19年第3回定例会での一般質問

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〈質問通告〉

▼自治体シンクタンクの設立を提案するが所見は
 身近な課題を解決するための身近な自治の仕組みとして、公共を共に担うであろう多くの主体の参加できる自治体シンクタンクの設立を提案する。所見は。

▼地球温暖化対策について
1.区長に温暖化対策について基本的な考え方を問う
2.温暖化対策条例の特徴は何か
3.実効ある温室効果ガス削減に向けて具体策は何か

〈質問の全文〉

 平成19年第3回定例会にあたり公明党区議団の一員として一般質問させていただきます。

 先に行われた参議院選挙では、個別具体の政策課題よりも、与党・野党関係なく何のための政治か、政治家はいかにあるべきかが問われた選挙でありました。私ども公明党も結党以来のまたこれからも変わらぬ政治姿勢「大衆とともに語り、大衆とともに歩む政治」を掲げて選挙戦を戦いました。政治とはどこまでも大衆のため庶民のためにあるからであります。
 パン・ヨーロッパ主義を提唱したクーデンホーフカレルギーは、何のための政治かについて、国家と人間の関係から述べています。「国家は人間のために存在するが、人間は目的であって手段ではない。国家は手段であって目的ではない。国家の価値は、正確にその人類に対する効能の如何に関する。即ちその人間の発達に貢献することが大なれば大なるほど善である。(中略)その人間の発達を妨害するに至れば直ちに悪となる。」(「自由と人生」の冒頭より)と。民主主義の世の中にあって、この目的と手段が往々にして転倒することはなかったか。何のための政治かという原点を常に自身に問いかけ、心していかねばなりません。でなければ国民の政治に対する信頼は回復できないからであります。

