17年第2回定例会での一般質問

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6月から議会もノーネクタイ・ノー上着に

<質問の構成>

地域情報化への取り組みについて
 地域情報化へのビジョンを問う
 今後の具体的な進め方は
 (仮)地域情報化推進計画の策定を提案するが、ご所見は
文化芸術プラン推進にあたって
 プラン推進の基本的な考え方
 プランの特徴は何か、また子どもに関係する代表的な事業は何か
子どもの読書推進策について
 千代田区子ども読書活動推進計画について
 学校図書室の充実策について

<質問と答弁の全文>

 平成17年第2回定例会にあたり、公明党区議団の一員として一般質問をさせていただきます。

 区長は召集挨拶で「職員の厚遇問題について」述べられました。
 5月21日の読売新聞「編集委員が読む」に、その千代田区の取り組みが紹介されています。記事は、職員に支給されている「不快手当て」を例に「あきれる自治体の乱脈ぶり」と税金の使い道に対して警鐘を鳴らすものです。そして千代田区の取り組みを抜本改革のモデルであると紹介しています。その 内容を2点に要約していますが、一点目に予算の人件費など節約の全体枠を数値目標付きで区条例で決めたこと。二点目に、その実施効果をチェックできる情報を住民にわかりやすい形で公開していることであるとしています。このような総合的な取り組みは各自治体のお手本となるだけでなく中央省庁も見習ってはどうかと結んでいます。
 区長も述べられましたが、見習うべくは、条例の制定とともに、区として税金の使い道についての情報を住民にわかりやすい形で継続的に公開し共有できるように取り組んできたことであると思います。全国の模範であると紹介されました。税に関する情報の提供については今後もさらに工夫がなされていくことと期待しています。

 さて、私は今回@区としての地域情報化への取り組み、A「文化芸術プラン」の実施にあたって、B子どもの読書推進策についての3点について質問を行います。

 最初に地域情報化への取り組みについてであります。
 先日、ある会合に出席したとき、小学校のPTAの方が「ITでなくICTよ。これからはCが大事なのよ!」と言われていたことが印象に残りました。「ICTって何だ。その『C』って何だ」というのが正直なところでした。「eデモクラシー」の著者でもある杏林大学助教授の岩崎正洋氏は「英語ではもともと、Information and Communication Technology であったが、日本ではITと略されICTの『C』が略されていた。しかし重要なのはコミュニケーションの『C』の部分である。ICTの本来の利点であるコミュニケーションが活用されていない」と、指摘しています。その「C」のコミュニケーションですが、辞書で引きますと「意思や感情を伝達し合うこと」と出てきますが、今では「情報や知識の伝達と共有」をも含むそうです。なるほどそうするとICTをイメージしやすくなります。
 昨年8月に総務省は増大するこのコミュニケーションの重要性に鑑み「ICT政策大綱」を発表しました。この大綱は2010年にユビキタスネット社会の実現を目指すものです。しばらく横文字・カタカナが多くなり恐縮ですが、総務省ももっと日本語でわかりやすい言葉で説明してもらいたいと私も思っています。ユビキタスネット社会とは誰もが、いつでも、どこでも安心してインターネットに接続でき、コミュニケーションが図れる社会であるとされます。当時の日経新聞の報道は「ITからICTへ」という見出しがつけられていました。 また戦略や構想ということからは2005年度を目標年次とするe-Japan戦略から2010年を目標年次とする、いつでも、どこでもを意味する先ほどのユビキタスのu、誰でも、何でもを意味するユニバーサルのuを頭に冠したu-Japan構想へと転換されることとなりました。
 私は平成15年第3回定例会において「地域情報化」について質問しました。ITの基盤整備からITの利活用へとの新たな方針が示されたのに伴い、私は、ITを利用しての情報の共有と住民参画の仕組みを提案し、ご所見をお伺いしました。
この度のITからICTへの大きな転換は、地域情報化への取り組みをいよいよ本格的にスタートさせることとなります。今年3月に、総務省は「地域情報化の展開」と題した冊子を発行しました。副題には「先進的ICTの利活用」となっています。そこには、地域情報化を推進する基本的な考え方が明確です。「地域における公平で透明な情報共有とフラットなコミュニケーションの仕組みを作ることによって地域の諸問題を解決する糸口を掴むことにある」とし、「例えばこれまで情報収集のための多様な手段を持つことができなかったハンデを、様々な情報ツールの活用により克服でき、知りえた情報を整理・蓄積することで住民レベルでの情報共有や連携を可能にし、様々な地域課題の探求や解決を図る活動が可能となります」と。
(総務省東北総合通信局発行)
 ITからICTへの転換には大きな特徴がさらにもう一つあります。それはユビキタスネット社会憲章の制定を伴っていることです。この憲章の第1条において、すべての人が情報を受けること、発信することを権利として始めて保障したことであります。まだ案の段階ですが、その第1条第1項と第2項にはこうあります。
第1条「情報の受発信に関する権利」
(ネットワークへのアクセス)
1.すべての人が、いつでもどこでも自由かつ容易にネットワークにアクセスし、情報や知識を入手・共有できることがユビキタスネット社会の本質的な要素である。
 (公開情報へのアクセス)
2.一般に公開された情報や知識の共有はユビキタスネット社会の発展のために重要であり、ネットワークにアクセスするすべての人が自由にこれらの情報や知識を利用できるようにすべきである。
と、明記されました。また安心して利用できるためのセキュリティについて、誰もが利用できるようデジタル・デバイドについても憲章には規定されています。

