や道路の写真を紹介し、説明されました。また最後に質疑応答がありましたがたくさんの人から発言もあり、本当に参加者の人達と一緒に水と緑の景観について考えることができた貴重なセミナーでありました。
 私は必ずオリジナル(原典)の資料から考えるという先生の姿勢にも教えられましたが、水と緑のきれいな景観は決して偶然できたのではない、必ず原因があり、だから今度は私たちが未来の子どもたちにこのすばらしいストックを守り、創り、手渡していかねばならないと主張されたこと、まったくその通りだと認識を新たにした次第です。
 主催してくれたボランティアグループは公園アダプトとして活動しています。その活動には公園課の専門知識ある職員も必ず参加し良きアドバイザーとなってくれて皆、本当に感謝しています。

 さて、この水と緑の景観形成に関する区としての目標ですが、平成10年に策定されました都市計画マスタープランと緑の基本計画がありますが、どちらもほぼ20年先の将来像として示されています。緑の基本計画には「骨格となる緑の将来像」として「内濠リングと外濠リングを基盤とする構造的なネットワークの形成」がマップに示され目標となっています。都市マスの方の目標は「緑と水辺を守り、つくり、つなげ、より身近なものに」を掲げ、整備方針図としては先ほどの緑の基本計画で描かれたのと同様のマップが使われ整合性がたもたれています。
 最近、都市再生もしくは都市機能の更新という言葉がよく使われますが、その際、先ず優先されるはこの水と緑の景観形成であり、緑の基本計画や都市マスに示された将来像を共有することが何より大事ではないでしょうか。
「『破壊と創造』の都市計画が20世紀における都市計画の特徴であったとすれば『都市と自然との共生」は都市の拡大という課題に対し、都市計画の取り組んだ主要な目標であった」とは先の石川幹子先生の言葉です。

 国においては今「市区町村による景観地区制度の創設や景観計画の策定を特徴とする景観法」が議論されており、地域においては道路や公園における住民の自発的活動も活発です。美観地区指定から70年を経た今ようやく景観行政も大きく変わろうとしています。水と緑の景観形成に如何に取り組んでいくのかは今、自治体の最大の課題と言っても過言ではないでしょう。区長は平成13年第1回定例会招集挨拶において、まちづくり方針として5点示されましたが、その中に「皇居やお濠など貴重な自然環境を生かした環境と共生できるまちづくり」さらに「江戸時代から継承された景観資源を生かした国際都市千代田にふさわしい格調高いまちづくり」と述べられています。特に千代田区の場合、皇居周辺など区のみでは景観形成はできません。それだけに千代田区が明確なビジョンンを持ち、自ら取り組んでいることに加え、関係機関に働きかけていくことも重要です。
 そこで、水と緑の景観形成に如何に取り組もうとされているのか、区長にビジョンをお伺いします。

 次にそのビジョン実現のための方法についてであります。
国立市の学園通りの見事な緑の景観が一事業者によって壊されてしまったのはまだ記憶に新しいところです。この学園通りはアイ・ストップとして、つまり通りの終点にシンボリックな建物である三角屋根の国立駅舎を置き視線を受け止め、まっすぐに伸びる1,800メートルの道路です。道路の緑地帯には211本の桜と117本の銀杏がどれも大木に成長し、沿道にはおしゃれなブティックや喫茶店が並ぶという市民自慢の通りでした。
 そのような美しい緑の景観がなぜそうなってしまったのか、また今後このようなことが、多くの貴重な景観を持つ千代田区で起きることがなきよう水と緑の景観を守り、形成するための具体的仕組みが必要です。

 その点につき、緑の基本計画には、緑地の種類ごと方針と施策を具体的に示し、区民、企業、区そして都と国の役割を示しています。さらにそれを地域ごと緑の方針図として区民にイメージしやすくマップにしてあります。

 都市計画マスタープランの「緑と水辺の整備」の項には具体的な記述は少ないが、分野別計画として景観形成マスタープランがあり、景観に関する最上位の計画とされています。さらにこの景観マスタープランを実現するための具体的仕組みとして景観まちづくり条例と景観形成マニュアルを用意していることです。この景観まちづくり条例の特徴は、事業者と区の対話による事前協議にあります。景観マスタープランにこの事前協議制度についての説明があります。「この制度は、新たな建設行為に際して、住民、企業、行政が、キーワードを共通の言葉として用い、それぞれの立場で協議し、協議結果を計画・設計に反映することで『風格ある都心景観の創出』を図ろうとするものです」また、「事前協議では、主として都市計画法や建築基準法など既存の法令では扱いにくい『都市環境の質』『街の個性』にかかわる問題を取り扱います」と。ここに出てくる共通の言葉としてのキーワードは、住民、企業、行政が対話を行う際の道具として重要で条例のもう一つの特徴となっています。誰にもわかりやすく、イメージしやすいように写真とイラストなどを用いてまとめられています。例としては、「緑の環」「水にふれる場所」「見え隠れの庭」「子どもの笑顔」「年輪を重ねた樹」など50のキーワードが用意されています。このような言葉に何か地域の景観形成に自分も参加してみたくなります。