 さて、私の最初の質問は、自治体シンクタンクの設立についてであります。
 7月19日の日経新聞に、「新宿区、世田谷区、中野区 シンクタンク相次ぎ創設」という記事が掲載されていました。そこには「子育て世代や団塊の世代の調査などを通じて住民ニーズを適確につかみ、具体的な政策に反映させるのが狙い」と、ありました。
日本における自治体シンクタンクの第一号は今から85年前の後藤新平が創設した東京市政調査会であります。大正11年6月26日には発会式が丸の内の日本工業倶楽部で開催され、後藤新平は挨拶で会の設立の趣旨、精神を以下のように明快に語っています。
 「本会は如何にして真に市民の幸福を増進させ、如何にして市民の患害(げんがい・人の心を傷つけ悩ませること)を除き、東京市をして全国の模範たらしむべきかという実際問題の調査攻究(こうきゅう・修め究めること)を遂げ、而して之が実行上必須なる参考材料を市及び市民に供給するをもって主眼とし、徒に抽象的の理論に走らせることを避けるのであります。立憲政治の根底は真善の自治を基礎と致しますが、各自のセルフコントロール、即ち自主自制はこれを市民教育に求めねばなりません。立憲政治と自治の行政は相互に或いは師となり、或いは弟子となり、之を完成することが現代の最大急務というべきであってこの目的を達成すべき方法の一助として市政調査機関の必要があると存じます。(中略)而してこの組織編制が完成した上は、政治家、実業家、学者、新聞記者等知識階級の人たちの知識と経験とを網羅してその能率を進め各方面よりその目的に向かって完全なる方法を講じて戴き、一個人一家よりその延長たる市自治体は勿論、進んで国民の立憲生活の上に貢献せんことを期したいのであります。これ本会の目的であります。」
と。このスピーチは今聞いても新鮮で、むしろ今だからこそ聞きたい調査研究機関(シンクタンク)の原点でもあります。
 一般に自治体(地域)シンクタンクの役割と設置することによるメリットとしては
@ 公共をともに担うであろう多くの主体が参加できること
A プロセスの透明化
B 政策情報の公開と適切な提供
C 政策教育の推進
D 政策論議の活発化
E 職員の政策能力の向上
F 地域の課題が明らかとなる(区民への広聴機能)
などがあげられます。勿論、シンクタンクを設置したことでこれらすべてが同時に実現されるわけではありません。設置の理念と目的がしっかりしていれば時間は多少かかっても必ずこれらの方向に向かうことだけは確かでしょう。
 2000年4月地方分権一括法が施行され、住民に身近な課題はできるかぎり身近な政府としての自治体が行うという主旨に基づいて国に対する地方自治体の自主性、自立性が明示され、各地域が自ら地域政策を決定する時代となりました。役所だけでなくNPOや大学そして住民など地域のさまざまな主体が協働し、中央政府とは異なった視点で独自に自らの政策に取り組む道筋がつけられたのであります。分権後自治体シンクタンクが相次いでいる理由もここにあるのではないでしょうか。区や市主体の自治体シンクタンクの数は既に40を超えています。
 私は今回、せたがや自治政策研究所を訪問し、区の政策研究担当課長でもあり研究所の副所長にお話をお伺いしました。せたがや自治政策研究所は庁内設置型のシンクタンクであり所長は首都大学東京大学院教授の森岡清志氏が勤めています。
副所長は研究所の目指すべき方向として、
@ 区組織全体の政策の企画・立案機能の補完と強化
A 地域の現場の発想や民間の専門的な力など地域内外のあらゆる英知を活用し、地域の課題を解決に導くための政策形成に資すること
B 外部に開かれた研究所として、地域の「知のネットワーク化」を目指す
と、3点を挙げていました。
 また中野区政策研究機構の基本活動理念は、これは研究所のHPからですが、「『都市と市民の世紀』におけるコミュニティ・ソリューション(地域による課題解決)の追求」を掲げ、「近年の政治・経済・社会のメガトレンドは20世紀的な『国家と政府の時代』から『都市と市民の世紀』に移行しつつあることを予感させます。(中略)『新しい公共』概念の登場に代表されるように市民社会の成熟化は都市政策形成への市民セクターのさらなる参加を加速させており、公民一体となった地域ぐるみの解決システムを求めています。グローバルナショナルな公共政策課題について常に中野区(民)の地域ニーズを適確に反映した具体的かつ固有性に富むコミュニティ・ソリューションを追及し、提示していくことを基本的な活動理念とします。」(研究所のHPより)とあります。まさにその通りだと思います。
 政策には車の両輪が必要としているのが、神奈川県三浦市の「みうら政策研究所」です。まちづくりを行政だけでなく、市民も重要な担い手として車の両輪に例えています。行政側の輪が「政策経営室」であれば市民側としても片方の輪を持たねばならないと市民側の輪としての役割を担うべく2003年4月「みうら政策研究所」を設置しています。
 お互いの価値観の違いを認め合い、尊敬しあうという共生社会にあって、公共の政策をいかに立案し、いかに公共を担っていくのかということが重要となっています。そのポイントは公共を担うであろう多くの主体が参加し、お互いが持っている政策情報を共有し、(といっても情報のほとんどは役所がもっていますが・・)政策について議論できる「場」が必要だということであります。シンクタンクが注目されているのも「場」としての役割がそこにあるからではないでしょうか。それは、世田谷区では「地域内外のあらゆる英知の活用」、「外部に開かれた研究所」であり、中野区では「公民一体となった地域ぐるみの解決システム」であり、三浦市では「政策には車の両輪が必要」と表現されたと理解しています。
 現状ではまだまだ多くの自治体では事業ごとに、ばかにならない委託料を払って民間コンサルや統計調査会社に計画(案)づくりもそのための基礎調査もお願いしています。民間コンサルを使えば体裁の良い成果物はできますが、(案の)策定過程に参加がありませんので役所にも地域にも何も残らない、蓄積されないというリスクがありこのままでよいとは思えません。
 自治体シンクタンクのあり方はその設置方法により、1)庁内設置型、2)財団法人型、3)第三セクター方式、4)図書館のもとに設置する などに分かれます。それぞれ一長一短あるでしょう。(私は図書館のもとに設置しては思います。理由は、一党一派に偏しないあくまで区民のためのシンクタンクである以上、政治的に中立であることと知る自由を保障した「図書館の自由に関する宣言」のもとに設置がふさわしいと考えるからであります。また皆で支えるパブリックな発想がもとから図書館にはあるからであります。そして千代田図書館にはなんといってもそれにふさわしい十分な歴史があります。設置方法はともかく、)
 千代田区には、1)大学や専門学校が集積している、2)民間企業の集積、3)区民の意識が高いこと、4)町会やNPOそしてボランティア団体の活動が活発であること、5)文化芸術機関の集積など他の自治体が羨むほどの環境がそろっています。現在それぞれの主体と区は1対1の線でつながっていますが政策形成のためにそれら主体同士が連携・ネットワーク化するための仕組み・「場」がありません。
後藤新平が言った「知識と経験とを網羅してその能率を進め各方面よりその目的に向かって完全なる方法を講じる」とした区の調査研究機関が今こそ必要と考えます。
 そこで、千代田区の特性を生かした千代田区型シンクタンクの設立を提案します。ご所見をお伺いします。

