18年第2回定例会での一般質問

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「市制町村制」を紹介しながら

◆質問項目

新しい公共について
 @「新しい公共」とは何か、またその「新しい公共」を担うために必要な理念とは何か。
 A「新しい公共」を皆で担うためには「協働」を進めることが必要だが、そのための仕組みは。
 B4年目を迎えた「NPO・ボランティアとの協働のに関する政策提案制度」について、今日までの成果と今後の課題は何か。

<質問の全文>

 平成18年第2回定例会にあたり、公明党議員団の一員として一般質問を行います。
 質問通告に基づき私は「新しい公共」について3点の質問を行います。
 戦後60年の国家優先・経済優先の社会システムは、平和と繁栄をもたらしたと言われます。しかし、その代償としてもっと大事なものを失ってしまいました。それは子どもや若者の「僕が僕であるために」、「自分らしく生きたい」という心からの訴えをかなえることができなかったことであります。子どもたちは、自らの欲求を殺し、自己主張を止め、演技をしなくては生きていけなくなり、そして心の空虚さに耐えられなくなっているのです。
若者に熱狂的な人気のあった尾崎豊の曲に「卒業」があります。その詩は、
 
 人は誰も縛れたかよわき子羊ならば
 先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか
 俺たちの怒り どこへ向かうべきなのか
 これからは 何が俺たちを縛りつけるだろう
 あと何度 自分自身卒業すれば
 本当の自分にたどりつけるだろう
 仕組まれた自由に誰も気づかずに
 あがいた日々も終わる
 この支配からの卒業
 闘いからの卒業