 国の方針も示され、基本となる憲章もできることとなります。このような中、時代の要請でもある「地域情報化」に対する区の取り組みに対して、区民の方は大変注目しています。最近では災害に関する情報、子どもの安全・安心に関する情報など喫緊の課題も多くなっています。そこで区としてどのようなビジョンを持ってこの地域情報化に取り組まれようとしているのかお伺いします。

 次に「地域情報化」の具体的な推進についてであります。
 私は地域情報化に先進的に取り組んでいる市川市を訪ねました。JR本八幡の駅前にその担当課の入っている情報プラザはあります。建物は6階建で、SOHO向けの1坪単位の部屋や、IT関係の企業が集積する3F・4F、プラザ全体の管理運営はNPO法人である等、建物の構成はちょうど千代田プラットフォームスクウェアとよく似ています。ただ異なるのは、市の情報システム化や情報政策化が6Fと5Fに、専門の窓口としての地域情報推進課は市民の交流スペースである2Fにあり、プラザがまさに地域情報化の拠点として明確に位置づけられていることです。
 推進のための具体的な取り組みとして

 まずびっくりしたのは市のホームページです。うらやましくなるような高度な検索機能がついています。市の情報が目的に合わせ整理されて出てきます。また音声認識や文字の拡大などのバリアフリー化、アンケート機能までついています。これは説明するよりいちど開かれて検索を実際にされれば一目瞭然ですので是非行ってみてください。(検索サーチ)
 また、誰もが使いやすいパソコンの設置と操作の仕方など相談できるサポート体制があります。設置されているパソコンは、タッチ式でもキーボードでも対応できます。またパソコンのカメラを通して担当課と直接相談もできるようになっています。
 自治会がホームページを持ちたい場合に、誰でも容易にホームページの作成ができるソフトを開発し運用しています。実際に行っているところを見させていただきました。
 その他、情報セキュリティ対策や市民サポーター制度を整えてデジタル・デバイド対策など

 大変参考になりました。
 千代田区には大学やベンチャーも含む企業の集積、ソフトの面では、神田神保町の古書店街や秋葉原の電気街など、また文化面でも多くの歴史と伝統をもっています。そして何よりも地域に様々な技能や経験を持たれた多くの人材がいます。これらのことを踏まえるとき、理想的な産・官・学・民連携によるICTを利用した地域情報化を推進することができると思います。そのことによる効果は計り知れないものがあるのではないでしょうか。ユビキタスネット社会憲章前文の最後に書かれたように「このユビキタスネット社会を実現することにより、(中略)個の尊厳や力の発揮(エンパワメント)にも寄与していくことが可能となる」と。まさに地域情報化を推進する目的もここにあると思います。
今後の推進にあたっては、

 地域情報化の目的・役割を明確にすること
 セキュリティ対策やデジタル・デバイドへの対応
 住民の求める区の情報や知識などをホームページなどから容易に入手できるようにすること
 専門の窓口の設置
 産官学民連携の方法
 情報リテラシー教育
 まちみらい千代田では今週から「ICTちよだ」の実証実験がスタートしましたが、eプラットフォームの構築