 次に地球温暖化対策についてであります。
 地球温暖化対策ということではアメリカ元副大統領のアル・ゴアの映画「不都合な真実」と、1992年ブラジルのリオで開かれた国連環境サミットにおける12歳の少女セヴァン・スズキの伝説のスピーチにつきていると思います。
今年1月に日本でもこの映画「不都合な真実」が全国で公開されました。同時に同じタイトルの本も発刊されました。3月14日の日経新聞夕刊の「ベストセラーの裏側」というコーナーに、「地球の危機、わかりやすく」というタイトルがついて、「地球環境問題を扱った本はあまり売れないらしい。しかし著者がアメリカ元副大統領のアル・ゴア氏で温暖化による地球の危機をわかりやすく紹介した『不都合な真実』は話が別。一月上旬の発刊以来発行部数は18万部(版も15刷)に達している。・・・」と、コメントしています。この7月には待望の映画のDVDが発売されました。映画の最後でのゴアの言葉がとても印象的であります。「『未来の世代はきっと自問するに違いない。前の世代は何を考えていたんだ。いったいなぜ現実をみなかったのだ』今その質問を子どもたちが大人に投げかけてもらいたい」と。

 もう一冊の本が「あなたが世界を変える日」であります。内容はカナダ人日系4世のセヴァン・スズキの「リオの伝説のスピーチ」といわれた6分間のスピーチであります。一部引用させていただきます。

オゾン層にあいた穴を
どうやってふさぐのか、
あなたは知らないでしょう。
死んだ川に
どうやってサケを呼びもどすのか、
あなたは知らないでしょう。
絶滅した動物を
どうやって生きかえらすのか、
あなたは知らないでしょう。
そして
今や砂漠となってしまった場所に
どうやって森をよみがえらせるか、
あなたは知らないでしょう。
どうやって直すか
わからないものを、
こわしつづけるのは
もうやめてください。
(中略)
私は子どもですが
みんながこの大家族の一員であり、
ひとつの目標に向けて心をひとつにして
行動しなければならないことを知っています。
私は怒っています。
でも自分の気持ちを
世界中に伝えることを
私はおそれません。

