28年第1回定例会での代表質問


〈質問通告〉

生涯学習社会を目指して!
主体性喪失の時代と言われる今日、生涯学習及び公民館活動の重要性が指摘されている。区として生涯学習推進についての基本的な考え方は。
「ちよだ生涯学習カレッジ」について
設立の目的とその期待するところは。生涯学習コーディネーターの役割は。
学習した成果を地域で活用・発揮するための仕組みについて
九段生涯学習館をセンターとして生涯学習分野について各出張所・区民館をネットワーク化し、地域で生涯学習及び公民館活動が展開できるようにしては。体系的かつ計画的に推進するための区民主体に「生涯学習推進計画」を策定することを提案する。ご所見は。
 

〈質問の全文〉

 平成28年第1回定例会に当たり、公明党議員団を代表して質問を行います。
 質問の趣旨は、平成28年度より「ちよだ生涯学習カレッジ」が開校となりますが、このことを機に、区として、生涯学習社会に向けて確かなスタートを切ることにあります。生涯学習及び公民館活動の今日的な意義を確認し、3点の質問を行います。

 最初に、生涯学習推進についての基本的な考え方についてであります。
 東野圭吾氏の小説に「プラチナデータ」、平成24年7月に出発されたものですが、あります。映画化を前提に3年半を費やし書かれた大作であります。170万部以上の大ヒット作となりました。千代田図書館には6冊ございますが、今も全て貸し出し中となっています。「プラチナデータ」は、個人の遺伝子情報まで把握された究極の管理社会を描いたものです。映画の監督を務めたのは、あのNHKの「ハゲタカ」で監督をした大友啓史氏です。大友氏は、「この映画を通して訴えたかったものは」というインタビューに答えて、こう述べています。「楽で便利な社会であるかもしれないが、いつの間にか管理されていくこと、また、ひたすら「利便性」を求めていく世間の裏で、我々が知らないうちに誰かによって「自分の人生」が操作されてもおかしくない」と述べ、このような社会状況を、「社会が可能性としてはらんでいる「主体性の喪失」」と表現し、警鐘を鳴らしたものであります。
 「主体性の喪失」という表現を用いて、同じように社会に警鐘を鳴らした人がいました。今から50年も前になりますが、当時お茶の水大学教授であった吉田昇氏です。昭和42年、「月刊社会教育」10月号の中でこう述べています。「青年たちは、受験体制の支配した学校生活を送り、マスコミの氾濫している社会に送り出される。生活は多忙化して、じっくりと物を考える余裕をなくしている。科学的な知識を身につけて自分の生き方を求めるといった気力を失っている。そこには諦めがあり、世の中主義があり、安定ムードがある。自分の能力を金に換算し、娯楽ですら既成の商品として買い求める生活の中で、人間としての「主体性の喪失」とか言われる現象が広がっている」と。今も変わっていません。いや、むしろその深刻度を増していると言ってもよいと思います。そして、吉田氏は、生涯学習と公民館活動の重要性を指摘したのであります。私も同感であります。
 さて、この生涯学習と公民館活動の今日的な意義についてであります。
 教育基本法の第3条には生涯学習の理念がうたわれています。「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」とあります。また、社会教育法の第3条には、国及び地方公共団体の社会教育に関しての役割が示されています。「社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成することに努めなければならない」と。社会教育・生涯学習研究所所長の島田修一氏は、この理念と役割を踏まえて生涯学習の意義を、具体的かつわかりやすく述べているので、ご紹介したいと思います。
 まず1点目は、ものごとを筋道たてて学ぶことを獲得できる。これは、このように島田氏は言っているんですけど、今風に言えば、論理的思考力を養うという役割でしょう。それから2点目に、ものごとに主体的に立ち向かっていける見通しをつかませてくれる、と述べています。これは、まさに主体性を育む生涯学習であるということだと思います。それから3点目が、手をつなぎ、励ましあえる仲間を生み出してくれる、ということを述べています。これは、今で言えばコミュニティの形成のことであります。そして4点目は、島田氏は述べていませんけど、今は多くの方が述べています、身近な地域課題の解決につながるということでありまして、これは住民自治の形成につながるということで、この4点が生涯学習の今日的な意義として言えることだと思います。このことはたびたびちょっと引用されるので、あらかじめパネルにして持ってまいりました。