 これらは具体的な仕組みとして大変有効だと思います。この仕組みは平成5年に策定された神奈川県真鶴町(まなづるまち)の「真鶴町(まなづるまち)まちづくり条例」、通称「美の条例」がその先例とされます。私は、真鶴町(まなづるまち)を訪問しました。共通の言葉としてのキーワード集として「美の基準 デザインコード」があります。この「美の基準」に基づいて建設されたコミュニティ真鶴、そして町の診療所も見学できました。また小学校の授業でキーワードである「美の基準」を取り上げていることを聞き、大変意味のあることで本当に感心しました。
国に景観法ができたならば各自治体で制定した景観に関する条例に法的な根拠ができます。真鶴町「美の条例」や「千代田区景観まちづくり条例」のような対話型(創造型)の景観に関する条例を新たに制定する自治体は増えてくるのではないでしょうか。
 私は景観形成の具体策として、第一にこの景観条例の周知も含め、住民、企業、行政が積極的に運用していくことが重要だと思います。他にも、景観に関する情報をわかりやすく整理して公開していくこと、また水と緑の景観といっても所管する課は都市計画課、生活環境課そして道路公園課等複数となっています。そのため総合的に相談を受けられる窓口も必要でしょう。
景観条例制定から6年が過ぎました。この間、平成14年には「美観地区ガイドプラン」また平成15年には「まちづくりグランドデザイン」が作成されたことなど評価していますが、水と緑の景観はどう守られどう形成されてきたのでしょうか。得られた成果と更なる展開のための具体的な方法についてお伺いします。

 最後に、この水と緑の景観形成に最も重要な役割をはたす道路・公園の整備についてです。公園の機能と役割は他にも、防災や健康・レクリエーションそして大気の浄化などたくさんあります。よって様々な観点からの整備が必要となっているのも事実です。
 現在区の公園は都市公園22ヶ所、児童公園25ヶ所、広場11ヶ所で約12ヘクタール、
同じように街路樹は、区道99路線で街路樹本数約5200本そしてその緑化率約70%となっています。
 区として平成元年に公園整備方針が、また緑化方針は昭和63年に定められました。そして平成10年、先ほどの緑の基本計画に道路・公園の整備方針が新たに盛り込まれました。特に道路・公園については現在整備を行ったものが目に見える景観として実現するのは30年後、50年後かもしれません。まさに後世に豊かできれいな景観を手渡していくための整備となります。
例えば、千代田区には規模、形態、土地所有、管理主体の異なる多様な緑地が存在します。このバラバラに存在している緑地をつなぐ役目を区の道路・公園が果たせないかと思います。
16年度予算では「緑あふれるまちづくりを進めます」として区の花さくらの再生事業がスタートしました。857本のさくらをサポーター制度と基金を創設して再生を図ろうというもので大いに評価できるものと思います。
 道路・公園整備にはこのようなサポーター制度や先ほどの公園アダプトのように区民参加のバックアップが必要です。その意味では学校で行われている環境教育との連携を始め、道路・公園に関する将来像も含めた情報の共有を進めていく必要があります。そこで今後の区としての道路・公園整備のあり方をお伺いします。

 今年は、尾崎行雄が亡くなられて50年になります。現在、憲政記念館では「尾崎行雄と議会政治特別展」が開催されています。東京市長時代のコーナーもありました。私が行ったときも中学生が団体で見学に訪れていましたが、大変多くの学校が見学に訪れるそうです。中学生時代に尾崎行雄の映画や展示に接することはどんなに幸せなことかと思います。
 尾崎は大正10年に「軍縮」の決議案を国会に提出し、大演説を行いました。しかし、その法案は賛成38反対285で否決されました。その時、与謝野晶子は「尾崎先生は『権力としての政治』から『人道としての政治』『芸術としての政治』に立った先駆者である」と賞嘆し激励したそうです。
今回、強く印象に残った言葉ですのでご紹介させていただきました。
 以上、水と緑の景観形成について区長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待し私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

■以下答弁

区長答弁

 大串議員のご質問のうち、水と緑の景観形成についてお答えいたします。

 大串議員のご質問を拝聴いたしまして、私は改めて「賢者は歴史を学び、凡人は経験を学ぶ」という、そういう格言を思い出しました。正に先人がつくり守って育てたものを、私は再度学んでいかなければいけないという認識を持ちました。
 それから、慶応の石川教授のお話が出ましたけれども、大串議員が出席されたシンポジウムとは違う場で、私も石川教授のお話をお聞きしたことがございます。

