26年第2回定例会での代表質問

平成26年「子ども・若者白書」を紹介

〈質問通告〉

■千代田区の都市としての現況と課題について
◆都市政策(まちづくり)に大きな転換が必要
◆都市計画マスタープランの成果は。千代田区の都市としての現況と課題をどう認識しているのか。
◆福祉の視点からの都市政策について
◆コミュニティの視点からの都市政策について

〈質問の全文〉

 平成26年第2回定例会にあたり、公明党議員団を代表して質問をさせていただきます。
 先日、平成26年度版の各白書が公表されました。子ども・若者白書では、先進7カ国の13歳から29歳までの子どもと若者を対象にした意識調査の結果が掲載されております。「あなたは自分の将来について明るい希望を持っていますか」との問いに、「希望がある」「どちらかといえば希望がある」と答えた若者の割合は、61.6%で、7カ国中最下位というものです。また、幸せを問う質問もあります。「あなたは40歳になったとき、どのようになっていますか」との問いに、「幸せになっている」「どちらかといえばそう思う」と回答した割合も、66.2%で最下位でありました。ちなみに、他の国の若者は、それぞれ80%以上になっています。自殺対策白書のほうは、自殺者の数は、2年連続で3万人を下回ったことはよしとしながらも、若い世代の自殺が深刻な状況にあると報告しています。15歳から39歳までの各年代で、5歳刻みですが、死因の第1位が全て自殺となっており、このことは、先進国では日本のみであること、また、自殺による死亡率、人口10万人当たりの死亡者数ですが、これも高いことなど、若者の深刻な状況に警鐘を鳴らしております。ホームページから印刷しましたけれども、こちらが子ども・若者白書の先進7カ国との比較の特集でございます。それから、こちらが自殺対策白書、かなり詳細にデータが載っているんですけれども、時間の関係で詳しくは紹介できないんですが、20歳代の死亡の原因の半数が、何と自殺であるという深刻な状況も載っております。子どもばかりではありません。高齢者の状況も同じように深刻な状況にあります。高齢社会白書では、孤立死が多発している状況、また、「孤立死を身近な問題と感じますか」との問いに、高齢者の単身者世帯は、何と4割の方が「そう感じている」と答えています。
 子どもと若者、そして高齢者も、どうしてこうなってしまったのか。経済的にも豊かで、治安もよく、利便性や快適さも世界でトップクラスの日本でなぜというのが素朴な疑問であります。この深刻な状況をマスコミも取り上げました。国民に広くこの問題を問い、国民の英知を今こそ結集し、解決していかねばならないと思います。
 そこで、質問の趣旨ですが、都市政策(まちづくり)のあり方について、基本的な考え方の大きな転換が今必要なことを問い、子どもから高齢者までが真に幸せで尊厳のある生活を送っていけるようにすることにあります。

 最初に、都市政策のあり方についてであります。
 都市政策は、区民に身近なものであるべきですが、都市政策の根拠法である都市計画法と建築基準法が、私たちには余りにも難解となっています。多くの改正が重ねられ、膨大な法典となっており、しかも用語は難しく、建築士やコンサルなどの専門家でなくては理解できないものとなっています。都市法と区民の距離は物すごく遠くなっているのが現実です。
 本来、地域の将来像は地域自らつくっていくものです。その際、地権者である住民を初め、企業など皆が参加し、協議し、合意しながら、ハードとソフトを合わせて決めていきます。そして、その将来像を実施に移していくのが都市計画法であり建築基準法であると考えます。よって、誰もがその法律を理解でき、使えるようにしなくてはなりません。この点について提案があります。地域ごと、出張所単位がよいのかと思いますが、(仮称)地域版「まちづくりガイドブック」を作成してはどうでしょうか。その地域に関係するまちづくりの方針や地区計画が既にかかっているところは地区計画を、また、法律ですが、その地域に関係するところはわかりやすく解説します。さらに、その地域のコミュニティや福祉など、ソフト面もあわせて記述できれば、よりよいものができると思います。
 都市政策を区民にもっと身近なものとし、まちづくりを専門家から住民のものとする地域版「まちづくりガイドブック」の作成を提案いたします。ご所見をお伺いいたします。

