26年第1回定例会での代表質問

「世界幸福度報告書2013」を紹介して

〈質問通告〉

平成26年度予算について
◆平成26年度予算の特徴、目指すものは何か
◆「予算の概要」の配付について
 現行600円の有償配布となっているが、希望する区民には無償で配布してはどうか
◆予算成立後、各出張所で予算説明会を開催してはどうか

防災・減災対策について
◆3.11大震災を受けて防災・減災対策はどう変わったのか
◆防災教育の実施とその内容について
 

〈質問全文〉

 平成26年第1回定例会にあたり、公明党議員団を代表しまして質問を行います。
 昨年の9月、国連は「世界幸福度報告書2013」(Word Happiness Report2013)を発表しました。国連では、現在の国の豊かさを図る代表的な指標となっているGDPの限界を認識し、新しい指標の開発を目指しています。国の豊かさを本来の人間の幸福や尊厳で図ろうという新たな指標「幸福度」であります。
 2011年7月に、国連で国連加盟国に幸福度の調査を行い、結果を公表し公共政策に生かそうとの決議、いわゆる幸福決議が成立しました。そのことを受けて、2012年4月に、ブータン国首相が議長になり国連ハイレベル会合が実現し、最初の「世界幸福度報告書が発表されました。今回はその2回目となるものです。
第1位はデンマーク
 2  ノルウェー
 3  スイス
 4  オランダ
 5  スウェーデン
となっており、北欧諸国が上位を占めています。日本は、43位でした。(ちなみに前年は44位でした)ものが豊かで、治安も良く、便利な国日本がどうして幸せでないのか。過去、類似の調査が他の機関から発表されてきましたが、日本は同様に下位の評価となっています。国連での評価の基準は、7項目あり(@とAが)富裕度、B社会の支え、C健康度、D選択の自由度、E社会の寛容さ、F政治のクリーン度などとなっています。これらは、国と政治に関するものが3項目、社会に関するものが2項目、個人に関するものが2項目と分けられるかもしれません。私は、日本はこの内、社会の支え、社会の寛容さ、選択の自由度など主に社会に関係する指標が他の国に比較して低かったのではと思います。(グラフを提示)日本語版が出ていないのが残念です。いずれにしても、報告書をきちんと分析し今後の政策にいかしていきたいものです。
 この今の日本社会に警鐘を鳴らすのは、昨年の区民集会で防災講演を行っていただいた山村武彦氏です。著書「近所の精神」の中で以下のように述べています。
 「恐ろしいのは自然災害だけではありません。日本だけでも毎年、自然災害の数倍もの犠牲者を出す深刻な災害があります。いじめを苦にした自殺を含め自殺者が毎年3万人を超え、無縁死は年間32000人に及び、孤立死は65歳以上だけで15000人に達しています。私はそれを社会災害と呼んでいます。」と。そしてその対策についてですが、隣組のような真の共同体が必要であるとし、以下のように述べられています。「今、求められる隣組は、国家や為政者の道具ではなく、強制され押し付けられることのない自分たちが自分たちのために役立つ自由な真の共同体です。自然災害と社会災害を克服することを目的とする人と人を結び合うための共同体です。」(「近所の精神」より)と。
 社会災害であるともいえる今の日本社会の現状を行政の所為にしたり、行政になんとかしろというのではなく、真の共同体、つまり共同体自治の構築こそが必要なのであり、そのことにより自然災害と社会災害を克服できると述べています。私も全く同感であります。社会災害の克服はまた人間の幸福や尊厳を高めることにもつながります。
 幸福度報告書は、個別の国に関して勧告のようなこうしなさい、こうあるべきだ、のような記述はありません。よって、それぞれの国が報告書をどう受け止めるのかということが重要です。日本はどう受け止めればよいのか、この度の山村氏の指摘はとても参考になると思います。是非とも政策に生かしていきたいものです。