 と。この6分間のスピーチが終わったとき、人々は立ち上がって泣いていたそうです。セヴァンは「人々の反応の激しさに私は驚くばかりでした。政治家、各国の代表、会場係りの人々までが目に涙をいっぱいためて、ほんとうに大事なことを思いださせてくれてありがとう、と私たちに言ってくれました。」と話しました。スピーチのビデオはさっそくサミット会場と国連中で再放映されました。セヴァンのスピーチは今日までの、またこれからも環境政策の変わらぬ起点として引き継がれていくことでしょう。
このリオでの会議は地球温暖化防止条約の採択が行われ日本を含めた155カ国が署名しました。そして、約定国会議(COP−コップ−(Conference of Parties))の第3回が1997年に開かれた京都会議であり、初めて法的拘束力のある数値目標を定めた京都議定書が採択されたのです。
 今年はセヴァンのスピーチから15年、京都会議から10年、来年からは京都議定書に定められた約束年2008年から2012年ですが、スタートとなります。
 環境省は、2005年度の温室効果ガスの国内排出量について、1990年の基準年よりは7.8%、目標値からは13.8%も上回る13億6000万トンとなったと発表しました。排出量の増加が著しいのは家庭部門とオフィスなどの業務部門で1990年度に比べそれぞれ36.7%、44.6%の増加となりました。この10年間、国は事業者や国民の自主的な取り組みを促してきました。事業者には自主行動計画の策定を促し、国民に対してはチーム6%と題して国民運動を推進してきました。(CO2、1人、1日、1kg削減私も「私のチャレンジ宣言」をカードも持っています。CO21kgとはサッカーボール100個分にあたります。)来年のG8洞爺湖サミットの主要なテーマは温暖化対策と決まっています。しかし、国としては未だCO2、1日1kg削減の国民運動以外抜本的な対策を示せないでいます。国は自主的な取り組みにプラスして経済的手法や税制も含めた温暖化対策を本来講ずる必要があります。イギリスやEU特にドイツの成功例もそこにあるからであります。
 東京都は今年6月に「東京都気候変動対策方針」(カーボンマイナス東京10年プロジェクト)を発表しました。この方針策定の意義は
 実効性ある具体的な対策を示せない国に代わって東京都が先駆的施策を提起したこと
 明確な政策提案により、世論を喚起し実現を目指す
としています。
 そしてその取り組みの特徴は、
 一定規模以上のCO2排出事業者に対する削減義務と排出量取引制度の導入
 また、一定規模以上の建築物等に対する省エネ性能の義務化
 そして、都独自の「省エネルギー促進税制」の導入を減免・課税の両面から検討することなどであり、民間資金、基金、税制等を活用して低炭素型社会への転換に必要な経費を思い切って投入していくこととしています。また都は関係する事業者団体などと意見交換を重ね2008年度中に環境確保条例を改正し、義務化などが実際実施されるのは2010年度以降になるとしています。まさにCO2削減に向けて国に代わって必要な抜本的な仕組みを提示したのであり、評価できることであります。
 今、子どもたちは自分たちが将来負わなければならなくなる大人たちが先送りしてきた様々な負荷を知っています。
 地球の温暖化を中心とした環境への負荷
 国と地方合わせた天文学的な借金となっている財政上の負荷
 ずさんな管理が明らかになった年金の負荷などであります。
 これらすべての負荷は私たち大人の責任で解決への道筋をつけねばなりません。問題を曖昧にせずまず正しく認識することから始め、知恵を出し合い解決すべきであります。そうでなくては悲しすぎます。今できることから今始めるべきです。時間がたてばたつほど解決のためのコストは増していき何倍にもなるのですから・・。「自分らしく生きたい」という子どもたちのあたりまえの願いを私たち大人が叶えてあげるためにもであります。
 この度、区は地球温暖化対策条例を提案されました。「世界中にこの取り組みを伝え、次の世代の人々に美しい地球を残したい」との中学生の熱い思いを条例の前文としています。そして基本的な考え方は第3条に記述されます。
1) より良い環境を次世代に引き継ぐこと
2) 経済と環境が両立する社会を目指すこと
3) 区や区民、事業者が一体となって対策に取り組むこと
の3点であります。温暖化対策として具体的な数値目標を定め、取り組みについての大枠を示しました。また義務化や経済的手法まで含めた対策である第17条から19条までとその推進方法を規定した21条については関係者と十分時間をかけて協議していくとされています。(附則にて)
 この条例は、子どもたちの美しい地球に対する熱い思いに応えていくために、区、区民、事業者がともに連携して、温暖化対策に取り組む強い決意が込められていると私は理解しています。
 そこで、招集挨拶でも述べられましたが、改めて区長に温暖化対策について基本的な考え方と条例の特徴をお伺いします。