 さて、都市政策のあり方についてであります。今日までの都市政策について、基本的な考え方ですが、私は、2点あると思います。
 1つは、「膨張する都市」を前提にしていることです。戦後、高度経済成長という目標の達成に、都市政策はその中心的な役割を果たしてきたと言えます。高度経済成長を可能にする前提となるものが、都市への人口集中、いわゆる「膨張する都市」でした。そして、新幹線や高速道路などの交通網の整備、また、都心インフラの整備と住宅の量の拡大が図られました。
 もう1点は、「機能する都市」という理念です。これは1933年、第4回近代建築国際会議で採択された都市計画及び建築に関する理念であります。スイスの建築家、ル・コルビュジェが提唱した「輝く都市」の理念に沿ったもので、「都市の機能は、住居、労働、余暇、交通にあり、都市は「太陽・緑・空間」を持つべきである」としました。高いビルの周りに公園を配置し、周辺を高速道路が走るというものです。アテネ憲章は機能主義による明快な都市計画理論として各国の都市計画に大きな影響を与えました。その後、機能主義に対する批判もありましたが、日本においても都市政策の基本となりました。
 この2つの考え方をベースとして日本の都市政策は進められましたが、一定の成果を上げたと言えます。「機能する都市」として、機能性、利便性、快適性、安全性が追求されました。この点からは、世界のどこの国よりもすぐれた結果を残したと思います。しかし、その反面、負の部分もありました。機能性、利便性、快適性、安全性は確かに必要です。しかし、それだけで終わってしまったり、バランスを欠いたものになっては逆にマイナスになることは、今は誰でも認識していると思います。
 「膨張する都市」も「機能する都市」も大きな転換点に来たのではと考えています。日本は未曽有の少子高齢化社会に入りました。都市の縮小とまでは言いませんが、少なくとも都市の膨張とか拡大ということはなくなりました。
 都市の機能性については、20年前の平成4年に策定した区の住宅基本条例の前文にその記述があります。大変参考となりますので、改めてご紹介させていただきます。「千代田区は、首都東京の中心として発展を続け、また、日本の政治経済の中心として国際的にも重要な位置を占めてきた。その反面、業務機能の集中により住機能と業務機能との均衡が失われ、高額な地価の影響も相まって居住することが困難な状況があらわれ、定住人口の減少により、地域社会は崩壊の危機に直面している」と。バランスを欠いた機能性は注意が必要だとし、放置すれば地域社会の崩壊につながると警鐘を鳴らしたものであります。現在の都市の状況にも当てはまるものです。20年前、既にバランスを欠いた機能主義、過度な機能主義には注意が必要としたその先見性に改めて敬意を表します。
 首都大学東京教授の宮台真司氏は、利便性、快適性も必要だが、それだけで終わってしまってはならないと、以下のように述べています。「便利や快適もいいが、それだけではどこにでもあるまちと同じになって、孤独な快適生活が蔓延するだけだ」「どんなに便利で快適でも幸せでなければ話にならないわけです。幸せに加えて、尊厳を意識するはずです。例えばアングロサクソン社会のイギリスなら、ハピネスとウェル・ビーイングが意識される。ウェル・ビーイングというのは、ある種の入れかえ不可能性、つまり尊厳ある生活のことです。アメニティー(快適さ)があって、その上にハピネス(幸せ)があって、その上にウェル・ビーイング(尊厳)があるんです。でも、我々の思考は、ハピネス以前のアメニティーとコンビニエンス(便利さ)の段階でとまっています。それが幸せに貢献するのか、そして尊厳に貢献するのか、ということをほとんど考えてこなかった。今回の震災は、我々日本人がウェル・ビーイングについて考える初めてのチャンスかもしれません」と。
 「尊厳とは「入れかえ不可能性にある」」と述べていますが、若干説明が必要であります。入れかえ不可能性とは、まちでいえば、このまちでないとだめなんだという、まちと人の関係、人でいえば、あなたでないとだめなんだという、人と人との関係。つまり、入れかえがきかないということです。逆に、入れかえがきくということは、その人の存在そのものの否定につながり、尊厳は失われてしまいます。場所も同じです。入れかえ不可能なまちをつくろうとすれば、そのまちの歴史と文化を踏まえたまちづくりが大切になります。生き物としてのまちを大切に、と言ってもいいと思います。そして、その入れかえのきかない場所・まちをつくることが大事で、住民の幸せや尊厳につながるということであります。3.11大震災は、改めて私たちにこれらのことを教えてくれました。
 都市のあり方も大きく変わります。都市政策も変わります。今日までの都市の拡大と都市の機能を優先とする政策から、住民の幸せと尊厳を優先とする都市政策への転換がいまこそ必要と考えます。
 そこで、区長に、都市政策のあり方について、基本的な考え方をお伺いいたします。