 と。彼の曲はどれもメッセージ性が強く、聴く人の心に迫るものがあります。今も新鮮に聴こえるのは私だけではないでしょう。まさに大人と社会に対して、子どもと若者の声を代弁し、尾崎は命を賭して訴えたのだと思います。平成4年に26歳の若さで亡くなってから早14年を経過します。新聞は彼のことを「若者の孤独や大人への不信を歌い、追いつめられる10代の姿を苦しむ者の側から説き、熱狂的に支持された」と紹介します。この子どもたちや若者たちからの心からの訴えと問いに、私たち大人は真摯に答えなければなりません。子どもたちをそこまで追いつめてしまったことに、私は大人の一人として正直謝りたい気持ちでいっぱいです。 ・・・。
 国家と経済を至上とする社会システム、これは官治集権型のシステムと言ってもいいと思いますが、既に行き詰っていることは誰も否定しません。地方分権時代を迎えて、自治体と住民は、子どもたちや若者たちからの訴えと問いに、今こそ真剣にこたえていかねばなりません。
 さて、この官治集権型システムは明治以降もう100年以上続いていることになります。ちょっと法律の話になって恐縮ですが敢えて触れさせていただきます。終戦後の昭和22年に憲法の抜本的な改正が行われましたが、同じ日に施行された地方自治法は憲法との整合性が図られることはありませんでした。なぜか旧来の市制町村制の仕組みが残る形となったのでした。この市制町村制は、明治政府が明治21年に公布したもので、この法律の目的は、国・府県・郡の監督により、自治が国家的目的から逸脱することがないようにすることにあったとされています。明治21年に博文館より発行された「市制市町村制」を今日は千代田図書館より借りてここに持参いたしました。明治維新後、地方自治の制度は母国と言われるイギリスの制度ではなくドイツのシュタイン市制に学んだとされます。そのことにより、本来はイギリスのように住民自身が自らの意思によって作り上げるべき地方自治の制度が、もっぱら国によって官治的制度として作られることになりました。地方財政法も地方税法も同様であるとされています。平成12年の地方分権一括法により地方自治法の全面的な見直しが行われたもののそれは国と地方との関係においてでありました。肝心な住民自治の分野についてはなぜか今回も手付かずとなりました。地方自治法の第一条から九条までは団体の規定である団体の種類、法人格、事務、名称、事務所、区域の順で並びます。ようやく第十条にして始めて本来主役である住民が登場します。しかし、それも消極的、受動的な形、自治体の人的要素としてまた行政客体として記述されるにとどまっています。さらに自治法の条文の配列は先ほどの市制町村制の法律の配列とまったく同じであり、現憲法の国民主権や幅広く定められた参政権との整合性が取れているとは言えません。少なくとも第一条に住民の規定が置かれるべきであり、参政権についても記述が必要であります。このことは、成蹊大学佐藤竺名誉教授が著書「市民のための地方自治入門」の中で述べられていますが、私もまったく同感であります。
 官治集権型の社会システムと対極にあるのが自治分権型の社会システムであります。この転換のために、地方自治法を始め税に関する法律も含めて抜本的な改正を望むものです。
 さて、この自治分権型社会の実現ということでは、平成15年11月に第27次地方制度調査会より出された「今後の地方自治制度のあり方に関する答申」に記述されることになります。それは「住民自治の充実」の項として以下のように述べられています。「地方分権改革が目指すべき分権型社会においては、地域において自己決定と自己責任の原則が実現されるという観点から、団体自治ばかりでなく住民自治が重視されなければならない」として「地域における住民サービスを担うのは行政のみではないということが重要な視点であり、住民や重要なパートナーとしてのコミュニティ組織、NPOその他民間セクターとも協働し、相互に連携して『新しい公共空間』を形成していくことを目指すべきである」と。つまり、自治分権型社会の実現のために必要なことは、団体自治ばかりでなく「住民自治」の実現が大事であるという点と、様々な主体と協働して「新しい公共」を形成していくことが重要であるとの二点が指摘されたのでした。
 「住民自治の実現」については平成16年第一回定例会にて自治基本条例策定の提案も含めて、取り上げさせていただきました。今回はもう一方の「新しい公共」をいかにして形成していくのかという点について質問させていただきます。
 「新しい公共」について、最近は大和市や横浜市を初めとして多くの自治体で改めて定義し、議論するためのフォーラムを開催しています。従来使っていた公共と「新しい公共」を敢えて区別し使い分けていこうとするものです。従来の公共とは、ほぼ行政が一手に提供していた、もしくは担ってきたものといえます。改めて述べるまでもありませんが、区長の目指す共生社会においては一律的なサービスを提供する従来の公共ではどうしても限界があり、住民はサービスの受け手としてのみ存在し、先に述べたように行政の客体にとどまり、行政の主体とはなりえず役所に要求するのみとならざるをえません。(第10条の住民である)従来の公共は、共生社会における「公共」としてもまた「住民」としても整合性がとれるものとはなりません。それに対して「新しい公共」とはそれぞれの自治体によって表現の仕方は異なりますが、ごく一般的な定義としては「市民、市民団体、事業者及び市が自らの権利と責任のもとであくまで対等な立場で協働して共に担う公共を『新しい公共』という」と、なります。まさに共生社会における公共としてふさわしいものであります。
 区長は二期目の区政の始まりに際し共生の考え方を理念として示し、共生社会の実現をビジョンとして示されました。召集挨拶からその箇所を引用しますが「私が千代田区のあるべき姿、あらゆる施策を貫く基本的な思想として掲げたものは共に生きる共生という考え方であります。(中略)共生は人間社会においては、民族、文化、宗教、国家、社会システムなどの違いを乗り越えて、理解し、認め合い、尊重し合う精神であります。(中略)つまり多様性を認めることのできる寛容さこそが共生社会の基本であります」と。そしてその社会とは「区民一人ひとりが社会に参画し、男女が互いにその人権を尊重し、喜びも責任も分かち合い、個性と能力が十分に発揮することができる社会」ですと。またよく区長は江戸しぐさの話もされます。江戸しぐさが存在したことから、公共を皆で担うという考え方つまり「新しい公共」が江戸時代にこの江戸には存在したであろうと私は思います。それは例えば現在の消防団の淵源である「江戸まち火消し」や図書館としての文庫が地域の人たちにより作られたことなどにみられることや、人口100万人の江戸に役所である奉行所の人数は数百人であったということからも推測できます。「新しい公共」という考え方は日本には最初から無かったのではなく欧米のパブリック同様、少なくてもこの江戸にはあったのであって、むしろ明治以降から特に終戦後の官治集権体制になってからなくなっていったと理解する方が正しいのでしょう。
 千代田区の特性として地域における町会を始め多くのNPO・ボランティア団体、事業者、大学等、他の自治体にはない公共を担うであろう多くの主体が存在しています。それぞれの団体の文化の違いや個性を認め合い、尊重し合いながら、協働して公共を担う、「新しい公共」を形成していくことこそ今求められていると思います。そしてそのことができて、基本構想に謳われた「100万人を活力とする自治体千代田」の実現、そして共生社会の実現につながるのではないでしょうか。
 そこで、区長に「新しい公共」について千代田区としての定義と、皆で担うために必要な理念とは何か、改めてお伺いします。