 公民館の意義も同様であります。以上の4つの意義が達成できるよう、公民館は、住民の自由で主体的な学習を支援し、後押しし、一緒になって取り組んでいくということになろうと思います。具体的には、生涯学習のための場と機会の提供。講習会、講演会、教室、映画会などの企画立案(講師を探すことも入ります)。交流を促進し、新たな連帯を築いていくこと。地域の課題解決と活性化につながる学習ということになります。住民と職員により築き上げていく公民館活動は、まさにその地域の宝であります。また、その蓄積が潜在力となり、学習と実践による住民自治を形成できることにな ります。
 公民館活動について、調布市の東部公民館館長の金子氏にお会いしてお話を聞くことができました。館長は、「自治会のほか、地区協議会、父母会、地域によってはまちづくり協議会など、地域の組織はいろいろありますが、参加する人が限られてしまっています。地域に出てこない(新しい)方に参加をしていただくには、非常に難しいこと(だと感じています)。そのような中で、地域のさまざまな問題を話し合う場、そして学習と地域交流の拠点として、公民館を利用していただくことでの役割を果たせるのではないかと思っています」と。どの地域も、新しい人の参加が難しくなっていることは同じだと実感しました。と同時に、だからこそ公民館の意義や役割をしっかり認識し、活動を展開されていること、本当に勉強になりました。
 千代田区では、過去から今日まで、以上のような生涯学習や公民館活動はどのように行われてきたのか、「千代田教育百年史」にその記述があります。
 昭和26年、まだ駿河台図書館でしたが、図書館を会場に、「千代田自由大学」が発足し、当代の一流のそうそうたる方がその講師を務め、開催されてきたこと。大学は、昭和40年の11月まで行われ、合計28回の開催となり、講師は138人に及んだとあります。大学世話人代表の上原専禄(せんろく)氏が以下のように述べています。
 この大学の設立の趣旨を述べた文章なんですけど、大変立派なことが書いてあります。本当は全部引用したいんですけど、時間に制限がありますので、冒頭の部分だけ。「この「自由大学」は、十九世紀において欧州諸国の全知性が真剣に探求した近代的自由の精神を基調とし、更にそれを乗り越えて、来るべき人類社会全体としての自由と開放をねがう溌剌とした、積極的な新精神に立つことを目標とすべきでありましょう。それ故、それは、真の意味で「自由」の名に値する学園であってほしいと思います」。以下、大変立派なことを言われております。
 また、同じ昭和26年には、区内の母親を対象に「児童図書懇話会」、また同じ年、区民館や区役所では「青年学校」がスタートしたこと、そして昭和33年には「婦人学級」が開設されたことが記述されております。婦人学級については、このようにあります。「PTAの主婦を中心として、婦人学級が開設された。この学級は、婦人の教養を高め、よりよい仲間づくりをめざして、婦人のもつ生活上の課題の複雑化と多様化のなかで、その解決を求める学習の機会を提供している」と。これはまさに先ほど申し上げました生涯学習の4つの意義に沿うものであります。昭和30年代にこのような「婦人学級」が学習として既に行われていたことは、驚くとともに大変誇りに思います。
 婦人学級は、各小学校・中学校で行われたそうです。その後、12グループあった婦人学級、それぞれ名前が違います。例えば「山びこ」とか、「なでしこ」とか、「二水会」とか、「杉の子」とか、それぞれ名前がついていたそうです。この婦人学級の連絡会が昭和40年に発足します。「千代田学習グループ連絡会」です。以後、皆さんもご存じのとおり、毎年その活動をつづった「あすなろ」が発行され、50冊となりました。また、その歴史をまとめた「50年のあゆみ」も冊子となりました。当時を知ることができる貴重な資料でございます。
 連絡会会長の西川和江さんは、こう述べています。「文学、哲学、婦人問題など分野を限定しないで、さまざまに学びに挑戦しました。(社会教育主事の)桑名先生の熱気が熱く、何となく雰囲気がよかったです。自分たちの身近な生活の中で、学習を根づかせ、淡々と地道に丁寧に続けてきました」と。このようなすばらしい活動を50年間も続けてこられたことに敬意を表します。今でも「パート2」として2カ月に1回集まり、勉強会を続けておられるそうです。
 以上、生涯学習と公民館活動の今日的意義と千代田区の生涯学習の取り組みの歴史をご紹介させていただきました。千代田区のまさに誇りとすべき生涯学習のよき歴史と伝統を引き継ぎ、また、今日的意義も踏まえながら、今後の生涯学習を推進していきたいものであります。そこで、区長に生涯学習推進の基本的な考え方をお伺いいたします。