 さて、最初の質問は平成26年度予算についてであります。
 昨年の第1回定例会で、区長選挙後初の議会でありますが、区長は今後の区政運営の基本方針を述べられました。その中で、「豊かな地域社会」の実現を目標として掲げられ、そのためには@地域コミュニティの強化とA多くの人々の参加と協働に取り組むことが必要であるとされました。特に、コミュニティに関しては、「東日本大震災を始め、独居老人の孤独死、いじめ問題など・・・(の)課題(に対し)・・まさに現在、ご近所の底力、地域コミュニティの意義・重要性を改めて見つめなおす時がきているのではないでしょうか」とその重要性を強調されました。
 この「豊かな地域社会」を目指すこととしたことは、3.11大震災の教訓にも通じますし、先ほどの山村氏の指摘とも重なるものでもあり評価いたします。
 平成26年度予算は、その「豊かな地域社会」実現へ向けての実質初の予算となります。よって、予算の特徴も、予算の目指すものも明らかであります。ところが、「予算の概要」の予算の特徴の項にもまた今回の区長招集挨拶での平成26年度予算の説明にも「豊かな地域社会」という文言は出てきません。「区民生活の安全を確保し、安心を支えるために積極的・効果的な事業展開を図る予算」との大見出しで、説明にも「安全・安心・快適」という文言が繰り返されます。
 昨年の予算特別委員会において、私はこの点を指摘させていただきました。(選挙後時間がなく、予算の概要の特徴に記述するに体系的に整理する時間がなかったとの答弁でした)
 安全、安心、快適を否定するつもりはありません。区民の生命、身体、財産を守ることは法律にも条令にも書かれていることで、自治体の責務であり、区民の安全を確保することは当然であります。ただ、そのことを予算の特徴や予算の目指すものとすることにはちょっと違和感を覚えます。一つの目指すべきものがあり、その実現のための手段として安全、安心、快適、(便利)があるのならまだわかります。
 安全、安心、快適という文言に反対する人はなく行政用語としては使いやすいのかもしれません。しかし、「豊かな地域社会」の実現という目標を掲げた以上は、安全、安心、快適、便利を前面に出すのではなく、きちんと予算の目指すものとしての「豊かな地域社会」をまずは記述し、説明もすべきではないでしょうか。特徴、目指すべきものとして明確にしなくては、区民と共に「豊かな地域社会」の構築は不可能だからであります。
そこで、改めて区長に平成26年度予算の特徴、目指すものは何かお伺いいたします。

 次に、「予算の概要」についてであります。
 冊子となっての「予算の概要」は、平成15年度より作成されており、年々バージョンアップされてきています。私たちの税金はどのように使われるのか、区民のもっとも知りたいことであります。誰が読んでもわかりやすくと写真やイラストを多用し、ポイント欄を設けるなど工夫され大変よくできていると思います。今では案の段階からホームページに公開され、出張所や図書館でも閲覧できるよう「予算の概要(案)」が置かれています。難を言えば、年々情報量も増え今では随分厚くなりちょっとかさばるということ、それから手に入れるためには有償で買わなくてはならないといことです。
 かさばる点については、予算の特徴が明確になればそれに関係する事項をまとめA5サイズ(いわゆる公式ガイドブックサイズであります)にして別途作成しても良いと思います。「概要の概要」または「予算の公式ガイドブック」の作成であります。そうすれば皆が気がるに持参でき、皆で議論もできるようになります。積極的な情報提供が必要ですが、いろいろ工夫をして区民にやさしい情報の提供を今後も行っていく必要があります。
 予算の概要の配布の件であります。現在、「予算の概要」は区民も事業者も一律600円の有償販売となっています。行政は、あくまで区民の皆様から権限の付託を受けて予算を編成し事業を執行しています。「予算の概要」はその付託にどう応えていくのかといういわば報告書でもあります。本来であれば一家に一冊お届けしてもよいものであります。「自分たちの税金がどのように使われるのか、知りたければ買って読みなさい」というのはどこかおかしいと思います。希望する区民には無償にて提供してはどうでしょうか。
 また、予算の成立後、各出張所で予算説明会を開催することも必要なことであります。子育てや防災など分野別に開催しても良いと思います。丁寧な説明と区民との意見交換の場としてはどうでしょうか。定期的に開催することにより、区民の参加と協働も地域の自治も育ち、そのことが「豊かな地域社会」の実現につながっていくことと思います。
 各出張所での予算説明会の開催を提案します。合わせてご答弁ください。