 次に「新しい公共」を皆で担うための協働の仕組みについてであります。
 協働の仕組みづくりとして考えられる課題は
@ 新たな指針の策定または現在の指針の見直し
A 情報の整理と提供
B 職員の意識改革
C 協働の総合窓口の設置
D 庁内推進体制の整備
E 中間支援組織との連携
F NPO・ボランティアへの寄付しやすい仕組み
G 区の施策とのマッチング
などが考えられます。これらの中で特に重要と思われる@指針の策定または現在の指針の見直し、A情報の整理と提供、B職員の意識改革について質問します。
 最初に、指針の策定または見直しについてであります。
 将来までを見通した協働の基本的な考え方とまたルールを示した指針の策定が区として必要であります。いわば協働の青写真ともいえるものです。区としては平成15年の3月に「NPO・ボランティアとの協働を進めるための基本指針」と「協働するためのプログラム」を定め、公表いたしました。これはこれで評価できますが、異なる多くの主体で担う「新しい公共」という視点にたつとき、NPO・ボランティアに限った指針では範囲が狭いものとなっています。さらに協働の基本理念となる共生の考え方を盛り込んだものが必要であります。
 そこで、「新たな公共」を皆で協働して担うための基本的な指針を新たに策定するか、もしくは現在の指針を見直す必要があると考えます。ご所見をお伺いします。

 次に「情報の整理と提供」についてであります。
 この情報の提供ということでは、今年度、各出張所にて新年度予算の区民への説明として、テーマを決めての出前講座が開かれました。このように区が区民に向けて税金の使い道に関して自ら説明会を開催されたことは、親切な情報の提供として大きな前進と評価しています。
 さて、協働とは、狭義には「地域団体やNPO・ボランティアグループ、行政など複数の異なる主体が対等の立場で役割や責任を分担しあいながら、地域福祉や子育て、環境美化など共通の社会的目的達成や課題解決のためにお互いの能力を発揮していく関係」と定義されています。つまり共通の目的達成や課題解決のために複数の異なる主体が取り組むということであります。そこで大事となってくるのは担おうとするところの共通の目的や課題に関する情報が提供されているかどうかということであります。公共を担おうとするならばなおさらのことであります。しかし、今まで自治体の広報として出しているものは、政策決定後のお知らせとしての「広報情報」でしかありません。課題としての政策決定前のいわゆる「政策情報」こそ、協働をするために必要な情報であります。しかも一般の区民の方にもわかりやすく整理されたものが必要となります。この「政策情報」は大きくは三つあるといわれています。それは、
@ 行政として把握している課題の情報、いわゆる課題の列挙であります。
A そしてこの課題をめぐる統計や地図などの行政情報としての基礎情報
B ついで、この課題を解決するのに必要な個別専門の技術情報
となります。広報情報だけでは先にも述べましたが、住民は自治体政策の主体とはなりえず、客体として位置づけられにとどまることとなります。今後、区としてこの「政策情報」をいかにわかりやすく課題ごと整理し提供していくのかお伺いします。