 次に、都市計画マスタープランについてであります。
 マスタープランは、住民が参加し、議会の承認を得て策定されるものです。その意味で、これは都市の憲法とでも称すべきものであります。
 千代田区都市計画マスタープランは、平成7年より策定に入り、まちづくり協議会、懇談会、策定委員会等、多くの区民の方の参加を得て、丸3年をかけて策定されました。平成10年3月に策定されましたので、早16年が過ぎたことになります。区としてのまちづくり方針を定めた法定計画でもあります。都市としての現況と課題を記述し、その上で、分野別(都市利用や住宅、交通などのような分野別ですが)に目標と方針を掲げています。さらに、地域別にまちとしての現状と課題も明らかにし、将来像も定めています。そして、それを実現に移していくのに必要なものが、最初に述べました難解な都市計画と建築基準法です。どうその難解なところをクリアし、言葉で表現した目標を実現してきたのか、大変興味があるところです。
 そこで、現段階において、マスタープランで掲げた目標・まちの将来像はどこまで達成できたのか、お伺いいたします。また、16年が経過しましたので、都市の現況と課題も随分違ったものになっていると思います。現段階における千代田区の都市としての現況と課題について、どう認識をされているのか、お伺いいたします。

 次に、第三次住宅基本計画についてであります。
 都市計画は、まちづくり部門だけで完結することは今はなくなりました。それは、まちづくりに福祉やコミュニティ、または防災や子どもの視点が必要となったことによります。福祉の視点からということでは、現在、福祉部が進めている「地域包括ケアシステム」との連携が欠かせません。「地域包括ケアシステム」について、厚生労働省の説明には、「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住みなれた地域で生活を継続することができるよう、包括的な支援・サービスの提供体制であり、また、そのケアシステムの前提として「必要な住まいが整備され、本人の希望にかなった住まい方を確保し、高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守られる」こととされています。
 この住まいと尊厳についてですが、先ほどの区の住宅基本条例前文の後段部分に書かれていますので引用します。「全ての区民が人間として尊重され、ともに暮らし、ともに生活できる、人間性豊かな地域社会を築き上げていくことを宣言するとともに、その実現に向けた住宅政策の取り組みを明らかにし、住宅及び住環境の整備に関する施策を総合的かつ計画的に実施する」と。つまり、全ての区民の人間としての尊厳を保障し、その実現のために住宅及び住環境の整備を進めていく、と。書かれたのは20年前ですが、地域包括ケアシステムの説明にそのまま掲載したいようなすばらしい内容です。
 2025年の超高齢社会を見据え、高齢者ケアのニーズの増大、単身世帯の増大、認知症高齢者の増大が予想されています。まちづくり推進部は福祉部とよくよく連携し、この住環境の整備を進めていかねばなりません。福祉部では、既に高齢者のニーズ調査は完了しており、現在、第6期の介護保険事業計画を策定中であります。高齢者の単身世帯の増加の推移は、平成16年2,830人であったものが今年は3,680人と、10年で3割増となっており、今後もさらなる増加が予想されます。認知症高齢者の増加はもっと急で、平成16年807人であったものが今年は1,186人と、約5割の増加であります。
 地域において、包括的かつ継続的なケアを可能にしていく千代田区型地域包括ケアシステムは、来年の高齢者総合サポートセンターのオープンに合わせ、スタートいたします。その際、重要となるのが、高齢者の住まいと住まい方であります。日常の生活圏の中で生活できるよう、必要な住環境整備を進めていくことであります。住宅系としては、サービス付高齢者向け住宅、高齢者向け優良賃貸住宅、ケアハウスなどが考えられますが、今後、福祉部と連携を図りながら、また、民間の力を適切に誘導しながらの整備となると思います。そこで、どのような住宅を、どのくらい整備していくのか、お伺いいたします。