 次に実効ある温室効果ガス削減に向けての具体策であります。具体策として3点について質問します。
 対策の一番はなんといっても環境教育であります。環境教育ということではドイツが有名であります。その教育は「自然と環境への責任感」を育むよう学校に求め、民主主義や人間の尊厳と同格に位置づけています。自然界のプロセスや生態系における相互依存について体験型を重視して行っています。
 温暖化対策について実践的な取り組みを行っている例としてはハンブルクの学校で行っているプロジェクト「ヒフティ・ヒフティ50/50」があります。この環境プロジェクトの目的はエネルギー消費のあり方を変えて省エネを進め環境への負荷を減らそうとするものです。節約で浮いたコストの50%に当たる金額を学校が自由に使ってもよいという財政的なインセンティブを設けていることが特徴となっています。その支払いを受けるために生徒たちを始め教師(や用務員たち)が多くの課題に取り組みます。「50/50」に参加した40校が3年間で達成した成果は驚くべきものでした。「50/50」プロジェクトを行っている学校で減らすことができたのと同量のCO2を樹木を使って吸収させるためには、665fの土地に(サッカー場約1000個分の広さに)29万本のドイツトウヒ(常緑針葉樹)を植えなければならないことを学びます。このように目覚しい成果が上がったため当初はモデルプロジェクトだったものが常設プロジェクトになりハンブルクの学校すべてが今では参加しています。このようなプロジェクトを通して生徒たちは身近なCO2削減運動が世界を変えていけることを学び、学んだことを家族に伝えそして後には社会に伝えるとしています。ドイツでは2005年度のCO2削減実績は実に−18.7%となっています。
 温室効果ガス削減の一番の具体策としての環境教育について、教育全体の中で環境教育をどう位置づけ今後どのように行っていくのか、お伺いします。(第12条)

 具体策の2番目は、温暖化対策として広域的に進めるべき都の制度と地域で進めるべき区の制度が相互に補完しあい対策を真に実効あるものにしていかなくてはならないという点であります。(第11条)
 東京都の温暖化対策の特徴は先に述べましたが、区として対策の内容や時機の整合性を図り相互に補完しあう仕組みをつくり実効ある温暖化対策を進める必要があります。パブリックコメントでもこの点に関するものが一番多かったと聞いています。都と連携し広域的に行わなければ実効性があがらないものとして、具体的な項目は何か。また今後どのように都と連携しその制度の詳細を構築していくのか、お伺いします。

 次に具体策の最後に、区民・事業者の自主的な取り組みをいかにして促進し支援していくのかという点であります。
 温暖化対策といってもその中心は区民、事業者の日常での自主的な取り組みが大事となります。今できることから始めねばなりませんが、かけ声だけではなかなか進みません。皆がお互い楽しく取り組むことができてその輪が広がっていくような何らかの方法が必要であります。
・ 例えば、国の行っている先にも述べました「私のチャレンジ宣言」カードとの連携であります。宣言カード(携帯のチャレンジ宣言画面の提示でもOK)をこの運動を応援している企業のお店で提示すればさまざまなメリットを受けることができます。(マクドナルドやモスバーガーに行けば割引があります。ワタミGではドリンク一杯がサービスとなります。松下電器ではチャレンジ宣言をメール添付にて送ると送ってくれた人に代わって一本植樹してくれます。シャープは全国の小学校500校3万人の児童に対して環境教育を実施するとしています。)自治体としてもこのチャレンジ宣言運動と連携し区民運動として高めていくことはできないか、検討してみる必要があります。
・ また自分の行動がいったいCO2を何グラム削減できたのかを知ることができたら励みになります。この点については岩手県の職員が開発した環境尺が有効です。この環境尺はホームページからWord形式になっていますのでプリントアウトすれば誰でもすぐ利用できます。使い方の詳細は述べませんが、職員が作成した説明書に書かれていましたが、「長さや大きさ速さなどの尺度はあるけど、地球にとっていいこと悪いことの計算方法もその単位も決まっていなかったなんて不思議だね。環境は他の分野に比べて新しいんだけど千年くらい遅れていると思う。確かにどんな分野でも客観的に計量すること、つまり測ることから発展が始まったんだね。そういう意味ではこれから環境分野は発展すると思うよ」と。なるほどと思いました。
・ また温暖化専門の窓口を設置し省エネ機器の導入や自主的行動計画策定などの相談や最新の温暖化対策情報の提供やアドバイスもできるようにすること
・ 千代田区版ISOである千代田エコシステム(CES)を温暖化対策の一環として位置づけ一層の普及・促進を図る(第13条)
などが考えられます。区として自主的な取り組みの促進のためにどのような方法を考えられているのか、お伺いします。