 次に、防災、減災対策についてであります。
 防災、減災対策について、山田議員と共に昨年の12月には釜石市と大槌町を、今月には日帰りの強行軍でしたが気仙沼市唐桑町小鯖地区を視察してまいりました。
 釜石市では、釜石プラットフォームの方に大変お世話になりました。市内を始め大槌町まで案内していただき本当に助かりました。釜石市では、あの釜石の奇跡と言われた現場に行きました。今では小学校も中学校も解体されてありません。子どもたち自ら逃げたという道を学校から避難所まで歩きました。避難所となっている高齢者施設ではその責任者の方から当時の貴重なお話を聞くこともできました。
 大槌町では、町長にお会いし復興の状況や国への要望などお聞きました。町長は私たちが着くとすぐ千代田区から派遣されている職員を呼んでくれました。千代田区の大槌町への職員派遣は大震災があった年の7月から今日まで延べ18名となっています。現在も2名の職員の方が仮設住宅に住みながら業務にあたっています。現在の大槌町役場は約240名の職員の方がいますが、内半数が派遣による応援の職員です。町長は、「今回の津波で職員の半数が亡くなりました。また残った職員も身内の方が亡くなっており精神的にも大変ですが日常の業務に頑張っています。そのような中、全国の自治体から応援の職員の方が来てくださり本当に助かっています」と話されていました。改めて派遣されている職員、また戻って来られた職員の方々に感謝いたします。
 気仙沼市唐桑町小鯖地区では、小鯖地区自治会の事務局長の方に現場を案内していただきお話を聞きました。この小鯖地区は自治会として自主的に防災に取り組み大震災でも被害を最小に抑えることができた地区であります。先ほどの山村氏の「近所の精神」で詳しく紹介されており、これは行くしかないと訪問いたしました。アンケート調査の実施と安否確認家族カードの作成、また避難マップの作成と防災訓練の実施などを自治会として実施されてきたとのことに正直驚きました。アンケート用紙や安否確認家族カード、マップなどみせていただき説明も受けました。近くには小学校もあります。唐桑町中井小学校です。小鯖地区の防災訓練に小学校も参加するようになります。学校は高いところにあるので子どもたちは家に帰らない方が安全であることを学びます。そして今回の津波でした。子どもたちは全員学校にいて助かったそうです。
 自治会としてなぜここまでできたのですかと質問すると、「一つは地区全員がお互いを知っていること、もう一つは自分ちの責任だからという意識があったからです」との返事でした。きわめて大事な2点を明確に答えてくれ、その言葉は強く印象に残っています。山村氏は本の中でこの小鯖地区について「人的被害の少ないところはコミュニティがしっかりしているところ」と述べています。まさにその通りだと実感いたしました。
いずれもの視察も教えられることがたくさんあり大変勉強となりました。

 さて、3,11東日本大震災を受けて区の防災・減災対策はどう変わったのかについてであります。
 平成7年に起きました阪神淡路大震災は、それまでの防災対策を大きく変えたわけですがまずはそのことを確認しておきたいと思います。大きくは4点であります。
@ 一点目は、多様な主体による目標の共有と補完・連携の重要性が認識されたこと
A 二点目は、防災計画にそれまでなかった「減災」という考え方が新たに取り入れられたこと
B 三点目は法定計画である地域防災計画とは別に、自治体独自に防災・減災のための事業計画やアクションプログラムが策定されるようになったこと。それらの計画には予算の裏付けを伴った具体的な数値目標が記入されるようになったこと(その中心はまちづくりと連携した建物の耐震補強となっていること)
C 四点目は、地域防災という概念が重視されるようになったこと
であります。いずれも重要なことであり防災対策は大きく前進しました。

