21年第2回定例会での代表質問

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<質問通告>

「子どもの笑顔輝くまち千代田」を目指して!

▼「子育て施策の財源の確保に関する条例」また、「次世代育成支援行動計画」ともに今年度が最終年度である。そこで、それぞれの目標は達成されたのか。
▼今後、「共育マスタープラン」、「次世代育成支援行動計画」(後期)が策定されていくこととなるが、子ども施策全体の方向性と基本的な考え方は。
▼「子どもの居場所づくり」に関しては、学校や区を始め多くの団体、グループがその取り組みを行っている。そこで、皆が一堂に会する場を設け、課題の解決や連携できるようしてはどうか。

<質問の全文>

 平成21年第二回定例会にあたり、公明党議員団を代表して質問を行います。

 今年、3月17日の朝日新聞には大変ショッキングなニュースが掲載されました。それは「高校中退者、全国で7万人 貧困・孤立・・・遠のく学校」とのタイトルです。記事は、「昨年度、全国で7万2854人の高校生が中退した。彼ら、彼女らはなぜ学校から遠のいていったのか。家計の問題や家族との不和、学力不振、社会への不信、それらが招いた無力感、喪失感―。10代で厳しい現実を突きつけられ、もがく姿が見えてくる」「今回取材で7人の若者からじっくり話を聴いた」「彼らに共通するのは、若いにもかかわらず、疲れている点だ。家庭不和、貧困、暴力などを背負い、孤立したまま過ごしてきた様子がうかがえた」「家庭が崩壊し、地域とのつながりもない。せめてもと友達に会える学校に来る。だから友人関係がこじれたら中退する」と。記事では、貧困も大きな原因ですが、孤立せざるをえない若者の現実とそうさせている社会の実態を生々しく紹介していて、高校生らの叫びが聞こえてくるようでした。

 さて、今年度は、区の「次世代育成支援行動計画(前期)」そして「子育て施策の財源の確保に関する条例」ができてより期間5年の最終年度にあたります。
 そこで、質問の目的ですが、子ども施策全般のこの5年間の「検証」と今後の「展望」つまり子ども施策の中期的な方向性と基本的な考え方を改めて問い、「子どもの笑顔輝くまち千代田」の実現へ向けて確かな道筋を確認することにあります。

 最初に、何を基準に検証し、何をもって展望するのかということですが、それは、国において明確に示された「子どもの視点」をもって行うべきである、ということです。2003年、国において子どもに関係する法律や指針、大綱が連続して成立しました。
 少子化社会対策基本法 7月
 次世代育成支援対策推進法 7月(10年の時限立法)
 行動計画策定のための指針 8月
 青少年育成施策大綱 12月
 児童虐待防止法の改正 2004年4月
これらのいずれにも貫かれている考え方が「子どもの視点」であるからです。例えば、「行動計画策定のための指針」の基本的な考え方の最初に、その「子どもの視点」がおかれています。説明には、
 「1−(1)子どもの視点
我が国は、児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)の締約国としても、子どもにかかわる種々の権利が擁護されるように施策を推進することが要請されている。このような中で、子育て支援サービス等により影響を受けるのは多くは子ども自身であることから、次世代育成支援対策の推進おいては、子どもの幸せを第一に考え、子どもの利益が最大限に尊重されるよう配慮されることが必要であり、特に子育ては男女が協力して行うべきものとの視点にたった取り組みが重要である」とされました。
 以上の説明は、また、「子どもの視点」とは「子どもの権利からの視点」ということを明確にしたものでもあります。
 また、青少年育成施策大綱ですが、この大綱を定めた目的にもやはり以下のように「子どもの権利からの視点」が記述されました。
「『児童の権利に関する条約』等に示されている青少年の人権の尊重及び擁護の促進の観点も踏まえ、」「基本理念と中長期的な施策の方向性を明確に示し、保健、福祉、教育、労働、非行対策など幅広い分野にわたる施策を総合的かつ効果的に推進するためこの青少年育成施策大綱を定める」と。さらに、大綱の基本理念として「大人社会の在り方の見直しを行う」との文言と、重点課題のところには、新たな「青少年観への転換」との文言も入った大変画期的なものとなっています。
 これらの法律、指針、大綱は一連のものであり、単に少子化対策や子育て支援にとどまるものではありません。子ども施策、青少年施策全般を「子どもの権利からの視点」をもって総合的に取り組むことによって「大人社会の在り方の見直し」までを見通したものであり、考え方としての「子どもの視点」はそのための重要な切り口になりうる。そしてその期間は10年であると、そう理解しています。