 次に、借上型区民住宅についてであります。
 借上型区民住宅は10棟あり、152世帯の方が現在入居されております。期間20年ですので、早いところで平成28年6月に契約の期限を迎えます。いよいよ2年を切るという時期になりました。入居者の方々は不安を募らせています。区としては、一刻も早く方針を決定すべきであります。この件につきましては、山田議員が質問し、区長は、「現実的な対応で」と答弁しています。また、昨年の決算特別委員会で、私の質問に、当時まちづくり推進部長であった山口副区長は、「借上型だけでこうするとは申し上げられない。住宅のあり方全体にかかわることなので、整理をし、庁内議論を経て、議会のほうに示して、議論を賜りたい」との答弁でした。
 そこで、2年を切るようになった現在、借上型区民住宅に関する方針について、検討状況をお伺いいたします。

 最後に、コミュニティへの支援のあり方についてであります。
 コミュニティへの支援について、その先進自治体である愛知県豊田市を、山田議員と、日帰り強行軍でしたが訪問いたしました。地域の自治を何とか育てたい、社会を強くしたいと、昭和55年に社会部を立ち上げ、取り組んでこられたとのことです。取り組まれている地域自治制度も参考になりましたが、職員の熱い思いが感じられた視察となりました。
 さて、コミュニティというとき、さまざまな組織や団体が考えられます。その支援や相談の窓口はまたさまざまとなっています。地縁組織としてのコミュニティは町会ですが、出張所とコミュニティ振興課が担当しています。特定の目的や趣味、または学習などでのつながりのあるアソシエーションは主に生涯学習館が、マンション関係はまちみらい千代田が、民生委員と町会福祉部は社会福祉協議会が、ボランティア団体はボランティアセンターが担当となっています。これら全体を側面から応援し連携を図っているのがコミュニティ振興課となっています。
 質問は、社会福祉協議会や生涯学習館、また、まちみらい千代田などを中間支援組織として明確に位置づけ、コミュニティの育成と強化に取り組めるようにしてはどうかということであります。
 中間支援組織とは、行政と地域との間に立ってさまざまな活動を支援する組織であり、その役割は、区民と区民、区民と行政、行政と企業などの間に立って、そのパイプ役として中立的な立場でそれぞれの活動を支援することにあります。組織が持つノウハウやネットワーク、情報などを活用した中間支援業務を行う組織です。また、中間支援業務とは、中立的な立場でのコーディネート、人材育成、ともに学ぶ、相談、協働の推進役を担う(地域の課題解決へのアドバイス)などが考えられています。
 そして、中間支援組織同士が、地域の情報や各団体の情報を提供し共有することによって、地域のさまざまな組織や団体がお互いを知り合うこともできるし、協力し合うこともできるようになります。そのことが、地域のコミュニティの育成と強化につながります。さらに、行政と区民の間に中間支援組織が入ることにより、区の町会への安易な委託や区民の行政への過度な依存もなくなるのではと考えます。また、あくまで社会が主で行政が補完という関係も明確になります。
 そこで、社会福祉協議会や生涯学習館、また、まちみらい千代田などを中間支援組織として明確に位置づけ、コミュニティの育成と強化に一層の推進を図ることを提案いたします。ご所見をお伺いいたします。

 以上、都市政策についてとコミュニティへの支援について質問をさせていただきました。区長並びに関係理事者の明快なる答弁を求め、代表質問を終わります。(拍手)
 