 次に、「ちよだ生涯学習カレッジ」についてであります。
 最初に、生涯学習推進委員会からの「学びを紡ぐ新たな仕組み」と題した第9期の意見書について触れておきたいと思います。
 これが、生涯学習委員会から出された第9期の意見書です。4つの提言が書かれているんですが、まことにこれもまたよくできております。この特徴は、ただ意見書だけではなくて、毎回の会合を行ったときに、生涯学習推進委員の広報紙「エポック」というのがあるんですけど、これをその都度つけてくれているので、どういう意見が交わされて、皆さん、どういう思いでつくったのかというのがよくわかる、これ、意見書になっております。
 読みまして、私は、いよいよ千代田区も生涯学習社会を目指してスタートとなるのだと大変感動いたしました。意見書のテーマ「学びを紡ぐ新たな仕組み」とは、人と人、あるいは情報と情報をつないでいくという役割を果たすコーディネーターを意識したものだそうです。具体的には、@ボランティア活動の充実、Aボランティア等の人材派遣、B学習コーディネーターの充実、C生涯学習大学の創設の4点を提言しています。特に注目すべきは、コーディネーターの充実と生涯学習大学の創設かと思います。
 生涯学習の先ほどの4つの意義を果たしていくためには、区民の自由で主体的な学習を陰で支える専門の知識と経験を有した人材が必要だからです。提言の生涯学習大学の項には、「生涯学習大学の仕組みは、新たな施設を設置するのではなく、既存の学習事業を柱として、選択科目の単位として認定し、これら学習をメニュー化することによって、学習者が自らコースに即して選択学習していく方式とする」。そしてコースとしては、「学習コーディネーター養成コース」、「ボランティア養成コース」、「千代田学コース」などを設置するとあります。また、生涯学習推進委員会会長の佐藤晴雄氏は、「千代田区では、既存の施設や学習事業等の充実を図るとともに、今回の意見書にある生涯学習大学を軸として、誰もが気軽に参加できる生涯学習の場づくりの充実が図られ、高齢者を含めた多くの区民等の学習、スポーツ活動が展開されることが期待されます」と述べています。つまり、区民の自由で主体的な学習を保障するために、生涯学習大学はその軸となり、人材の養成と場と機会の提供に努めます、と。大学設立の目的もそこにあると思います。まことにすばらしいことだと思います。
 平成28年度より、「ちよだ生涯学習カレッジ」としていよいよスタートとなります。今後、何のための大学かという、その設立の趣旨を明確にし、広くアピールしていきたいものであります。
 そこで、改めて、「ちよだ生涯学習カレッジ」を設立した目的とカレッジに期待することは何か、お伺いいたします。

 次に、学習コーディネーター、正式には学びと地域のコーディネーターとなっていますけども、学習コーディネーターについてであります。
 「意見書」にはこうあります。「区内の各種施設で学習事業が個々に実施されているが、これを集約することによって学習活動の輪を広げることが課題になる。そのために学習コーディネーターを設置し、これら機会を区民や在勤者にPRしていくコーディネーターが必要だと考えられる。コーディネーターは、「学び」を縦横につなぐためのハブになることから、その役割は今後もますます期待されている」とあります。
 基本的には、最初に述べました生涯学習と公民館活動の4つの意義が果たせるよう陰ながら区民を支援し、後押しし、学習を進めていく役割になるかと思います。本来ですと、専門的な知識と経験を有した社会教育主事、または公民館主事という資格を持った職員の方がこの役割を担うのでしょう。このような社会教育主事や公民館主事とまではいかなくても、それに準じた役割をコーディネーターは担うことになるかと思います。カレッジでは、その役割が果たせるよう、2年間で38回の授業がカリキュラムとして編成されています。養成コースを修了した方がそれぞれ自分の地域で区民の学習をサポートし活動を展開されることを思うと、胸がわくわくします。まさに地域の厚みができてきます。
 そこで、改めて、「学びと地域のコーディネーター」の役割についてお伺いします。また、コーディネーター養成コースの目玉となる講義はどのような内容になるかもあわせてお答えください。