 子どもの権利ということでは、今年は、その子どもの権利条約が1989年の国連総会にて採択されてより20周年の節目にあたります。確認のために少し触れておきたいと思います。日本は1990年にこの条約に署名し、1994年批准、発効となりました。以後、国連子どもの権利委員会へは政府報告書とカウンターレポート(オルタナティブレポート)としての「市民・NGO統一報告書」の両方が提出され審査を受けています。委員会からは最終所見(評価できる点、懸念、提案及び勧告からなる)が出されます。
 1998年に最初の第一次最終所見
 2004年に第二次最終所見
 2010年には第三次最終所見が予定されています。そのための報告書は両方ともすでに委員会へ提出されています。
 「市民・NGO統一報告書」は(現物を紹介し)このように本にして発刊されています。2009年版はCDとなりました。この報告書づくりを中心となってまとめているのが、一橋大学名誉教授の福田雅章氏です。第一回報告書をまとめた本は「子ども期の喪失」というタイトルがつきました。福田氏がいう「子どもの居場所」は先ほどの「子どもの視点」とは言葉は異なってもその考え方はまったく同じであります。「子どもの視点」のいかに重要なことかがわかります。その本の「発刊にあたって」の中で、以下のように述べています。
 「1948年、私たち人類は、世界人権宣言の中で『人間が先制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないようにするためには、法の支配によって人権を保護することが肝要である』ことを確認して戦後社会を出発させた。しかるに、大人たちは、政財官一体となってひたすら経済発展を最優先させ、画一的な価値観のもとに自分を殺して権威と権力に従順であることを強いてきた。
今、子どもたちはそんな日本の社会文化構造の『専制と圧迫』に抗議し、これに対する『最後の手段』として、自らの全存在を賭け、自らの命を犠牲にして、さまざまな『反逆』(自殺、非行、いじめ、不登校、よい子の息切れ等々)を試みている。
今こそ私たちは、子どもたちを『反逆』というさらなる犠牲に追いやる前に自分を活き、人のためにも活きられるような『人権の保障された』社会を創造しなければならない。それはとりもなおさず、画一的な価値観や能率主義や管理主義の中で、人を支配管理し、すり寄らせるのではなくて、『あなたはあなたらしく生きていいんだよ』とお互いをそのままで受け入れ合う人間関係(居場所)の構築にある。一人ひとりが人間としての安心と、自信と自由を取り戻すことである。(中略)
 本書は、同時に、子ども問題を通した戦後日本社会に対する総括的な告発の書であり、『草の根』運動が生み出した子ども問題解決へ向けての処方箋でもある。本書を通して、私たち一人ひとりが、これまで『これがあなたのためよ』と言いながら、実は親の、社会の、国のエゴを子どもに押し付け、子どもを支配し、子どもの居場所を奪ってこなかったかどうかを、自ら検証することが求められている。」と。
 大変心に残る内容であります。1998年(平成10年)に書かれましたが、冒頭紹介させていただいた「孤立する若者達」の記事からは、子どもを取り巻く社会状況は今も変わっていないことを痛感させられます。考え方としての「子どもの居場所づくり」また「子どもの視点」の意義と必要性がここに明確ではないかと思います。
 以上、「検証」と「展望」について行う際に必要な「子どもの視点」について述べさせていただきました。