〈区長答弁〉

 大串議員の今後の都市政策のあり方についてのご質問にお答えいたします。
 ご質問で、都市政策というのをまちづくりというふうにかなり絞っているというふうに私は理解しておりまして、そういう観点から、私は、概括的に答弁をさせていただきたいと思います。
 どうも千代田区で進めている、そのまちづくりというのが、「都市の拡大」や「機能する都市」に傾斜がかかっているんではないかというようなお話だろうと思いますけど、私は、そういう思いで進めているわけではございません。例えば、一定のまちづくりのときに、必ず周辺の環境整備として、歩きやすい区道をつくるだとか、電線の地中化ですとか、大幅に、広場と申しますか、公開空地を生み出すとか、そういうことを必ず組み込んでおります。あるいは、最近の例で申し上げるならば、近場に文化財がございます。そうしたものを修復・保全というようなこともまちづくりという中で組み込んだり、あるいは駅のバリアフリー、安全対策というようなこともかなり組み込んできているというのが現状でございまして、必ずしも拡大という概念で私はまちづくりを進めているつもりはございませんが、もしそういうようなご理解であれば、大変残念なことだと思います。
 したがって、今後、都市政策といいますか、まちづくりを進める上では、従来の考え方に加えて、超高齢化社会ということを鑑みますと、やはり地域福祉と申しますか、そうしたことをまちづくりの中にどういうふうに組み込んでいくかというのは、私は、重要な課題だと思いますし、必ずやそういう思いでこれからも千代田区のまちづくりというのを進めていきたいと思います。
 それが具体的に、お話がありましたように、住宅政策であったり、地域包括ケアの問題であったり、さまざまなことになるだろうと思います。あるいは、そういうまちづくりを通じて、周辺の方々と、まさにそのまちづくりででき上がったスペースというのが、地域の交流のスペースになったり、そういうことを当然これからも求めていくことになろうかと思います。そのことが、ある面では、まちづくりを通じて豊かな地域社会づくりに、私は、寄与するのだろうと思います。
 いずれにいたしましても、私は、大串議員がお話しした点については、そう考え方は違いがないというふうに思います。今後も、この地域社会の中で、超高齢化社会というのを見据えて、まちづくりの中で高齢者がやはり安心して住み続けられる、そうしたことをさまざまなまちづくりの中で組み込んでいくということは、今後の政策として、かなり傾斜をかけていかなきゃならないと思っております。
 なお、詳細、その他の事項については、関係理事者をもってご答弁をいたさせます。
 

〈コミュニティ担当部長答弁〉

 大串議員のご質問に、区長答弁を補足してお答えいたします。
 コミュニティの視点からの都市政策についてのご質問ですが、現在、地域コミュニティの育成と強化に当たっては、町会などに対しては出張所というように、社会福祉協議会、ボランティアセンター、生涯学習館など、さまざまな組織がそれぞれ中立的な立場でのコーディネートや人材育成、相談窓口などを担っており、十分とは言えないながらも、議員が想定している「中間支援組織」的な役割を果たしているものと認識しております。
 ご指摘のとおり、これらの組織が横断的な連携を図り、情報の共有化や、地域の課題解決に向けた支援体制を構築していくことが何より重要であります。また、こうした取り組みを積み重ねていくことが、地域と行政との距離を縮め、それがひいては双方の信頼関係に結びつくものと考えています。
 現在、庁内では、「コミュニティ施策の一元的推進」について、外部からのご意見も伺いながら議論を進めているところでございます。今後、こうした視点を踏まえながら、地域のさまざまな活動主体が自立して活動できるよう支援してまいります。
 

〈まちづくり推進部長答弁〉

 大串議員のご質問のうち、初めに都市計画マスタープランについてお答えいたします。
 都市計画マスタープランは、区のまちづくりの理念や都市の基本的な骨格、地域特性に応じたまちの将来像を示したものでございます。その実現に向けては、都市計画マスタープランをもとに、地域の方々とさまざまな意見交換を行う中で、地域ごとの将来像を描き、地区計画の中に定め、それに基づきまちづくりを展開してきております。その策定状況は、現在37地区で、皇居を除く区の面積の6割強まで定まっており、これは23区の中でも突出した状況となっております。
 次に、課題認識についてでございますが、策定から今日までの間に、東日本大震災を経験し、建物の耐震性の向上やエネルギー供給の多様化など、災害に対する都市の備えや、老朽化する都市インフラの保全改修に対する対応、そして、今後の人口増加と多様な価値観を有する人たちに対応した住居や住環境の整備、高齢化の進展による福祉のさらなる充実や公共施設のバリアフリー化などの必要性が高まっていると認識しております。
 こうした社会状況の変化を捉え、今後も地区計画制度を十分に活用していくとともに、既に定まっているエリアについても、必要に応じて見直しを図ってまいります。
 また、議員ご提案の地域ごとの「まちづくりガイドブック」についてでございますが、現在もホームページにより地区計画等をわかりやすく示す努力をしているところです。どのような方法がよいかも含め、よりまちづくりを身近に感じられるよう、研究を重ねてまいります。