 次に、学習した成果を地域で活用・発揮するための仕組みについてであります。
 学んで終わりというのではなく、学んだ成果を適切に生かしていくことが重要です。そのことが新たなコミュニティの形成や連帯につながりますし、地域の課題解決にもつながっていくからであります。よって、学んだ成果を生かしていく具体的な仕組みが必要です。意見書でいう「タテに紡ぐ視点」です。タテに紡ぐとは、「横のネットワークだけでなく、参加→学習活動→自主活動→ボランティア活動→指導者という循環も、新たな仕組みづくりの視点として大切になる」とあります。
 九段生涯学習館に行けばアドバイスも受けられ、一緒になって成果を発揮できるような学習や教室など考えてくれるでしょう。千代田区では、現在、この九段生涯学習館1カ所のみです。この点、佐藤会長も、「都市部が公民館等の施設を増やすのは難しいかもしれませんが、多様な施設を用いて学習の場と機会の拡充を図ることは現実味のある課題になる」と述べています。私も同感です。
 そこで、区民に身近な施設である出張所・区民館に一部生涯学習機能を持たせてはと思います。例えばですが、出張所・区民館は地域のまちづくりの拠点でもありますが、自分たちのまちは自分たちで考え行動するという公民館的視点から、区民館をまちづくりの学びの場として活用することもできます。現在の100%貸館業務から、可能な範囲で生涯学習の意義を踏まえながら運営してはどうでしょうか。人材の配置をどうするかという課題は残りますが、この点につきましては、現在の生涯学習館では、「学習コーディネーター養成コース」を開設し、行ってきて、5年になるそうであります。修了者は約100名で、在勤、在住が半々ということです。この修了した方が地域にいらっしゃれば、ぜひ参加してもらい、お手伝いしてもらってはどうでしょうか。
 いずれにせよ、人材の配置ということでは、生涯学習館と図書館がセンター的な役割を果たして、それぞれの区民館を巡回しながらフォローしていくことも可能かと思います。出張所・区民館を生涯学習分野についてネットワーク化し、人材と情報の共有を図ります。そうすれば、佐藤会長のいう「多様な施設を用いて学習の場と機会の拡充を図ること」も可能となり、出張所・区民館は公民館的機能を果たせるようになります。カレッジの養成コースを修了したコーディネーターが誕生し、増えてくれば、いよいよその厚みは増し、体制は整うことになります。今から楽しみであります。そして、定期的に生涯学習館館長、図書館館長、社会教育主事、図書館司書、学習コーディネーター、行政からは所管の部長、課長、そして出張所長が一堂に会し、連絡会(仮称)「千代田区生涯学習連絡会」をつくり、情報の共有や、時には研究会など行ってはどうでしょうか。
 そこで、九段生涯学習館をセンターとして生涯学習分野について各出張所・区民館をネットワーク化し、公民館的機能を担うことを提案いたします。ご所見をお伺いいたします。また、(仮称)「千代田区生涯学習連絡会」の創設についても、あわせてご所見をお伺いいたします。

 最後に、生涯学習推進計画についてであります。
 現在、生涯学習推進計画はありません。第1次の計画は、平成6年から14年までの9年、第2次の計画は、翌15年から25年までの10年で、以後、策定されていません。基本計画「みらいプロジェクト」には確かに生涯学習推進の項があり、見開きの2ページであります。行政計画としてはこれでよいかもしれませんが、生涯学習の主体は区民であります。関係する各団体や生涯学習推進委員、また区民の方にも参加してもらい、行政も一緒に策定することが重要であります。
 計画には、先ほどの生涯学習の機能、4つの意義、また区としての基本的な方針、これは全ての区民の自由で主体的な学習を支援し、その場と機会の提供を保障すること 、いわゆる学習権を定義し、保障することであります。そして、今述べました各出張所・区民館の公民館的機能などを記述してはどうでしょうか。計画をもってこれらをしっかりと担保することが必要であるからであります。確かな道筋を、計画を持って示していきたいと思います。
 学習権については、少し触れておきたいと思います。学習権とは、1985年3月に採択されたユネスコ学習権宣言で、以下のようにうたわれた人間の基本的な権利であります。「学習権とは、読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、創造する権利であり、自分自身の世界を読み取り、歴史をつくる権利であり、あらゆる教育の手だてを得る権利であり、個人的・集団的力量を発揮させる権利である。それは基本的権利の1つとして捉えられなければならない。学習活動はあらゆる教育活動の中心に位置づけられ、人々を成り行き任せの客体から、自らの歴史をつくる主体に変えていくものである」と。全くそのとおりであります。
 冒頭申し上げました「主体性の喪失」の危機を脱するためには、人間の基本的な権利として学習権を今こそ保障し、実践できる、いわゆる生涯学習社会を築いていくことではないでしょうか。
 そこで、繰り返しになりますが、生涯学習社会構築へ、確かな道筋を計画として、区民と行政が一緒に策定していくことを提案いたします。ご所見をお伺いいたします。

 以上、「生涯学習社会を目指して」と題し、質問を行いました。区長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待し、公明党議員団の代表質問を終わります。ありがとうございました。
 