 この点を踏まえ、区の子ども施策について3点質問させていただきます。

 最初に区の子ども施策全般の前期5年間の検証についてであります。
区は、2004年(平成16年)10月に、先ほどの次世代法と行動計画策定指針に基づき次世代育成支援行動計画(前期)を策定しました。また、きわめて異例のことですが、この計画の財政的な裏付けとなる「子育て施策の財源の確保に関する条例」を定めました。期間はともに5年ですので今年度はその最終年度にあたります。
行動計画の冒頭には、計画全体を貫く基本的な考え方として6つの視点が書かれています。
@ 1番目の、多様なライフスタイルを認め合う とした「お互いを認め合う」という視点、また、
A 2番目の子どもの幸せを第一に子育ちを支援する とした「子どもの幸せを第一に」という視点はまさに「子どもの権利からの視点」であります。さらに、
B 6番目には、タイトルにはありませんが、保護者のニーズと子どもの利益のバランスをとり とされましたが、これも「子どもの最善の利益をはかる」という「子どもの権利からの視点」であります。
なお、3番目は子どもと親が共に育つという視点、4番目は雇用の在り方、5番目は地域の絆の大切さについてであり、いずれも大事な視点であります。
 それぞれの地域の実情に合わせて全国の自治体がこのように一斉に、「子どもの視点」を基本的な考え方とした次世代育成計画を策定し子ども施策に取り組むことを考えるとき、最初にも申しましたが、この計画が果たさねばならない役割はあまりにも大きいものがあります。
千代田区においては、この行動計画について「区を挙げて実現する行動計画にします」と宣言したように、並々ならぬ決意をもってスタートいたしました。また「財源の確保条例」を提案したのもその決意の表れといってもよいと思います。区長は、次世代育成についてその重要性を度々強調され、「社会システムの構造を変えるもの」であるとも述べられました。まさにその通りだと思います。
そこで、計画と条例それぞれの目標は達成されたのか。子ども施策全般を「子どもの視点」から体系化し総合的に取り組んできたこの5年間の検証の結果はどうだったのかお伺いいたします。

 次に、子ども施策の今後の展望つまり中期的な方向性と基本的な考え方についてであります。
前期の検証された結果とこの度実施したニーズ調査の結果に基づき後期の次世代育成支援動計画が策定されることとなります。現在、次世代育成推進会議で検討中であると思います。またその上位計画となる共に育つ「共育マスタープラン」の策定は教育委員会にて検討中であるとお伺いしています。同時並行的に策定が進んでいることが計画の整合性が本当にとれるのかちょっと心配な点もあります。昨年の第一回定例会代表質問にて私はこの共育マスタープラン策定の視点について、区が示した4点にプラスして「子どもの視点」を加えるべきではないかと、質問いたしました。この視点を欠いては教育と子ども施策を合わせた総合的な計画、マスタープランにはなりえないからであります。質問に対しては、子どもの幸せなどの「子どもの視点」をもって、子どもの成長を社会全体で支えるためのプランをつくっていきたい、との教育長答弁でした。いずれにしましても前期の検証結果を有効に活かしながらそして基本的な考え方を明確にして後期5年のスタートをきりたいものです。
 そこで、子ども施策の展望つまり中期的な方向性と基本的な考え方を改めてお伺いいたします。なお、財源の確保条例は来年の3月末で失効いたしますが、後期行動計画に対応して同じように条例提案をされる予定はあるのか、合わせてお伺いいたします。