 そして、この度の3.11大震災であります。まもなく丸3年が経過します。その教訓をきちんと防災・減災対策に生かしていかねばなりません。
 区議会としても防災対策特別委員会を設置し議論を重ね、平成24年3月に「東日本大震災を受けた千代田区防災対策の見直しについて」をまとめ、区長に提出いたしました。
 3.11大震災を受けての防災対策の大きく変わった点ということでは、1点目は、委員会の「見直しについて」にもあるように
@コミュニティの重要性が認識されたこと。小鯖地区がその良い例です。
A2点目は、計画の見直しに女性の視点が新たに入ったこと。
Bそして3点目ですが、これは防災・減災に限りませんが、システムや行政への過度な依存は危険であるとことを認識し、その分社会の厚みを作り社会の底上げを図っていくことが重視されるようになったこと。このことは、安易に依存せず、自らの責任として自ら考え自ら行動することとも言い換えられますが、釜石も小鯖地区もその良い例といえます。
 他にも大きく変わった点はあると思います。
 そこで、3.11東日本大震災を受けて区の防災・減災対策はどうかわったのか改めてお伺いします。


 次に、防災教育についてであります。
 防災教育といえば釜石の奇跡を生んだ群馬大学大学院の片田敏孝教授の行った防災教育が全国から注目されています。
 その教育とは、
@想定にとらわれるな
Aその場で最善をつくせ
B率先避難者たれ
というもので、学校の先生のもとで右へならえ的な教育ではなく、自分で考え自分で判断し行動できるようになることであります。このことは、「自立学習」、「共同学習」という点からは「自分らしく生きる自立意識(自立性・個性)」を育む自立学習のまさに模範であるといえます。
片田教授は「『津波は怖い』という『脅しの防災教育』では、どう行動するか考えることにはつながりません」と述べます。また子どもたちの関心を持続させるために一つ一つ納得させることを重視し、まず釜石というまちに住むとはどういうことかという話から始めます。海の幸豊かで、風光明媚なこのすばらしい釜石に住むためには、時には大津波を避けることも必要だと教えます。今では、和歌山県を始め全国で釜石の防災教育に習えと取り組んでいます。「いじめがなくなった」「学力が向上した」という報告がいくつかの学校から寄せられているそうです。(2013.3.12尾木直樹VS片田敏孝対談「釜石の奇跡が変えたもの」より)模範となる釜石の防災教育について紹介させていただきました。
 そこで、区における防災教育はどのように実施されており、その内容はどのようなものかお伺いします。

 以上、平成26年度予算と防災・減災対策について質問を行いました。
 区長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待し代表質問を終わります。ありがとうございました。

〈区長答弁〉

 大串議員のご質問にお答えします。
 予算編成に関するご質問にお答えいたします。平成26年度の予算の編成に当たっては、「選択と集中」という観点から、単年度予算の中で、特に重点的に取り組むべき最重要課題として「安全・安心」を挙げました。そして、「安全・安心」は「豊かな地域社会」を実現する上で1つの重要な要素であるというふうに私は思っておりますし、多分大串議員もその認識は同じだろうと思います。
 しかし、「豊かな地域社会」は、安全・安心だけではなく、「地域に住み、働き、学び、集う全ての人々が、お互いにその存在を認め合い、尊重し合うことによって、安全・安心で快適に住み続けられる社会」になるものと思います。そして、そのことは、「孤立することなく、つながりや助け合いを実感できる社会」「生涯にわたり充実した文化活動が行える社会」「地域のさまざまな課題を共有し、その解決に向けて主体的に取り組める社会」などが総体的に実現される社会が「豊かな地域社会」であると思っております。この点については、大串議員と認識はそう違いがないだろうと思います。
26年度の予算編成に当たりましても、こうした点を意識して編成を行いましたが、今後、改定基本計画の中で、こうした視点を明確にし、中長期的に取り組むべき施策を明確にしてまいりたいと思います。
 なお、詳細、他の事項については、関係理事者をもってご答弁をいたさせます。
 