 以上、自治体シンクタンクの設置の提案と温暖化対策について質問させていただきました。最後に「あなたが世界を変える日」の編者、辻信一氏の後書きにありました南アメリカのキチュア族の民話を紹介し、私の質問を終わります。

山火事で森が燃えていました。虫や鳥や動物たちはわれ先に逃げていきました。しかしハチドリだけがいったりきたり口ばしで水のしずくを運んでは火の上に落としています。いつもいばっている大きなけものたちがそれを見て「そんなことをしていったい何になるんだ』と笑います。ハチドリはこう答えました。『私は私のできることをしているだけ」

と、以上であります。

 区長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待し私の質問を終わります。ありがとうございました。

<区長答弁>

 大串議員のご質問のうち、地球温暖化対策について、私からお答えを申し上げます。

 お話の中で、元アメリカの副大統領ゴア氏のお話が出ましたが、ゴア氏はこの温暖化についてこういう言い方もしております。政治の問題ではなくて道徳の問題だという言い方もしております。あるいは、ノーベル平和賞を受けたアフリカのマータイさんが、未来は今が大切だと、こういうお話もしております。まさに環境問題というのはそういうことだろうと思います。地球温暖化防止の目的は、現世帯が未来世帯への加害者であってはならない、このことが温暖化問題に取り組む、私は基本だろうと思います。