 次に、「子どもの居場所づくり」についてであります。
この「子どもの居場所」については明確な定義はなされていません。単に安全な空間的な場所の確保にその意味があるのではなく、子どもとの関わり方にその意味があると思います。福田雅章氏のいわれた「『あなたはあなたらしく生きていいんだよ』とお互いをそのままで受け入れ合う人間関係」があればそこは「子どもの居場所」ということになります。多くの自治体でもそのような認識になっていると思います。
「子どもの居場所づくり」は区や学校を始め、大学やNPO、ボランティアクループ、企業、町会など様々な団体がその取り組みを行っています。
 先日、NPO法人「コドモ・ワカモノ・まちing」の代表の方お二人にお会いする機会がありました。(高沢議員と一緒にお会いしました)移動式子ども基地を始め、まち学習・環境デザイン学習、四季の感育学校、絵本・きっと本の制作・出版、子どもイベント、人材養成・セミナーの開催など様々な活動をされていてほんとにびっくりいたしました。今日までの千代田区での活動実績は
 2003年 江戸開府400年記念 大賞受賞
 2004年 千代田まちづくりサポート 大賞受賞
 2008年 千代田まちづくりサポート10周年記念事業大賞受賞
など素晴らしい実績があります。代表の星野氏は一級建築士の資格をもったまちづくりの専門家でもあります。
トラックによる「移動式子ども基地」については、場所は西神田公園でしたが、先日新聞にも写真入りで楽しく遊ぶ子どもたちの様子とその活動の内容が大きく紹介されました。「画用紙で作った巨大パズルやボウリング、けん玉、スケッチブック、水鉄砲など約30種類のおもちゃが広げられると子どもたちからは歓声があがる。NPOメンバーや学生ら10人が見守る中、約50人の子どもたちは日が暮れるまで遊んでいた。」と。また「この移動式子ども基地は月に4、5回活動する予定」で「子どもたちの笑顔がたくさんある街をつくりたい」との代表の話も紹介されていました。お会いした際、プロジェクト報告書をいただきましたが、書かれているその内容が非常に印象に残るものでした。それは冒頭の「背景と目的」そして「まとめ」の部分です。一部紹介させていただきます。
 「子どもたちがまちで遊び、近所のお姉さん、商店街のおじさんなど、まちで子どもたちの成長を見守る。そんな当たり前の光景が、ここ数十年の間に失われてきました。近年、子どもたちをとりまく環境は激変し、『3間(時間・空間・仲間)の欠如』が著しく、子どもとまちとの関わりが希薄になっています。特に都市部では、次々に空き地や路地にビルが建ち、時間の過密、事件や事故、家庭問題など子どもを取り巻く環境は決して良いとはいえません。経済中心の大人のまちづくりにより子どもたちがまちの中で元気に遊んだり、近所の人々と交流したり、まち全体で子どもを見守る環境が少なくなっています。
 様々な人・自然・文化・知恵などとふれあう機会が減る一方、情報過多により知識はあるが、自分の経験から物事を解決すること、創造すること、感じる力が少ない子どもたちが増えているのを実感しています。元々、子どもは遊びや体験・交流を通じてそれらの力を育む能力を持っています。それを大人たちが奪っているのです。」と。
また、まとめには、
 「近年、『子どもを守る』という言葉をよく耳にします。それは、子どもを閉じ込め、束縛することではなく、まちのみんなで子どもの笑顔を守る、子どもが笑顔でいられる環境をつくることではないでしょうか。また、子どもがまちとの持続性のある有機的な関わりの中で、『五感を使って感動し、感性や感謝の気持ちを育む『感育』が現代の子どもたちに必要とされていることだと思います。経済主義が崩壊している今こそ本来の豊かさの再認識が必要です。子どもと子どもをつなげ、子どもと家族をつなげ、子どもと若者をつなげ、子どもと先人をつなげ、子どもとまちをつなげ、まちとまちがつながる。継続することで過去と今と未来がつながる。経済性や合理性だけでなく、昔は当たり前にあった子どもとまちの有機的な関わり『たて・よこ・ななめ、過去から未来』をつないで、子どもたちが一緒にゆっくりと成長する。そのような豊かさが今の社会に必要だと思います。(中略)『子どもの笑顔の森』をゆっくり育てたいと思います。」と。
とてもすばらしい内容で感動いたしました。このような考え方をもっての様々な活動はまさに「子どもの居場所づくり」のとても良い例であると思います。
 他にも、同じような考え方を持ち区内で活動されている団体が多くあると思います。例えば、子どもに安心して自信を持って自由に生きる権利があることを子どもたちに体験で教えるCAPを推進している保護者のグループ、司書資格を持ちながら本の読み聞かせを行っているグループ、大きなまちの模型を子どもたちがつくりまちづくりについて考えさせるグループ、子どもたちがまちに出て防災マップを作成しているクラブ、子どもたちにメディアリテラシーをボランティアで行う企業などであります。
 そこで、提案があります。このように「子どもの居場所づくり」に区内で活動されているNPOや団体が一堂に会し、情報交換だけでなく、子どもに関するいろいろな課題を共有しみんなで解決できるようにしてはどうでしょうか。各団体の活動を、カレンダーやマップにし、活動内容や考え方などを紹介する小冊子を作れば、これは保護者には宝物の情報となるはずです。プレイリーダーのネットワークができれば地域の人がもっと参加できるようになるかもしれません。まさに「地域で子どもを育てる」、また「共に育つ」ことにつながっていくことになるのではないでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