 などが考えられますが、是非とも千代田区の特性を踏まえた総合的な取り組みを望むものです。

 そこで、これらを計画的に推進するために(仮)千代田区地域情報化推進計画を策定してはどうかと思います。ご所見をお伺いします。合わせて、現段階で区として具体的な進め方として考えられているものは何か、お伺いします。
 
(参考)区の地域情報化計画としては平成8年に策定した「地域情報化基本方針」と「地域情報化基本計画」がある

 次に、文化芸術プランの実施についてであります。

 最初に、志賀直哉の短編「リズム」の一節を引用させていただきます。「すぐれた人間の仕事―する事、いう事、書く事、何でもいいが、それに触れることは実に愉快なものだ。自分にも同じものが何処かにある、それを眼覚まされる。精神がひきしまる。いい絵でも、いい小説でも本当にいいものは必ずそういう作用を人に起こす」(ちくま日本文学全集43)と。ここは志賀直哉の芸術論が書かれているところとされますが、私もまったく同感であります。

 さて、今年度からスタートした文化芸術プランについてですがその特徴は、国の文化芸術振興基本法や区の文化芸術基本条例と当然重なるところもありますが、私なりに絞ってみると次の3点になるのかと思います。
 第一は、プランの概要版冒頭の前書き部分(リード文)には「人々が互いに尊重し合い認め合う精神的なゆとり」がいかに重要なことかが述べられていますが、その「尊重し合い認め合う」という心。
 第二は、区の役割を「区民の誰もが文化芸術に親しみ、感動の機会に触れることができる環境を整備する」と定め、文化芸術を創造し触れることを何よりも重要視したことです
 そして、第三は、「文化芸術の担い手である区民が文化芸術を創造し、享受する権利を尊重し」と明記し、すべての人に文化芸術の創造と享受を権利として保障したことです。
 今の社会で最も欠けているのが最初の「尊重し合い認め合う」心ではないでしょうか。それは、人と人・大人と子ども・親と子・子どもと子どもなどの関係において言えそうです。さらには自分自身をも尊重できなくなるという最悪の結果につながっている例も、最近の悲惨な事件等を見るにつけ 、とても残念な思いがします。尊重し合い認め合う心を育み、発現していくためには文化芸術の果たす役割はプランでも述べているようにあまりに大きい ものがあります。志賀直哉の言う「本当にいいものに触れることにより自分にも同じものが何処かにある、それを眼覚まされる」ことが今こそ必要であり、またプランの特徴を活かし、プランを実行あるものにしていかねばなりません。
 先日、区の芸術鑑賞事業として岩本町のサロン・オペラトナカイで「椿姫」が公演されました。出席された障害者の方は直ぐそばでの演技と声量に圧倒されたそうです。「最後のスタンディングオベーションのとき他のお客さんと一緒に足の不自由なことも忘れて立ってしまいそうなくらい感動しました」と。また、当日その会場には本当はない車椅子用の席まで用意してあり、そのことに大変感謝していました。子どもの例ではありませんがとてもいい例だと思います。次回のオペラは中高生を対象に「伯爵令嬢マリッツア」が7月に公演されるそうです。
 プランにはこの芸術鑑賞事業を含め主要事業だけでも49事業が計画されています。関係する所管はほぼ全てに及びます。プランを実効あるものにすべくしっかりした視点を持って推進する必要があります。そこで、区長にプラン推進にあたっての基本的な考え方をお伺いします。合わせて、プランを象徴する特徴的な事業は何かお伺いします。
 小学生・中学生という人生で最も感受性の高いときに、文化芸術を創造し触れることは、すでに述べましたようにきわめて重要なことです。千代田区の特性を踏まえ推進されると思いますが、子どもに関係する代表的な事業は何か、お伺いします。