 次に、「職員の意識改革」についてであります。
 このことは「協働を進めるためのプログラム」にも項目としてありますが、そこには、「職員がNPO・ボランティアについて理解を深め、仕事の進め方について意識を改革していくことが、協働を円滑に進めるためには大変重要です」と。さらに「協働について実際NPO・ボランティアとの実体験の伴う研修を実施し、職員が新たな価値観や行動様式を身につけ、行政全体の体質改善を促していく」とあります。ここにあるとおり役所の職員は協働になれておりません。支援、連携、協働と言葉は似ていても意味は異なります。同じように現在は、従来の公共と新しい公共があいまいになっています。そのことから、ややもするとNPO・ボランティアをただ便利に使うだけとなってしまっていないか。決してそのようなことがあってはなりません。実体験を積むということは極めて大切なことです。何のための「新しい公共」なのか、何のための協働なのかを常に自分に問うことが必要です。その際、「新しい公共」とは何かを明確にし、それを担うための理念を明らかにしておくことは最初に問いましたが、極めて重要であります。そしてその理念を職員一人ひとりがしっかり持つことが意識改革につながると思います。
 そこで、協働を進めるにあたって、職員の意識改革を今後どのように行っていくのかお伺いします。
 最後に、4年目を迎えた「NPO・ボランティアとの協働に関する政策提案制度」についてであります。
 千代田区には、旧まちづくり推進公社が行った平成10年からスタートしたまちづくりサポート事業があります。現在はまちみらい千代田が行っています。すでに今年で8年目を迎えており、助成を受けた団体・グループは延べですが101団体に上ります。他の自治体には例がないそうですが、その団体同士の横の連携も活発であります。またこのサポート事業から区の政策へと活かされたものに、緑化事業のアダプト制度や住宅施策の一環としてのコーポラティブハウス支援事業制度などがあります。このようなNPO・ボランティア団体の活発な活動は、区として間違いなく大きな財産となっています。
 区として平成14年に協働型社会を目指して「NPO・ボランティアとの協働に関する政策提案制度」をスタートさせました。その協働は、政策立案の段階からスタートし、過程そして事後の評価まで行うという制度でありまさに画期的なものといえます。このような制度を持てたのもサポート事業の実績が一方であったからだと思います。そして平成14年12月には政策会議から「NPO・ボランティアとの協働の推進に関する提言が提出され、15年の3月にはまちづくりサポート推進検討会から提言書が出されました。また今まで述べたように「公共」を取りまく状況も大きく変化しました。協働に関する政策提案制度はますます重要となっており、さらなる充実に向けて考えていく必要があります。充実の方策として例えばまちみらい千代田で行っているサポート事業と区の政策提案制度との役割分担や位置づけを明確化すること。またそれらを一連の施策として体系化していくことなどが考えられます。この点も含めて、今年で5回目となるNPO・ボランティアからの政策提案制度の今日までの成果とさらに制度を充実していくための課題は何かお伺いします。

 以上、「新しい公共」について3点質問させていただきました。
 この千代田区から全国の模範となる「新しい公共」を築き、自治分権型社会のもたらす成果を子どもたちや若者たちに確信を持って語ることができるよう取り組んでいきたいものです。
 前向きで積極的な答弁を期待し、私の質問を終わります。
ありがとうございました。

