29年第3回定例会での代表質問


「いいこって どんなこ?」(冨山房発行)を掲げて

〈発言通告〉

■昨年の児童福祉法の改正を受けて
共育大綱、教育ビジョンの目指すものとは
子どもの権利擁護について
子どもの権利の普及啓発について
要支援児童を対象にした区内ショートステイを提案する。所見は。
児童相談所の設置について

〈質問の全文〉

 平成29年第3回定例会にあたり、公明党議員団を代表して質問を行います。
 質問の趣旨は、昨年の5月、子どもの権利を理念とした児童福祉法の歴史的な改正があったことを受け、教育を含めた子どもの施策推進にあたっての区の考え方を問うものです。具体的には、@共育大綱、共育ビジョンについて、A子どもの権利擁護について、B児童相談所の設置についての3点であります。
 さて、8月17日、厚労省が児童虐待の速報値を発表しました。(図1を表示)
  
 全国の児童相談所が昨年度対応した児童虐待の件数は、12万2578件で前年度より1万9292件(18.78%)増え、統計を取り始めた平成2年度から26年連続で過去最多を更新したという内容でした。虐待をキャッチする網の目が細かくなったとはいえこの表の平成11年度から比較しても10倍超というのは驚くべき数字であります。この間、児童福祉士の数は2.5倍にしか増えていません。児童相談所のマンパワーはとても追いつきません。(図1を閉じる)(図2を表示)
  
 この表は、虐待を受けている子どもを年齢別にしたものですが、小学生に対する虐待が最も多いということがわかります。虐待以外にもいじめや非行、さらには自殺など子どもの置かれた状況はあまりにも深刻であります。(図2を閉じる)
 このような状況に、昨年の5月、児童福祉法の歴史的な改正が行われました。その主たる目的は児童虐待の発生予防と虐待発生時における迅速かつ的確な対応であります。そして、そのことを確実にするために「子どもの権利条約」の精神をそのまま法の理念として謳ったのであります。第一条には、「すべての児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり(中略)その心身の健やかな成長及び発達を等しく保障される権利を有する」と明確となりました。児童福祉法は昭和22年に制定されてより度々改正されてきましたが理念の部分の改正は今回が初めてとなります。理念を改正することは余程のことであります。今回のそれは、子どもの幸せのため大人社会のあり方をも見直そうとの決意の表れではないでしょうか。
 最初に「子どもの権利」について少し触れておきたいと思います。
 憲法の第13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求の権利については(中略)最大の尊重を必要とする」と大人であれ子どもであれその基本的人権を保障しています。それでもあえて「子どもの人権」や「子どもの権利」と表現することについて、一ツ橋大学名誉教授の福田雅章氏は以下のように述べています。「実際には、子どもは未成熟であるという理由で、親や社会や国家からいつも干渉を受け、その存在を無視され、『一人の人間として受け入れられ、自分らしく生きる』ことを否定されてきました。たとえ自己決定能力が不完全であり、経済的に独立しえていない未熟な子どもであっても、およそ人間である限り『一人の人間として尊重され、自分らしく生きていいんだよ』ということをもう一度みんなではっきりと確認するためにあえて『子どもの人権』という言葉がつかわれるようになったのです」と。そして、その権利の中でも特に注目すべきは「子どもの権利条約」の第12条、意見表明権であるとします。意見表明権とは「どんなことでもこの人なら絶対に安心して問いかけをし、意見表明をすることができるという人間関係」であり、「お子さんの存在をそのままで受け入れられる関係」を意味します。そしてこの「『人間的なつながり』があってこそ、一人の大人として成長できるのだという」ことが「子どもの権利条約の本質であり、教育の原点なのです」(「子どもの人権を考える」第三文明社 創価学会女性平和委員会より)と、述べています。つまり、意見表明権とは子どもが安心して意思表示ができる人間関係の大切さを意味しており、そのような関係性の中でこそ、「子どもの健やかな成長」は達成されるのだということが子どもの権利の本質であると。私も福田氏の考え方に賛成です。
 この子どもとの関係性については、国連子どもの権利委員会からの日本への最終所見(2010年6月「日本政府報告書審査最終見解」)の中でも触れられています。「驚くべき数の子どもが幸福感の低さを訴えており、その決定要因が親及び教師との関係性の貧困にある」と。極めて重要な指摘がなされています。
 児童福祉法の改正と子どもの権利について最初に述べさせていただきました。
 