 次に子どもの読書推進策についてあります。

 2003年版OECD(経済協力開発機構)調査の結果が昨年12月に発表されましたが、その中に高校生の「読解力」に対するものがあります。日本の高校生は前回2000年のときは8位だったものが今回14位にまで低下した結果となりました。また文化庁が毎年行っている国語に関する世論調査では、
「言葉が乱れていると思う」人の割合は8割を超え、
(平成16年度調査)
「書く力」が低下していると思う人は9割、
「読む力」が低下していると思う人は7割、
(以上平成13年度調査)
という結果でした。
 国会ではこのような活字文化の危機に際し、現在は285名の議員となったそうですが、超党派の「活字文化議員連盟」が結成されています。昨年3月には「活字文化振興法」の制定を目指すことが確認され、今年4月にはその「振興法」の骨子案が示されました。その内容は学校教育について「読む力・書く力・調べる力を育成するために学校図書室の整備充実や司書教諭の配置、情報化の推進などが盛り込まれています。
 この「読解力」の向上について、民間から始めて公立学校の校長になった杉並区立和田中学校の藤原和博氏はこう指摘しています。「国際標準の『読解力』は日本人が考えている『読解力』とは違うことをまず確認しておきたい。国際的には課題を批判的に読んで、自分の意見を形成し、他人に表現できる力を総称して『読解力』と言っている。正解が一つでない問題に、まず自分の意見を言い、他人の意見を聞きながら自分の意見を進化させ他人に示す訓練を繰り返す必要がある」と。さらに、記述式問題に、何も書かない答案が多くなっていることにも触れ、「『間違ったことを書いてはいけない。間違ったら恥ずかしい』と考える。必ず正解があるという教育ばかりしているから、確信を持てないことは解答を書かないのだ」と“正解主義”教育に疑問を投げかけています。本をたくさん読むだけでは「読解力」は上がらないとしながらも、読書が「読解力」の基礎であると、赴任してからこの2年間、学校図書室を中心に読書環境を変える試みを続けてきたそうです。その取り組みは、児童文学評論家の赤木かん子さんに協力してもらい図書室改造計画を作成し、蔵書構成の見直しや地域の支援組織を作って保護者らが図書室の司書役を務め、放課後の時間帯も利用できるようにしたことなどです。
(教育ルネッサンス  3月18日読売新聞より、「公立校の逆襲」朝日新聞社より)
 先月、区では子どもの読書活動推進計画策定のための検討会を開いたとのことです。子どもの読書活動を計画的に進めようとすることは大変評価できるものです。日本で唯一活字文化を担い守ってきたのは言うまでもなく神田であります。これらの特色と伝統を生かした千代田区ならではの計画になろうかと思います。また策定にあたっては図書館司書の方や読書活動を陰で支える読み聞かせのボランティアの方々など、関係する区民の参加をいただいて具体的な内容は決めていくことになると思います。
 そこで、「子ども読書活動推進計画」のおおまかな特色と今後の策定手法そしてスケジュールをお伺いします。

 子どもの読書活動に、図書館や学校図書室の果たす役割の重要性はますます高まってきています。
私は平成14年第4回定例会において「子どもの読書推進策を問い、学校図書室の充実とブックスタートを提案しました。学校図書室の充実についての答弁としては@司書教諭の配置A学級文庫の充実B読み聞かせなどのボランティアの方々など地域との連携を進めます、との3点であります。学校図書の予算はその後、3年間で3倍以上に増額となりました。一校あたり小学校で25万円から83万円に、中学校では同じく40万円が135万円となりました。教育委員会として、学校図書室の重要性を理解してのものと評価するものです。
「読解力」と「文章力」は表裏一体の関係にありそれらを向上させる基本は、子どもたちが読書する喜びを感じることや「文章力」で言えば「表現する喜びを持つことができるかにかかっている」と私は思います。先ほどの文化芸術と通ずるところがあります。子どもたちがその喜びを体験できるところが、子どもに身近な図書室なのではないでしょうか。またそこに図書室の役割もあると思います。そのためには先ほど和田中学校を例にあげましたが、地域と連携できる仕組みをつくり、司書資格を持った方の協力や放課後や休日の図書室の解放など 必要と考えます。
 そこで、今後の学校図書室のさらなる拡充策は何か、お伺いします。

 以上、@地域情報化への取り組み、A文化芸術プラン実施にあたって、B子どもの読書推進策について質問を行いました。
 区長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待し、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

区長答弁

 大串議員のご質問のうち、文化芸術プランについてお答えいたします。

 まず、私の「文化」というものの考え方から申し上げます。今や地域の発展や活性化は、従来言われているような公共投資や公共事業といった、どちらかというと官主導、そうしたことが地域の活性化ではない。正に文化だとか、文化活動そのものが地域の発展、活性化になるというふうに思っております。とりわけ分権社会という時代になって、正に経済社会を支える下部構造と申しますか、地域社会が、あるいは地域社会からエネルギーというのが出てくることが真の意味での活力だというふうに思っております。一般に「文化」というのは、先見性あるいは独創性、あるいは多様性を持っております。そして、通常地域からそうしたものが生み出され、そして、承継、発展していくというのが文化のスタイルだと思います。
 このように考えますと、地域の多様な人々の様々な営みの中から生まれる、正に先進的な、あるいは時代の先端を担う活動が地域の発展や活性化をもたらす時代となっておりまして、正に真の文化、あるいは文化活動だと思います。そして、人口減少社会という今日の時代を見ましたときに、住むための選択の大きな基準が、地域の文化力、文化活動だと思います。豊かな生活を送るための、住むための選択の一番のかぎは地域の文化力だと思います。