 以上、子どもの笑顔輝く千代田を目指して、提案も含めて3点の質問を行いました。
この度、NPOの方にお会いし、短い時間でしたが、私は改めて多くのことを学ぶことができました。大人の都合による大人社会から真に子どもの幸せを第一に考える社会への転換は必ずできると確信もできました。勿論、そのためには教育も含めた行政セクターが「子どもの視点」にたつという不退転の決意と実行が必要なことはいうまでもありません。
 前向きで積極的な答弁を求めて質問を終わります。
 ありがとうございました。

<区長答弁>

 大串議員の子育てに関しますご質問にお答えいたします。

 私の子育てに関します物の考え方は、例えば、木に例をとりますと、きちっとした、大地に根を張る、そして、立派な幹になっていただきたい。そのために我々大人は養分をきちっと注いでいくということだろうと思います。そして、その大地にしっかり根を張った木から花や実がなるんだろうと思います。どうも、そうした思いとは逆に、大地にしっかりと根が張っていない木に花や実がなり、ちょっとした風雨で木が折れたり、実が落ちてしまう。私は、子育てというのは、しっかりと大地に立派な幹として育つ、そのことを私たちがしっかりと応援し、あるいは養分を大人が注いでいくということだろうと思います。
 古くから、日本の言葉の中に、「はえば立て 立てば進めの親心」という例があります。むしろ今日、その言葉は「立つまで待とう親心」という思いで、私は子育てというものを考えていくべきではないだろうかと思います。そうした思いで、「子育て施策の財源の確保に関する条例」をつくり、そして、皆様方のご判断をいただいたわけでございます。
 最近の新聞報道、ですから事実かどうかわかりませんが、小渕少子化大臣も、子育てに関します財源の確保として、消費税を1%充てるぐらいな思いで施策をやったほうがいいだろうというご発言もあります。やっとそうした意味で、国政レベルでもそういう議論が出てきたんだろうと思います。我々は、ある面では国のそうした動向、そして、これまで取り組んでまいりましたさまざまな施策についてしっかりと点検をし、そして、この条例の問題について最終的に皆様方にもご相談をしながらどうするかの判断をさせていただきたいというふうに思います。ただ、考え方は、私は、子育てというものに対する、しっかりと根を張り、しっかりとした幹を育てていく、そのために我々大人を含めて社会全体がしっかりと養分を与える。そういう思いでこの条例はつくらせていただいたわけであります。
 お話にありました、公園にトラックでおもちゃを持ってきて、子どもたちが遊んでいるのも何回も私はその現場にも行った。そのときの子どもの顔はみんな笑顔です。まさに私はそういう社会というのが最も望ましいと思います。多様なおもちゃで遊んで、囲んで、そのトラックの中のおもちゃを使いながら遊び、笑顔、そういう、私は社会をつくっていかなきゃいけないという思いもございます。
 具体的に、今まで5年間の中で取り組みました施策について1%条例で、統計のとり方にもよりますが、平成17年にこども・家庭費が約12億円でございました。その中には、施設の維持管理費や職員人件費を除いて12億円でございまして、それが平成21年度には26億円になっております。よく、こういう比較がいいかどうかわかりませんが、高齢者との同じような比較をいたしまして、一人当たりのいわゆる区費の投入額は、17年のときにはこども・家庭費は高齢者一人当たり3分の2でありましたが、21年度で比較いたしますと、高齢者一人頭の区費の支出に比べまして、子どもさんへの支出は約1.6倍から1.7倍というふうになっております。これも条例というものの持っている大きな意味だろうと思います。具体的には、どういう事業が展開されたかということは、ここでるる申し上げるつもりはございませんが、かなり子育てに関しますさまざまな、区ができる施策は、私は全国的にも突出した、そうした事業になっているだろうと思います。
 これも繰り返すようでございますが、子育てというのは大地にしっかり根を張り、幹がきちっと育って、そのために我々がしっかりと応援をし、養分を与えていくという、こういう思いでございまして、これからもこうした社会づくりのために区政としてしっかりと、皆様方のご理解をいただきながら進んでまいらなきゃいけないと思います。その中で、後期の次世代支援行動計画について、今、専門家とさまざまな議論をしておりますので、そうした状況も見きわめながら、この条例の問題について最終的に区側として考えを整理して、皆様方とご相談をさせていただきたいと思います。
 その他につきましては、関係理事者をもって答弁をいたさせます。