 さてそこで、千代田区という状況をまずお話し申します。
 東京もそうですが千代田区も、圧倒的に電気・ガス・水・食糧は地方にお願いしております。もし電気あるいは水なかりせば、千代田区の都市活動はできない、生活はできない、この現実をしっかりと私たちは見詰めるべきだろうと思います。そうした中で、オール東京都でこの温暖化についての数値目標を出して考えるとするならば、千代田区はCO2をふやしてもいいですよ、しかし、都内で非都市的な地域で削減をしてスーペイをしましょう、こういう議論に対して、私はやはり首をかしげざるを得ない。これはオールジャパンでもそうです。かつ京都の議定書で、マイナス6%という中での内訳は、実は産業エネルギーについてマイナス1.6、業務・商業・家庭でマイナス4.4という構成比になっております。産業エネルギーについてはご承知のとおり排出権取引という形でかなりできます。というのが、工場等については省エネという形がなかなか難しいので、排出権取引ということでかなり進んでいることは事実である。問題は、業務・商業・家庭、そうしたところにいかにこの温暖化についての努力をするかということだろうと思います。
 ご承知のとおり千代田区は、圧倒的にこのシェアが高いわけでございます。そうした中で私は、やはり千代田区が積極的にこの問題に、温暖化についての削減努力をするというのは、私は、地方対都市部との状況を見ましたときに、広い意味でのお互いの地域の違いを乗り越えて、そしてともに生きるという、私は共生だというふうに申し上げたいと思います。最近の総理も、自立と共生ということを申しておりますが、私は千代田区だけが経済活動あるいは温暖化をどんどん発信していいという、私はこういう社会というのはいかがなものかと。むしろ千代田区が積極的に電気・エネルギー・水・食糧を地方にお願いしている、そういう観点から、できるだけCO2の削減を努力をしていくことが、日本、社会全体のとるべき姿だと思います。
 この考え方が懇談会の共通の認識でありまして、したがって、懇談会の答申の中にもありますように、カーボンオフセットという論議が出ております。これは、区内の事業主体ができるだけCO2の削減を努力し、そして努力の一定の基準以上オーバーした場合は、区内の事業主体に転換をしてもいいですよ、外へ排出権取引みたいなことをするべきではない、これが千代田区の持っている、日本全体・東京全体での位置付けだということで、カーボンオフセットという仕組みを提言で入れております。これはまさに千代田区がこの問題について、できるだけ区内の中で努力をすることが、エネルギーだとか水だとかそういうものを地方にお願いしている最大の、お互いの違いを越えて生きていく社会として、取り組むべき考え方だということで、他の地域へ排出権を飛ばすという考え方は、懇談会の答申ではありません。これは、懇談会の中には多様な方がいらっしゃいますけれども、この共通の土俵はできている。問題は、具体的なことについては様々なご異論があろうと思います。ぜひこのことを、これからの議会のご議論の中でも十分にご理解をいただきながら、多様なご議論をお願いをしたいと思います。
 そしてもう1つは、自助努力というのは実はいいようですが、やはり努力した人が報われないという仕組みですから、この温暖化についてはなかなかこの問題の進展がございません。もちろんこれは、税制だとかいろいろなことが絡んでいることは事実でございます。特に今回の中でも、再生エネルギーということを申し上げました。例えば太陽光だとか、これはまさに分散型エネルギーなんです。それぞれの地域でこうした仕組みを導入する、こういうのは、再生エネルギーは分散型エネルギーですから、分権社会という中では最もふさわしい取り組みであります。我々はある面では、現行で確かに都政もこうした問題を発信しておりますが、私は知事のように、国がやらないからなんて、そういうことを申し上げるつもりはありません。やはり千代田区がぎりぎりの努力をするべきだと。制度的には今、都の条例がまだできておりません。あるいは国政も、法律が改正するかもわかりません。しかし、自治体として本当に細かく条例で規制することは可能になります。しかし、この問題の持っている公益性だとか、国政・都政ということを考えますと、そうしたことをも十分に組み込み、二重三重の行政にならないように、そうした部分については推進計画という中で、十分に議論をいたしましょうということで、今回の条例は大枠を決めているわけでございます。ぜひ、千代田区という、置かれている都市地域での状況というものをご理解いただいて、この条例のご審議をお願いを申し上げたいと思います。

 条例の特徴については幾つかございますが、ご承知のとおり、かなり意識啓発ということで教育・学校あるいは事業所の社員への教育ですとか、それから、どちらかというと単体のコントロールというよりも、面的にこの取り組みをするために、官民パートナーシップ的なやり方で議論をし、詰めていきたいという、こういうのが基本であります。あと、数値目標については、数値目標がないと、これはほとんど実効性のあるものになりません。ご承知のとおりドイツのサミットにおきまして前安倍首相も「不都合な真実」という映画をごらんになったそうでございます。そうしたことの影響があったのか、国のポリシーとして出されたのかわかりませんが、ドイツサミットで自ら削減目標を50年半減ということを提起し、サミットでまとまったわけです。このくらいこの問題というのは、私は喫緊の、ある面では人類の行く末を決めるものであり、今、我々が行動をすることが最も大切だという思いで、今回提案をさせていただきました。様々なご議論があることは十分承知しておりますが、ぜひ精力的にご議論をいただきたいということをお願い申しまして、温暖化についての考え方を申し上げさせていただきました。

 詳細あるいはその他のことについては、関係理事者をもってご答弁いたさせますので、よろしくお願いいたします。

<政策推進担当部長答弁>

 大串議員の自治体シンクタンクのご質問についてお答えいたします。

 自治体シンクタンクには、議員ご指摘のとおり区民の側からも様々な主体が参加し、議論する場を提供し、政策形成の過程に参画するという意義がございます。一方、自治体側からも、外部の人材を活用して政策立案や調査研究に役立てたり、職員の人材育成に資するなどメリットがございます。本区においては、NPO・ボランティアや区内大学から様々な政策提案をいただく制度を設けている一方、職員からも研修の一環として政策提案をさせております。この中には、放置自転車イエローカードの実施など、区の施策に結びついた優れた提案も数多くございます。本区には著名な研究機関や大学などが多数集積しており、本区の地域特性を踏まえて何らかの活用の仕組みを検討する必要があるとも考えております。シンクタンクには、議員ご提案の図書館型も含め様々なモデルがあり、それぞれにメリット・デメリットがありますが、本区にふさわしいシンクタンクのあり方について、今後議論をしていきたいというふうに考えております。