 ご案内のとおり千代田区は、そういう意味では、そういう文化の資源はたくさんあります。一例を申しますと、美術館あるいはホール等が、公と民間も含めて約70あります。もちろん昼間人口の方々も活動していると思います。これ1つとってみても、かなりこの千代田区は、文化活動をする土壌は大変あると思います。
 こうした考え方を根底にいたしまして文化芸術基本条例を制定したわけでございますが、ご案内のとおり、江戸開府400年記念事業の成果を踏まえ、文化芸術の振興を通じて区民一人ひとりが活動や暮らしの主人公になり、心豊かな生活の実現と、楽しさや優しさがあふれるまち千代田をつくっていくということで条例をつくったわけでございます。
 こうした基本条例は、全国の基礎的自治体では余りございません。他の地域でつくられているのは、文化芸術の施設を振興するという意味で振興条例はありますけど、基本条例という形でつくっているのはほとんどない。そして、お話しのように、この基本条例を受けて文化芸術推進プランとしてご案内の計画をつくったわけでございます。この条例なり芸術プランの中には、区民の文化芸術を創造し享受する権利、いわゆる「文化権」の尊重を基本理念として、区民の主体的な創造活動により千代田区固有の文化芸術が生み出され、「文化力」を高めていくという、そういう目的のための条例なり推進プランができているわけでございます。
 さらに、本年第1回の定例会の招集あいさつでも申し上げましたように、あらゆる施策を貫く基本的な思想として、「共」に「生」きるという「共生」の理念、他の人への思いやりや気遣いなど、こうした考え方もこのプランに盛り込まれておりまして、基本的な視点としてこうしたことも文化芸術プランの中で推進したいと思います。

 芸術プランの特徴でありますが、このプランは「心豊かな日常生活が送れる美しいまち」、「文化芸術のエネルギーのあふれるまち」の実現に向けて施策を行っているわけでございます。プランを象徴する重点プロジェクトとして特に特徴的なものは、「ちよだ江戸しぐさ」であります。江戸しぐさというのは、一例として雨の日など道を行き交うとき、お互いに傘を外側に向けて滴がかからないように配慮するという、「傘かしげ」と呼ばれる江戸時代から伝わる思いやりにあふれた行動スタイルでございます。「ちよだ江戸しぐさ」は、このような行動を区民の手本としてよみがえらせ、日常生活に浸透させるプロジェクトでもあります。もちろん文化芸術プランというのは、行政が主体的に行うものではなくて、区民の総意と発意、それが基本だろうと思います。正に「共生」の理念に裏付けられて、地域を構成する皆さんがともに「文化力」を高めるための行動と活動を期待しているところであります。

 活字文化について申し上げますと、やはり映像というのはスピードがあり、瞬間でわかりますけれども、実は記憶に残らない。活字というのは、繰り返し繰り返し見ることができる。そして、頭を整理したり、記録をインプットするという意味で、やはり私たちの生活の中で活字、読書、そうしたものをこれからも重点に置くということはご指摘のとおりだろうと思います。

 なお、詳細及びその他の事項につきましては、関係理事者をもって答弁をいたさせます。

政策経営部長答弁

 大串議員の地域情報化についてのご質問にお答えいたします。

 まず、地域情報化に対するビジョンについてでありますが、国のe−Japan戦略と歩調を合わせまして、区においても平成14年3月に「情報化指針・e−千代田の実現に向けて」を策定いたしました。以降、情報化の推進を進めてまいりました。
 ご指摘のとおり、国の情報化戦略もIT基盤整備の成果を踏まえ、ITの利活用に軸足を移しつつあります。e−Japan戦略からu−Japan構想へと動いております。本年3月には、総務省の「地域における情報化の推進に関する検討会」より、ユビキタスネットワーク社会を実現する地域情報化戦略の報告がなされたところであります。区といたしましても、これまでに構築された情報基盤を活用、発展させ、地域におけるICTを活用した利便性やサービス向上、さらに住民参画の仕組みづくりなどを視野に入れた、新たな情報化施策に取り組んでいく必要があり、現在の情報化指針・e−千代田の改定も行う必要があるというふうに考えております。