<子ども・教育部長答弁>

 大串議員のご質問のうち、子どもの居場所づくりについてお答え申し上げます。

 子どもたちが安心してのびのびと学んだり、遊んだりできる居場所をつくるために、学校や行政のみならず、幾つもの施設や団体がさまざまな形で活動していることはご指摘のとおりでございます。学校・園はもとより、児童館、放課後子ども教室、それに青少年委員の活動や文化スポーツ課の事業、町会女性部や民生児童委員、更生保護女性会、さらには区内大学生を中心にボランタリーな活動を展開しているNPO法人などが、それぞれの理念と実施方法を持って子どもにかかわる活動を行っております。ご案内のNPO法人は、独自の活動だけではなく、学校や児童館、社会福祉協議会などの行事やイベントの際にも、子どもたちのためにさまざまな形でご活躍いただいております。
 子どもに関する諸課題の共有や解決を図るために、子どもの居場所づくりに携わるNPOや団体が一堂に会する場を設定してはとのご提案でございますが、現在のところは、各団体はそれぞれ独自の理念や方法で活動しており、区として実態の詳細な把握や相互の情報交換の場の設定までは至っておりません。
 しかしながら、居場所づくりを含め、地域の子どもに関する情報収集や発信は、子育てにかかわる地域拠点としての児童館の果たすべき大切な役割と考えております。今後、児童館を中心に、各種団体の活動実態や運営上の課題などの把握を行い、情報交換・相互交流の場の設定につなげていきたいというふうに考えております。連携の場の設定については、子どもの行動範囲を考えると、区全体ではなく、場合によっては地域ごとに設ける方法もあろうかと考えております。
 いずれにせよ、官民の必要に応じた連携や情報共有は大変有意義なことと認識しており、協議の場の具体的な設定や運営方法等を含め、若干検討のお時間をちょうだいしたいと存じます。

<特命担当部長答弁>

 大串議員のご質問のうち、次世代育成支援行動計画と子ども施策の方向性等についてお答えいたします。

 まず、前期の次世代育成支援行動計画の検証につきましては、学識経験者や保護者などの区民代表で構成いたします次世代育成支援推進会議において、取り組んでまいりました。特に、平成19年度の推進会議におきましては、「次世代育成支援組織の体制」「人の育成」「子ども家庭支援センター機能」の3点に関連する事業の検証に重点的に取り組んでまいりました。平成20年度末の時点におきまして、計画に定められた全事業の平均達成度は約8割と考えております。計画の最終年度に当たる今年度におきましても、引き続き達成度のさらなる向上を目指し、各施策を推進してまいります。
 次に、子ども施策の中期的な方向性等についてでありますが、子どもは未来を担う宝であり、私たちには輝ける未来へ子どもたちを送り出す責務がございます。明日の社会を担う子どもたちに健やかな成長の機会を保障することこそが私たちの責務であると考えております。そして、子どもを産み育てたいと願う人々が、「喜び」や「楽しみ」を味わいながら、ゆとりを持って子育てをすることのできる社会、また、子どもたちにとってもみずからが尊重され、将来に夢や希望を抱いて生きていける社会を築いていかなければなりません。
 ご質問にもございました、前期の行動計画策定に当たって定めました「6つの視点」や「5つの目標」は、推進会議におきましても「普遍的かつ優れたものであり、後期の行動計画においても骨格にしていくべきものである」とのご意見をいただいております。これらを骨格にしながら、「子どもの視点」を最優先に、これからの次世代育成支援施策を構築してまいる予定でございます。

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