<環境安全部長答弁>

 大串議員のご質問のうち、温室効果ガス削減に向けての具体策についてお答えいたします。

 まず、環境教育についてでございますが、これには大きく3つの取り組みを考えてございます。その1つは、学校教育の中で広く環境全般に心を根づかせていくことでございます。次に、区内の事業者へは、従業員に対する環境教育に努めていただき、省エネ対策等について、計画書等の提出をお願いするものでございます。他の模範となる取り組みをされた事業者等へは、区が表彰し、公表してまいりたいと考えております。さらに生涯教育の視点から、広く区民を対象として、講座の開催やホームページを活用した情報提供なども行っていきたいと考えてございます。
 次に、東京都との連携についてでございますが、地球温暖化対策を進める上で、二重行政による混乱を避けることを含め、東京都との連携は欠くことができません。ご指摘のとおり東京都は、本年6月気候変動対策方針を公表し、平成20年度には環境確保条例の改正を目指すとしてございます。区も今般条例案を提出いたしましたが、推進制度に関する条項につきましては、今後議会や関係者とも十分協議し、詳細を詰めていく予定でございます。すなわち、都も区も今後約1年間が非常に重要な期間であり、情報交換等を積極的に行い、制度の構築を進めてまいりたいと考えております。
 調整すべき具体的な項目といたしましては、例えば事業所等にお願いする省エネ性能や再生可能エネルギー等の導入に関する内容、対象とする建築物等の規模、CO2排出量取引と温暖化対策の相互支援などが考えられます。
 次に、個人等の自主的な取り組みの推進についてお答えいたします。
 地球温暖化はグローバルな問題でございますが、個々のレベルでの活動なくしては解決できません。大企業では、環境により良い行動を継続的に行うため、ISO14001の取得が進んでございますが、区民や中小企業等では、費用負担などの面から難しい状況にございます。このため本区では、費用負担が少なく、より取り組みやすい手法として、独自に開発いたしました千代田エコシステム等を活用し、環境に配慮した取り組みを促進してまいりたいと考えております。千代田エコシステムでは、企業のほか従業員や区民が個人として楽しみながら取り組める仕組みも用意しており、今後もさらに拡充してまいります。
 ご紹介の環境尺につきましては、個々の取り組みのいわゆる「見える化」の一方法として、今後の参考にさせていただければと思います。
 また、区民や事業者の環境に配慮した行動を促進するため、行動指針を作成するとともに、公民パートナーシップによる組織を設け、情報提供や技術支援の相談窓口にしたいと考えてございます。

<子ども教育部長答弁>

 大串議員の教育全体の中で環境教育をどう位置付け、今後どのように行っていくかとのご質問にお答えいたします。
 この地球に生きる私たちは、他の動植物や自然環境とともに生きる共生の関係にあり、私たちには、生活の基盤となるこの美しい地球を、良好な状態で次の世代へ引き継いでいく責任があります。教育活動を通じて、このような視点を子どもたちに伝えることの意義は極めて大きいとの認識から、本区においては、教育目標を達成するための基本方針の1つに環境教育を掲げ、全校・園でISO14001の認証を取得し、各学校・園が独自の指導計画に基づき、体験活動を中心に様々な環境教育に取り組んでいるところであります。こうした環境教育を通じ、子どもたちが地球規模で問題を考え、それをもとに自分たちがかかわれる身近な事柄を実践できるよう、指導育成を図っております。今後とも、かけがえのない地球環境を次の世代に引き継ぐため、環境教育のより一層の充実に取り組んでまいります。

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