 次に、(仮称)千代田区地域情報化推進計画の策定についてでありますが、区内には大学、企業などのITの先端部門や、秋葉原に新たなIT拠点ができるなど、将来にわたって情報化の人的・物的資源が豊富に存在いたします。今後、区民、地元企業、NPO、学識経験者などの幅広い参画を得て、地域情報化を総合的に議論、検討してまいりたいと考えております。その中で地域情報に関する計画についても議論してまいります。

 次に、今後の具体的取り組みについてですが、総務省の「ICTを活用した地域社会への住民参画に関する研究会」の実証実験のフィールドとして、大都市部で千代田区が選定されました。この研究は、ICTの「C」、つまり住民と行政、あるいは住民相互のコミュニケーションの活性化を目的とするもので、本年4月に発足した「財団法人まちみらい千代田」の地域情報化施策と軌を一にするものであります。そこで、研究に伴う住民参画型のウエブシステムの構築、運用には、「まちみらい」が主体的に取り組むということになりました。区といたしましても「まちみらい」と連携し、この実証実験を通じてホームページ等を活用した住民参画の促進や、システム運営のためのノウハウの蓄積を行い、問題点や将来の課題を検証するとともに、産・官・学・民による地域情報化推進の場をつくってまいりたいというふうに考えております。

区民生活部長答弁

 大串議員のご質問のうち、文化芸術プランの中の子どもに関する代表的な事業についてお答えいたします。

 千代田区の未来を担う子どもたちが芸術に身近に触れることにより、情操豊かに育っていくことがより重要となっております。文化芸術プランでは、3つの柱である「保存し伝える」、「つくる」、「育てる」を基本に施策を展開しております。代表的な子どもに関する事業といたしまして、「保存し伝える」の分野では、昔の童歌やお手玉などの昔遊びを子どもたちに伝える昔遊びの伝承、そして、「育てる」の分野では、議員のご質問にもございました、オペラ「椿姫」のような文化芸術鑑賞事業、また、プロのアーチストを学校に招き、直接芸術に触れるアーチストインスクール、そして、多様な文化を理解し、コミュニケーション能力の育成を高めるための国語教育、読書活動の推進などがございます。子どもたちが自ら体験し、発見し、感動するプログラムを実施し、子どもたちに心の栄養やエネルギーを送り続ける施策を展開してまいります。

教育委員会事務局次長答弁

 千代田区における子どもの読書活動推進施策についてのご質問にお答えいたします。

 大串議員ご指摘のとおり、活字文化の振興は我が国の重要な課題となっており、関連法案の今国会提出に向けて超党派での検討が行われております。出版社、古書店、図書館など、活字文化にかかわる多くの機関や資源が集積する千代田区にとっても、活字文化の振興は優先的に取り組むべき課題と考えております。
 また、子どもの読解力低下については、学校、児童館等、教育現場において指摘されるところでもあり、教育委員会といたしましても区立小・中学校における朝の読書タイムの実施、学校図書費の増額などの対策を講じてまいりました。さらに、このような状況に総合的に対応するため、教育委員会、その他関係職員による「千代田区子ども読書活動推進計画策定検討会」を本年4月に発足させ、さらに、有識者、関係者、保護者等のご意見も伺いながら、来年度にかけて推進計画の策定を行う予定でございます。この推進計画においては、家庭、地域、図書館、学校、幼稚園、児童館等、子どもの読書活動にかかわる関係者、関係機関ごとにその対応策を示すとともに、学校図書室の充実については、図書費の増額にとどまらず、ご指摘いただきました地域のボランティアやNPOの活用を含めて、特に重点的に検討していきたいと考えております。
 計画策定に当たっては、まず江戸時代以来の本の文化の伝統を生かすこと、次に、子どもを取り巻く様々な情報・メディア環境との関連で読書を位置付けること、さらに、子どもの読書活動推進には青少年、大人の読書環境の充実が不可欠であること、この3つの視点を千代田区としての特色として反映させていきたいと考えております。
 なお、検討の過程で具体化し、実現可能な施策につきましては、計画策定を待たず実施してまいりたいと考えております。

 

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