〈区長答弁〉

 大串議員の生涯学習に関するご質問にお答えいたします。
 生涯学習についての基本的な考え方でありますが、生涯学習は、「各人が自発的意思に基づいて行うことを基本とするものでありまして、必要に応じて、自己に適した手段・方法は、これを自ら選んで、生涯学習を通じて行うもの」である。これが恐らく普遍的な定義だろうと思います。
 私は、さらに加えて、一人ひとりのささやかな学びが、やがて地域に蓄積され、多くの人々に共有され、広義の文化として発展していくものと考えております。その過程で、千代田区ならではの文化や芸術が生み出され、それが千代田区の広義で、広い意味での文化力となって育ち、千代田区の地域力の源泉に、私は、なっていくものだろうと思っております。その文化力が、地域を超えて、時には国境をも超えて相互理解を促し、多くの人々に将来引き継がれていくものだろうと思います。そういう、私は、認識で生涯学習を捉えております。
 また、2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、オリンピック憲章には、オリンピズムの根本原則として、スポーツと文化と教育の融合をうたっており、複数の文化イベントから成る「文化プログラム」の実施が定められております。今ほど、学びによる文化振興の機運が高まっているときはないと思います。
 本区の状況や特性を踏まえますと、地域間の学習ネットワークの構築、在勤・在学者と区民との交流、新旧住民の「学び」を通した交流、生涯学習という視点での区民と学校、行政、企業、関係団体との連携など、区内外の多くの方々の参加によって生涯学習の輪を広げ、仕組みづくりが課題だろうと思います。これらの課題解決の方向として、生涯学習推進委員会議から、「学び」を軸に、あらゆる方法を縦横につながる新たな仕組みといたしまして、議員からもお話がありました、ボランティア活動の充実、ボランティア等の人材育成・派遣制度の構築、学習コーディネーターの充実、生涯学習大学の創設が必要との提言をいただいたところでございます。
 今後は、これらを着実に推進し、区民一人ひとりが多様な学習活動の機会を得て、生涯にわたり学び、その成果を生かすことができる生涯学習社会の実現を目指していきたいと思います。多分3月、生涯学習大学の創設についての推進会議から答申が出ると思います。私は、こうした生涯学習を膨らましていくことこそ、オリンピックにおけるレガシーだというふうに思っておりますんで、積極的にこうしたことについて取り組んでまいりたいと思います。
 なお、詳細、その他の事項については、関係理事者をもって答弁いたさせます。
 

〈地域振興部長答弁〉

 大串議員の生涯学習に関するご質問にお答えいたします。
 まず、「ちよだ生涯学習カレッジ」についてであります。
 区民が自ら学び、同じ目的を持つ仲間を見つけ、仲間とともに学び合い、一緒に創造する場として開校するものでございます。学びで人と地域をつなぎ、グローバルとローカル、社会と個人の交流の場となることを目指し、本年10月、「学びと地域のコーディネーター養成コース」で開校する予定でございます。また、生涯学習コーディネーターの役割は、人と人、人と情報、人と学習資源を適切に結びつける調整を行い、地域におけるリーダーとして生涯学習活動を推進することにあります。「学びと地域のコーディネーター養成コース」は、講義・講演主体の、いわゆる座学にとどまらず、ゼミナール形式の演習とイベント企画などの実習をカリキュラムに取り入れることを目玉として、より実践的に学ぶことにより、卒業者が生涯学習コーディネーターとして、直ちに地域で活躍できる人材となることを目指します。
 次に、学習した成果を地域で活用・発揮するための仕組みですが、ちよだ生涯学習カレッジの卒業者は、人材バンクにご登録いただき、生涯学習コーディネーターやボランティアとしてご活躍いただけるよう、円滑で的確な仕組みづくりを進めてまいります。結果として、学習によるまちづくりや地域力の向上にご貢献いただけるものと期待いたしております。
 ちよだ生涯学習カレッジは、将来的には、区内の大学・専門学校や文化・学習施設、出張所・区民間と連携・協力関係を構築して、生涯学習資源を有効に活用した事業展開を目指すことといたしております。まさに、議員お尋ねのように、九段生涯学習館をセンターとしたネットワークを構築し、卒業者はもとより、広く区民の皆様へ、生涯学習に関する情報の受発信を行うとともに、地域でのイベントや活動を支援する機能を備えてまいる予定です。また、議員ご提案の(仮称)「千代田区生涯学習連絡会」の創設は、生涯学習ネットワーク構築準備の観点からも大変有効と考えますので、来年度の創設に向けて準備してまいります。
 次に、「生涯学習推進計画」についてであります。
 現在、生涯学習施策全般につきまして、公募区民にもお入りいただいた千代田区生涯学習推進委員会議でご検討をいただいております。2年の任期の中、精力的にご論議をいただき、有意義なご提言を多々いただいてまいりました。体系的・計画的な施策の推進のための計画につきましても、次期推進委員会議の議題として、その必要性等につきましてご検討いただくようにしてまいります。
 

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