■区長答弁

 大串議員の「新しい公共」についてのご質問にお答えいたします。

 最初に、自治制度のお話がありましたけれども、正に地方自治こそ民主主義の学校というふうに言われているわけでございます。地方自治がそういう展開をすれば、必ず民主主義というのはより以上に発展すると。残念ながら、日本の場合には、どちらかというと、戦後急激にこうしたものが導入されたわけでございます。今、求められているのは、正に基礎的自治体がどういう行動をとり、どういうことをやっていくか。身近なところで自分たちの生活、あるいはいろんなことを自己決定していく。そういうことがより一層民主主義というものを発展させるものになると思います。ある面では、地方自治こそ民主主義の学校だというふうに言われているのはそういうことだろうと。残念なことに、私の方がと申しますか、日本が制度を導入したのはドイツの制度ですから、イギリスの制度でないんで、非常に法文上はそう書いてあっても、実際は内容的には非常にまだまだ発展の余地があるというふうに思っております。

 ところで、「新しい公共」についてでありますが、今いろいろとお話がありましたが、ご承知のとおり、平成14年12月に私の方が「NPO・ボランティアとの協働に関する提言」というのを出しております。これは政策会議の分科会で出したものでございまして、その中にずばりこうしたことが提言として入っております。ご承知のとおり、どちらかというと、今までは住民に対して一方的にサービスを提供するという、住民が受け手でありました。したがって、自分に合ったサービスを行政側に要求するというスタイルが非常に多い。ある面では、行政サービスが行政の専売特許的な、そういう感じでずっと進んできたわけでございますけれども、今日のように価値観、ライフスタイルが非常に多様化してくる、こうした時代には、むしろ従来の行政対住民との行動形態ではおさまらないという、そういうような意味で、このNPO・ボランティアの政策提言の中にありますように、多元的な活動に対して、そういうことをできるような新しい公共空間の提供をつくっていくべきだというご提言があります。 これが、実は平成15年11月の政府の地方制度調査会の提言にも正にそのことが入っております。具体的には、「地域における住民サービスを担うのは行政のみではないことは重要なことであり、住民やいろんな方々と連携をして、新しい公共空間を形成していくべきである」と1年後の政府の地方制度調査会にも答申として出ておりまして、我々が政策会議の中で提言をいただいた1年前の考え方がきちんとここへ入っているだろうと思います。 このNPOとボランティアの提言の中には、もう1つ重要なことは、実は言葉は「共生」というふうに書いてありませんが、ボランティアとの関係については、価値観、いろんなことが違いがあるけれども、それを乗り越えて、そしてきずなをつくっていくべきだというようなこともこのNPOとボランティアの政策提言の中に入っておりまして、正に今日言う「共生」という理念がこの提言の中に私は入っているだろうと思います。
 これを今日的な中で考えてみますならば、官対民という仕分けから、どちらかというと、官と民ということになりますと「公助・自助」という感じですが、そこに中間的と申しますか「協助」という概念がある。「協助」というのが、今回の災害対策条例でありますように、力を3つ合わせた「協助」。この「協助」という考え方は、正に自主的・主体的にそうしたことを取り組むという意味で、「新しい公共」の分野というふうに私は考えております。
 そういうことを考えますと、今、お話にありましたように、このNPOの政策提言に基づく区の行動指針等については、時代に合わせて「新しい公共」の考え方を踏まえた見直しを行うということは当然のことだろうと思います。
 いずれにいたしましても、NPOとの政策提言という中には、新しい公共空間、あるいは共生という概念がこの中に入っておりまして、そうしたことを私は2期目の区政の中で申し上げたわけでございます。
 決定的にNPOだとかボランティアと、いわゆる町会との違いを1つだけ申し上げておきます。
 区内にはNPOは300団体ぐらいありますけれども、決定的な違いというのは、町会等は生活の空間を共有すると。そこに住み、働く人が、生活の空間を共有するというのが性格的には町会だろうと。実は、NPO・ボランティアというのは、そういう位置付けではない。本来、そういうNPO・ボランティアがあって望ましいわけですが、ほとんど千代田区のNPO・ボランティアは大部分がインターナショナル、公益的な活動をしておりますので、大変そういう意味では千代田区に取り組む場合が難しいわけですが、現状、ご案内のとおり、NPOの協働のための幾つかの政策提案をいただいておりますから、そうしたことができるだけ区政という場に生かしたいということで、例えば障害者に関しますジョブコーチ等はこうした政策提言の中から区政として取り組んだものであります。
 今後もこうした政策提案制度をしっかりと導入することが、区役所の職員の仕事への取り組み、考え方、姿勢を私は変えていくことになるだろうと思います。
 その他については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。