 さて、都市の景観に対します私の基本的考え方は、生活や仕事の場としてのまちの姿そのものが景観であるとともに、そこに生きる人々の努力によって守り、育てられるものであり、その地域の都市景観とは文化水準をあらわすものだというふうに、私は基本的に考えております。
 そうしたことを前提に千代田区のお話を申し上げますと、千代田区は、江戸時代から綿々と続く水の都であります。皇居を中心としたお濠の水と緑のバランスのとれた美しさは、世界に誇れる貴重な日本の都市景観の1つだろうと思います。その景観を守り、育て、創出し、そして後世の人々に継承していくことは、21世紀に暮らす私たちの使命であると基本的に考えているところであります。

 お話にもありましたように、千代田区のまちづくりの基本的方向を示す「千代田区都市計画マスタープラン」では「水と水辺を守り、つくり、つなげ、より身近なものに」を、目標の1つとしております。また、まちづくりの方向性を全体的かつ総合的に示します、昨年お示ししました「千代田区まちづくりグランドデザイン」では、快適環境のデザインを1つのキーワードにいたしまして、水と緑の骨格や風の通る道など、水と緑のつながりを舞台にした、多彩で重層的な快適環境づくりの展開を目指すということもグランドデザインで申しております。

 区といたしましては、江戸期から受け継がれた貴重な景観資源を生かし、国際都市千代田にふさわしい、格調高い景観まちづくりに今後も努めてまいります。

 なお、以下の質問については関係理事者をもってご答弁をいたさせます。

まちづくり推進部長答弁

 大串議員のご質問のうち、ビジョン実現の方法についてお答え申し上げます。

 国際都市千代田にふさわしい、水と緑の景観形成のビジョンを実現していくため、これまで皇居を中心とした水辺や緑地空間の保全・創出、快適な歩行者空間の確保、街路景観の創出など、水と緑の骨格の形成や風の通る道の整備により、快適環境づくりを進めてまいりました。
 もとより、景観まちづくりは、区と企業、住民自らが景観形成の担い手であるという自覚を持つことから展開されていくものと認識しております。このため、区では、景観まちづくりを誘導する共通のキーワードと対話の場を用意し、様々な立場の人々と主体的な参加と協力による景観まちづくりを推進する体制を整備しております。さらに、景観形成について、生涯学習出前講座のメニューに加えるなど、あらゆる機会を活用し、景観まちづくりの普及・啓発に努め、住民発意による景観形成の推進に努めてまいります。

 一方、現在、国会において審議中の景観法では、良好な景観の形成を図るため、自治体がより積極的に景観形成を図る地区の指定や、建築物等のデザイン、色彩を規制する「景観計画」の作成ができるものとされております。また、都市緑地保全法等の一部改正により、都市における緑地の保全、都市の緑化、公園整備を総合的に推進することができるなど、良好な都市環境形成の促進が可能となります。
 今後とも、都市計画マスタープラン、景観形成マスタープラン、まちづくりグランドデザインなどを指針としつつ、景観緑3法を効果的に運用しながらビジョンを実現させ、次世代に残せる魅力ある水と緑の景観形成に努めてまいります。

環境土木部長答弁

 大串議員のご質問のうち、水と緑の景観形成に重要な要素である道路・公園整備のあり方についてお答えいたします。

 区内には、皇居を中心とした内濠、外濠などの緑、神社等の緑、都立の日比谷公園や区立の清水谷公園など、各種の公園や道路の街路樹等の緑と、そして、内濠・外濠をはじめ神田川や日本橋川の水面が水の軸として位置しており、人々に潤いと安らぎを与えております。木々に囲まれた公園や千鳥が淵、外濠の緑道は憩いと安らぎの空間として、桜の時期だけではなく、四季を通じて多くの人々に親しまれております。

 区といたしましては、これらの公園や緑地、街路樹など緑の整備に当たりまして、個々での利用面や景観等に配慮した整備、再開発等における緑空間の確保、また、川沿いでの親水化・緑化を図るとともに道路・公園のアダプトを進めるなど、地域の方々の参加のもと、緑や景観の創出に努めてまいりました。

 今回、区のさくら景観保全のため「区の花さくらの再生計画」を策定し、広く情報を、提供するとともに協力を呼びかけるなど、幅広い情報の共有化が大切と考えております。今後は、こうした緑や景観の整備保全や管理に加え、千代田区全体を1つの緑地、公園、水辺とした視点からとらえ、個々の公園の特徴を生かしながら、統一性を持った整備や、公園・緑地等を結ぶ道路を緑の軸として整備し、点から線へ、そして面へとネットワーク化を図るとともに、様々なまちづくりの中で、地域の方々や企業の協力のもと、景観の保全や緑の創出を図り、人々に安らぎと憩いの場を提供することが重要と考えております。このため、国や都はもとより、地域の方々や企業と連携を図りながら、個々の公園・緑地の整備や緑のネットワーク道路の整備、水辺の空間確保や親水化など、今後、幅広く検討する必要があると考えております。

 

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