 さて、この改正を踏まえての最初の質問は、「共育大綱」「共育ビジョン」についてであります。
 総合教育会議での議論を経て昨年の3月、首長としては「共育大綱」として、教育委員会としては「共育ビジョン」として策定されました。
表紙は違えども内容は同じものです。サブタイトルを「人が人を育てる」とし、「人と人のつながりの中で、人が人を育て、育てられ、大人も子どもも共に成長していく『共育』が必要です」と、全体を貫く考え方を冒頭に述べます。さらに、この「共育の理念に基づく関係が成り立つためには子どもと深い信頼で結ばれていることが不可欠」であり、「子どもに自分の考えを押し付けるのではなく子どもの声をしっかりと聴き、常に『子どもの最善の利益』を考えながら子どもを育てていかなければなりません」と、「共育の理念に基づく関係」とは子どもとの関係性(子どもの権利)であると丁寧に説明します。そして、この共育の考え方を共有し、家庭でも学校でも地域でも「共育に参加し」ようと呼びかけています。
 前「共育マスタープラン」もすべての子どもに「人間としての尊厳」と「健やかに育つ権利」があることを宣言し、その権利の実現を目標としたすばらしいものでした。
 この度の大綱(ビジョン)は、マスタープランの目標は継続しながら、人と人のつながりの中で大人も子どもも共に育つ共育の考え方を理念とし、子どもとの関係性を大切にしようとの内容になっています。まさに、子どもの権利の視点から策定されたものであり大いに評価できるものです。
 そこで、提案があります。それは、せっかくすばらしいものを策定したのですから共育大綱、共育ビジョンの子ども版を作成してはどうかということです。子どもが読むことを前提にしますので、その際、すべての子どもには「一人の人間として尊重され、自分らしく生きていいんだよ」という子どもの権利があることを記述します。イラストや写真を入れて読みやすくわかりやすいものを作ってはどうでしょうか。
 そこで、改めて共育大綱、共育ビジョンの目指すものとは何か、基本的な考え方をお伺いします。また、子ども版の共育大綱、共育ビジョンの作成を提案します。ご所見をお伺いします。

 次に、子どもの権利擁護に関する具体的な取り組みについてであります。
 虐待とは子どもの保護者もしくは子どもを監督し保護する者が子どもに対して行う次の行為であるとされます。(児童虐待防止法)
@ 暴力により身体に傷を負わせる身体的虐待、
A 衣食住の世話をせず放置したり、病気なのに医者に診せないネグレクト、
B 子どもの面前でのDVや極端に無視をするなどの心理的虐待、
C 子どもにわいせつな行為をする性的虐待
の4種類であります。 
 児童相談所は増え続けるこれらの虐待の相談と対応に手一杯の状況にあります。各自治体において虐待が重症化する前の予防という面からさらなる取り組みが今求められている所以であります。そのさらなる取り組みとして考えられることは、次の3点になるかと思います。
 一点目は、ポピュレーションアプローチ(集団全体に働きかけながらのアプローチ)によるリスクの可能性のある家庭の早期発見。二点目は、子どもも大人も「子どもの権利」について知り、正しく理解することであります。「子どもの権利」の普及啓発です。そして、三点目が相談ということになると思います。
 一点目のポピュレーションアプローチですが、昨年の第二回定例会で、妊娠から出産、産後、子育てと切れ目ない支援の必要性について質問しました。基礎的なサービスを行っていく中でリスクのある家庭を発見して必要なサービスにつなげていくことが重要であると述べさせていただきました。
 二点目の「子どもの権利」についての普及・啓発です。(図3を表示)(現物を表示)

 これは都の児童相談所が配布している「子どもの権利ノート」です。小学生版と中高生版があります。開きますと全ページイラスト入りで子どもの権利についてわかりやすく書かれています。ただ、配布されるのは施設入 所の子どもたちのみだそうです。(図3を閉じる)(図4を表示)

 世田谷区は子どもの権利を条例とした子ども条例を持っています。これは「世田谷区子ども条例」について説明する子ども版のパンフレットです。左は小学生の4・5・6年生用、右は中学生用となっており、全生徒に配布されています。(図4を閉じる)
 札幌市には、子どもの権利擁護機関としての第三者機関、子どもの権利委員会があります。委員会では、子どもの権利を理解してもらうに、ふさわしい絵本や本を一覧にして紹介しています。一覧には、本ごとに、読んでもらいたい対象年齢と委員からのメッセージがついています。(図5を表示)(現物の提示)