〈政策経営部長答弁〉

 大串議員のご質問のうち、まず、予算概要の配布についてでございます。
 ご質問にあるとおり、「予算の概要」は有償で頒布させていただいております。これは、有償頒布というのは区の規定に基づくものでございまして、「予算の概要」だけではなくて、他の計画等も同様に、印刷経費等のコストを計算いたしまして販売しているものでございます。一方で、この印刷物をPDF形式で電子化をいたしまして、千代田区のホームページにそのまま掲載しておりますので、必要に応じていつでも閲覧・印刷できる状態にしております。
 議員もう1つご提案の、「予算の概要」のコンパクト化という、小型化ということなのですが、かつて試作を試みたことがございました。主に、そのときは、皆様にまで――職員の中での配付でございましたけれども、見やすさに課題がある。やはり小さくしたときの見やすさには課題があるということで、その後の作成には至らなかったという経緯がございます。
 次に、予算説明会の開催についてのご提案でございますけれども、ご指摘のとおり、「予算の概要」の副題にもあるとおり、予算というのは1年間の「区の仕事のあらまし」でございます。ですから、その内容を広く区民の方に知っていただく、その重要性は認識しております。予算の内容の周知については、広報千代田の特集号だけではなくて、さまざまな機会を捉えて行うように努めてまいりたいと考えております。
 

〈危機管理担当部長答弁〉

 大串議員の防災・減災対策に関するご質問にお答えいたします。
 未曽有の大災害となった東日本大震災から3年が経過しようとしておりますが、いまだ2,000人を超える方々が行方不明となっており、復興もまだ道半ばでございます。この震災では、地域社会が一体となって自然災害に立ち向かう「地域防災力」の重要性が改めて認識をされました。災害対応においては、行政の責任が大きいことは言うまでもございませんが、一方で、行政による対応には限界があり、区民一人一人や事業所、地域団体等、民間の各主体の自立的な取り組みが不可欠でございます。
 まず、区民一人一人が防災に対する「自助」の意識を高め、自らの命と生活を守れるようにすることが第一であり、それが可能となるように行政が後押ししていくことが重要でございます。さらに、災害時には、地域でお互いに助け合い、支え合うという「協助」の意識を高め、行政とも連携しつつ、多様な主体が積極的に地域を守る社会づくりを進めていくことも肝要です。
 一方で、区におきましても、東日本大震災で明らかになったさまざまな防災上の課題を踏まえ、2カ年にわたり震災対策の全面的な見直しを行いました。平成23年度には、これまでの防災対策を大きく見直し、平日昼間、休日昼間、夜間の発災時間帯別の対策を策定いたしました。また、平成24年度には、特に重点的に検討すべき事項であります避難所運営、帰宅困難者対策、情報連絡、本部運営、女性の視点での防災対策につきまして、それぞれ庁内に作業部会を設置して検討を進めてございます。また、災害対策特別委員会でも活発なご議論をいただき、そこでいただいたご意見等も防災対策に反映させました。
そして、「自助・協助・公助」の理念に基づきまして、千代田区の地域特性を踏まえた「千代田区地域防災計画」の修正を行うとともに、千代田区災害対策基本条例に基づきます「千代田区災害対策事業計画」を更新したものでございます。
 しかしながら、防災対策に終わりはないという認識のもと、地域の状況や最新のデータに基づきまして、今後も随時見直しを図る必要がございます。特に、ご指摘のように、「社会の厚みをつくり、社会の底上げを図っていく」ためには、千代田区災害対策基本条例が掲げる「協助」の理念の実現が不可欠でございます。地域コミュニティの醸成や、千代田区にかかわる広範な人々との連携など、「協助」の実現に向けた課題には、引き続き全庁的に取り組んでまいります。
 今後も、地域や関係機関と連携しながら、安全・安心なまちの実現に努めてまいります。
 