 次に、第三次住宅基本計画についてですが、高齢者向け住まいのうち、いわゆる住宅系として、区は、直接建設による区営高齢者住宅とともに、民間事業者の力もおかりしながら、高齢者向け優良賃貸住宅の供給を進めてまいりました。近年は、介護・医療連携型のサービス付き高齢者向け住宅や、基本的な生活支援サービスを受けながら自立した生活を送ることができる軽費老人ホームなど、住宅系と施設系との差異が小さくなりつつあることも確かであろうと思います。こうしたことからも、高齢者のための住まい・住環境整備を進めていく上で、福祉施策との連携はますます重要になってきております。
 したがいまして、現時点で何をどれだけとは申し上げられませんが、既存ストックの利用状況や新たな需要等を見定めながら、地域包括ケアシステムの実現を後押しする住まい・住環境づくりのあり方を模索し、具体的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、借上型区民住宅の契約期間満了後に関する区の基本的な考え方ですが、20年間という期限を設けて所有者と契約をしており、また、入居者についても、借り上げ終了日を承知いただいた上で、申し込み・入居していただいております。したがいまして、公平性や妥当性の観点から、借上型区民住宅の制度は、各住宅の契約期間満了をもって終了することが基本でありますが、現実的な対応が必要と考えております。そういった観点から、現在、入居者や所有者の実態を詳細に分析しながら議論のたたき台を作成しており、議会にもお示しし、ご議論を賜りながら方向性を導き出してまいりたいと考えております。
 

〈再質問〉

 14番大串ひろやす、自席から再質問させていただきます。
 個々の問題はちょっとともかく、子どもの幸せと、これは昨年の第4回定例会でも、ユニセフが行った世界の子どもの幸福度調査、同じような結果でございます、今回の日本の白書も。これに対して、何とかしなくちゃいけないねと。今回、高齢者の、同じように、そういう孤独死に入る可能性がありますよということです。ですから、子どもから高齢者に至るまでの幸せと尊厳をどのように保持していくのかということが最大の課題であります。
 私は、昨年は教育の問題をその点で取り上げ、今回、まちづくり、都市計画を取り上げさせていただきましたけれども、ぜひ区長にお伺いしたいんですけれども、それをどのように、幸せと尊厳をどのようにしたらできるのか、保持できるのかということを、一遍、区の政策全般を洗い出して、全般をもう見直すんだぐらいのこの決意で、その点から見直すんだというような決意を、ぜひお伺いさせていただければと、そう思います。
 

〈区長答弁〉

 この問題は、都市政策と、私は、必ずしもリンクをしている話ではない。社会全体として、例えば子どもさんが夢や希望を持って生きていかれるかどうか、あるいは、お年寄りの寂しさ、あるいは孤立死、そうしたものをどうするかというのは、社会全体の問題、要因があるんだろうと思います。
 ただ、行政として、千代田区としてできることは、ご承知のとおり、私がずっと申し上げているのは、子育てに関しまして、かなり、私のほうはさまざまな施策をさせていただいております。これは、そういうことが、ある面では、未来の社会をつくる希望を持てる社会づくりだということで、子育てに関しましては、異例なぐらい、かなりさまざまに施策をさせていただいております。あるいは、お年寄りの孤立化というものについては、さまざまなネットワークを通じて、私どもは取り組んでおりますが、これは十分であるとは思っておりません。今後、この辺については十分に、さまざまな地域の方々のお力をかり、行政もいろんな形でこの問題を取り組んでいくということは、明快に申し上げたいと思います。
 ただ、ご質問のように、都市政策そのものがこういうことをつくっているんだということとは、私は、必ずしもそうではないということだけは申し上げたいと思います。