  
これはその中の一冊で、地元冨山房さん発行の「いいこってどんなこ?」です。読んでもらいたい対象年齢は幼児から小学校低学年。委員からのメッセージは「うさぎのバニーぼうやとお母さんの会話という短くて簡単なお話ですが、子どもたちは子どもたちらしく自分らしくいられることが一番だということを主題に書いていてお母さん方が自分の子どもに読んであげてほしいなと思って選びました」と。お父さんやお母さんとお子さんが一緒に読みながら理解していくということはとても良いことではないでしょうか。大いに参考にしたいものです。(図5を閉じる)
 そこで、「子どもの権利」の普及・啓発に千代田区として今後どのように取り組まれていくのかお伺いします。

 次に、3点目の相談についてであります。
 千代田区における虐待の相談件数は、昨年度新規の相談は115件で、内訳は、身体的虐待が46件、次いで心理的虐待が41件、ネグレクトが27件、性的虐待が1件でした。
 相談については、子ども自ら相談できるように配慮し工夫する必要があります。最近、子どもへの虐待が家庭だけでなく学校や保育所でも起きている例がニュースとなっています。こういうことを考えますと、虐待の相談の窓口としては区や学校へ直接というのではなく、公的な第三者機関を別途設置して行う方が客観性や秘密性が保たれ、また子どもは相談しやすいのではと思います。設置している例としては、先ほどの札幌市の他、多々あると思います。23区では世田谷区、豊島区、目黒区などであります。
 私たち公明党議員団は、さっそく世田谷区を訪問し第三者機関である子どもの人権擁護機関「せたがやホッとサポート」通称「せたホッと」について説明を聞きました。委員の構成は、弁護士、子ども家庭福祉や教育等を専門とする学識経験者の3名をサポート委員とし、その補佐役に社会福祉士、臨床心理士など有資格者の4名がついて電話相談を受けます。そして事務局という体制です。相談を受け必要となれば、区やその他の機関等に申し立てや意見表明ができ、その後の是正等について報告を求めることもできるようになっています。
 説明を聞いてまず驚いたことは、子ども本人からの電話が6割を超えているということです。平成28年度初回の相談件数は309件でしたが、その内、子ども本人からの相談は186件とのことでした。次いで母親からが89件となっています。子どもの内訳は小学生が57%、次いで中学生が27%です。そして相談の方法は電話がほとんどで約8割だそうです。
 また、もう一つすばらしいなと思ったのは、(図6を表示)(現物の提示)

「せたホッと」の活動報告書です。そこにどういう相談があったのかという事例集がプライバシー保護のため内容の一部は変更されていますが掲載されていることです。子どものことで悩んでいる保護者は事例集を読んで、子どもの気持ちやどう対応すれば良いのかを知ることもできます。時に、子どもに対する行き過ぎた行為や言葉を反省するなど、新たな気づきが得られると思います。(図4を閉じる)
 例えば、子ども本人からの相談で、「ずっと塾に行かせてもらっているのに成績が上がらなくて、親に迷惑をかけている自分が嫌でしょうがない。このままでは私は親から必要とされなくなってしまう」という内容です。「せたホッと」からは、勉強に頑張っていることをまず褒め、「もっと自分らしくてしていいんだよ」とアドバイスします。その後もやり取りは続きます。子どもから「ずっと味方がいなくて寂しかったのでとても嬉しかった」とメールが入ったそうです。
もしかしたら親にも相談できず一人で悩み苦しんでいたかもしれない子どもが自ら「せたホッと」に電話をかけてくる。とてもすばらしいことです。一朝一夕にここまでできるとは思いませんがとても良い仕組みであり大いに参考としたいものです。
 そこで、千代田区として、子どもの虐待の相談に、区や関係する他の機関に申し入れや意見表明ができる公的な第三者機関の設置を提案します。ご所見をお伺いします。

 次に、具体的な取り組みの二番目として、要支援児童の家庭を対象にした区内ショートステイ事業についてであります。
要保護児童とは、保護者に監護されることが不適当と認められる児童をいい、基本的に都の児童相談所に保護してもらうことになります。昨年度、千代田区では6人でした。要支援児童とは、保護者への支援が必要と認められ、その結果支援が必要となる児童です。例えば、3歳と1歳のお子さんがいて上の子が多動性の障害があります。離婚しており働きながらの子育てで母親は心身とも疲れ果て「子どもと離れてとにかく安みたい」というものです。母親への支援は決定し、3歳と1歳の子どもは要支援児童としてショートステイを使うという例であります。
 現在、千代田区で継続的に関わっている要支援児童は122人にも上っているとのことです。千代田区では、保護者が入院や出産、介護等で一時的に養育が困難になったときに利用できる一般の子どもショートステイが委託ですが用意されています。就学前の子どもは新宿区の乳児院、小学生は渋谷区の児童養護施設となっています。虐待に関する要支援児童のショートはありません。一般の子どもショートを使いたくても緊急性があり明日からといっても空いているわけはなく対応は困難であります。
 虐待のリスクの高い母親が精神的に不安定になった時に数日間、子どもを預かるような場が身近にあったらどんなにいいかと思います。そこでは、親以外の大人と質の良い関係性が構築される。そんなショートステイが今求められているのではないでしょうか。
 そこで、要支援児童を対象とした区内ショートステイ事業を提案します。ご所見をお伺いします。