■政策担当部長答弁

 区長答弁を補足してお答えいたします。

 まず、協働を進める上での政策情報の整理、あるいは提供に関してでございますが、NPOやボランティア等との協働を推進していく上では、区が進めようとしている施策、それから直面する課題などについての情報、いわゆる政策情報、これが整理をされ、広く公開、あるいは提供されていることが必要であろうかと認識しております。
 区では、そういうことから、これまでも、議員のご質問にもございましたように、各出張所での新年度予算についての出前講座、あるいは施策や計画立案の際にはパブリック・コメントを適宜実施するなど、区政の外部に向けて情報公開・提供を行ってまいりました。
 今後、議員ご指定の点も踏まえながら、可能な限り早い段階で情報を整理し、また公開・提供していくように努めてまいります。

 次に、職員の意識改革、あるいは政策提案制度の成果、または課題ということでございますが、千代田区が現在行っております政策提案制度は、NPO・ボランティアの活動に対して、単に助成や支援をすることだけを目的としているわけではございません。この制度は、NPO等からの提案を受けて、区とNPO等が施策立案の段階から対等なパートナーとして1つの事業をつくり上げ、実施し、評価する、これを意図したものでありまして、共通の事業目的に向けて、正に協働により実践していくことを目指す制度であります。
 また、協働の過程でNPO等の柔軟な発想や斬新な視点に触れることにより、我々職員自身が、区がこれを学び、これまでのいわゆるお役所仕事的な職員の意識の改革を目指すものでございます。
 この提案制度は、平成14年度から実施しておりますが、障害者就労支援事業、あるいはこれまで過去4回で12の提案が事業化されております。そして、一定の成果を上げてきたというふうに認識をしております。
 そして、この政策提案制度を通して実際にNPO等と協働することで、職員の協働に対する意識も徐々に芽生えてきているというふうに考えておりますが、すべての職員が事業を推進するに当たって、常にNPO等との協働を意識する、そこの高みにまでには至っておりません。
 今後、NPO等との真の協働に向けて、この提案制度を一層充実するとともに、ボランティアセンターやまちみらい千代田が実施するまちづくりサポート事業、こういったものとの連携や、先ほど申し上げました政策情報の提供、こういうものを含めて、総合的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。

<再質問>

 自席から再質問させていただきます。

 1点だけ確認したいんですけど、答弁の方がNPO・ボランティアとの協働について答弁をいただいたんですが、私としては「新しい公共」を担うための協働、いわゆるNPO・ボランティアというのは1つのセクターでありまして、そのほか町会、それから事業者、それからいろんな大学も含めてですね。そういった方々との協働について主に質問させていただいたんですけれども、答弁を聞くと、何かNPO・ボランティアとの協働についてこうします、ああしますという答弁をいただいたんですが、もうちょっと広い視点をもって答弁お願いしたいのですが。

■政策担当部長答弁

 再質問にお答えいたします。

 NPO・ボランティアという言葉を多用したので、そのように取られたのかなと思っていますが、新たな公共というのは、もちろんNPO・ボランティアもそうですが、意欲、それから能力を備えた、つまり「新しい公共」を担える担い手として企業とか、それから町会ももちろんあるでしょう。そういったものを幅広くとらえて考えてございます。そうした方々と一緒に協働をしていくというのが最初から我々の考えているところでございますので、そのようにご理解いただきたいと思います。


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