〈子ども・教育部長答弁〉

 大串議員の、防災教育の実施とその内容についてお答えいたします。
 東日本大震災の際、自分で考え、自らの判断で高台に避難して、99.8%の児童・生徒が津波から逃れることができた「釜石の奇跡」は、震災後の防災教育のあり方を大きく変える契機となりました。何よりも児童・生徒一人一人が、自らの命を主体的に守る姿勢を身につけさせたことに大きな意義があったと思います。
 各校園においては、「自ら身を守る知恵と行動力を持った子どもを育てる」ことが重要であるとの認識のもと、毎月実施する避難訓練を、子どもに訓練時刻や内容を報告しないで、授業時間以外のさまざまな時間帯で実施する等、訓練の仕方をより実践的なものに変えてまいりました。このことは、有事の際に想定外のことが起こったとしても、子ども一人一人が自ら判断し、自らの命を主体的に守る行動力を身につけることにつながると考えております。その際、避難の仕方等については、すぐに避難行動をとるのではなく、落下物に注意しながらその場にとどまるなど、置かれた地域や現場の状況により異なるものであることも認識する必要があると考えます。
 また、災害時に、自他の生命を守るための態度や行動力を育成するため、平成24年度より、各小学校で、「本所防災館」等の防災学習施設において、首都直下地震の発災から避難までの一連の流れの体験などの防災教育を実施しております。
さらに、中学校・中等教育学校においては、まずは自らの命を守り、安全が確保できた上で、周りの人を助けることができるよう、専門家の指導による実践的な救命講習会を実施しています。
 今後は、学校教育の中での防災教育にとどまらず、地域が主催する防災訓練に子どもが参加できるよう、地域と協働した防災教育もあわせて推進してまいります。
 

〈再質問〉

 14番大串ひろやす、自席から再質問させていただきます。
 「豊かな地域社会」と安全、安心、快適との関係は、今、区長の答弁がありましたので、わかりました。欲を言えば、そのことを予算の概要の特徴にもしっかり明記していただきたかった。それから、区長の招集挨拶の中でも、最初からそのように述べていただきたかった。(発言する者あり)それはもう、よろしくお願いしたいと思います。
 質問は、「予算の概要」の配布の件なのですけれども、印刷経費はいただきますよと。それから、PDFがあるので、読みたければプリントして読みなさいよと。これはちょっと、区民の方に対して、ちょっと冷たい答弁。印刷経費を全てもらっているかというと、そうではないと思います。以前、「総合福祉計画」を一家に1冊配布したときもありました。だから、予算というのは、区民の皆様のものですから、区民の皆様が税金を払って、その税金がどう使われているのかということを、行政に負託して、編成も執行もやってもらうわけですから、それについて、このように区民の皆様の税金を使いますよということをやっぱり報告する。これは行政として私は必要なことで。で、報告する手段としては、やはり、それ、「予算の概要」、これをやはりお配りする。もちろん、だから一家に1冊というんではなくても結構です。それは希望する区民の方には無償で、当然それは、僕は配布してもいいんではないか。
 それから、説明会ですけど、これもやはり、区長が掲げる「豊かな地域社会」というのは、区民の皆様の参加と協働、それから自治が必要だということですけど、そのためにはやはり丁寧な情報の提供が必要です。そのためには、行政が地域に出て行って、こういう予算を編成しましたけどいかがでしょうかと。で、議会で議決した後、こういう内容ですよということを地域の皆様に説明するのは、私は、必要なことだと思います。ぜひ、そのことを検討していただきたい。再度ご答弁をお願いしたいと思います。
 

〈政策経営部長答弁〉

 大串議員の再質問にお答えをいたします。
 「予算の概要」について非常に高く評価していただきまして、つくっているほうとしては、本当に感謝をしたくなっています。
 確かに、希望する方に差し上げて、よりわかっていただくということは大事なことだ、そこは否定するものではないのですけども、今まで――答弁の中でも申しましたけれども、一通り、有償で配布しましょうという、頒布しましょうという、決まりというか決め事をしておりますので、有償でなく無料で頒布する必要もあるかどうか、その辺については十分に、そのあり方というんですかね、全体のバランスも考えながら検討させていただきたいなと思います。
 説明会についても、今ご質問の中にありました、「豊かな地域社会」をつくるために、やはり区民が自分たちの地域のことを、区政、区のことを考える、その材料として十分に使えるという、そのご指摘はもっともでございますし、私どもも、現在作成をしております「参画と協働のガイドライン」の中でも、できる限り地域のことを皆さんがお話し合いできるように、情報の提供に努めましょうというようなことを考えてございますので、ご主張については、認識としては一致していると思いますけれども、具体に、どこどこで、いついつ、まとまって説明会をしますよというやり方がいいのかどうか、その辺のいろいろな周知の仕方というものについては、検討をしていく必要があるというふうに認識しておりますので、しばらくお時間をいただきたいと思います。