 次に、児童相談所設置にあたっての考え方についてであります。
 この度の、児童福祉法の改正により、特別区でも児童相談所の設置を希望すれば可能となりました。現在、千代田区を含めて22区が設置の方向で準備を進めており、特に、世田谷区、江戸川区、荒川区の3区が先行して早ければ平成32年度にも開設予定であると聞いています。練馬区だけは設置に慎重で都と区の連携により行うべきとしています。
 日本虐待・思春期問題情報研修センター(子どもの虹情報研修センター)の川松亮氏は特別区の児童相談所設置については慎重にとの立場ですが理由を以下のように述べています。「児童相談所の箇所数が増えることは歓迎すべきだろう。しかし、一方でスタッフの確保や人材養成、一時保護所の設置、施設措置枠の調整、児童福祉審議会の設置、里親認定業務等の開始、都児童相談所との関係整理など検討しなければならない課題はあまりに多い」と。さらに懸念されることとして市区町村の「機能と児童相談所の持つ介入機能を一体として抱え込むことの問題である。児童相談所は一時保護や法的対応をとるため、保護者との対立関係が生じて、その後の支援関係につながらない事例が散見される。介入的手法と支援的関与との矛盾に悩む所以である。   
 そこで、児童相談所とは異なる立場の市区町村が、サポーティブな支援関係を活かして支援を行うことにより、児童相談所と市区町村とがまさに車の両輪として働いた時に、理想的な支援となることが多い」(「児童福祉法改正の意義と課題」川松亮より)と。もっともな意見であります。
 家でも学校でも地域でも子どもとの関係性を大切にするとした共育大綱(ビジョン)を掲げた千代田区であります。大綱と整合性を持った全く新しい児童相談所を構想していくことが必要です。それは、これまでの区の寄り添い型支援をあくまで基本にし、措置権限は必要最低限とした千代田区型の児童相談所です。そうしなければ川松氏の懸念を払拭することができないからであります。
 そこで、現段階における児童相談所設置についての考え方をお伺いします。

 以上、子どもの権利の視点から3点質問させていただきました。
 区長、教育長並びに関係理事者の前向きな答弁を期待し、公明党議員団の代表質問を終わります。ありがとうございました。
 

〈区長答弁〉

 大串議員の「「子どもの権利」の視点から!」のご質問のうち、共育大綱についてのご質問にお答えいたします。
 冒頭、大串議員から、昨年の児童福祉法の第一条の改正というのが、ご紹介いただきました。私も全くこの改正には大賛成であり、むしろ遅かったと思います。というのは、国際的な児童権利に関する条約を、日本は既に締結しておりますが、国内法が、必ずしもこういう裏打ちがなかった。初めてこういう形で法にうたわれたということについては、私は、非常にすばらしい改正だったというふうに認識しております。
 ところで、我々は常にそういう思いで、今回の共育大綱をつくったつもりであります。すなわち、共育は、家庭・学校・園・地域等がともに一体となって子どもを育て、また、自らも育っていくという、こういう考え方であります。このような考え方に基づきまして、子どもが健やかに育つ権利の実現と、次世代育成支援教育振興施策の基本的な方針が、「千代田区共育大綱」及び「千代田区共育ビジョン」だと思っております。まさに、児童福祉法のものの考え方が、こうした形で、私は、反映していると思っております。
 共育大綱及びビジョンでは、三つの基本理念で、共育に関する地域社会の実現、子どもの健やかに育つ権利の実現、0歳から18歳までの連続した教育・子育て支援を挙げております。また、未来を担う子どもの姿として、人と人とのつながりの中で生きる、自分自身と向き合う、新しい時代を生き抜くという人づくりを目指すものにもなっております。
 子どもは家族の一員であると同時に、未来を担う次世代へのかけ橋となるものだと思っております。次の時代がよりよい社会であってほしいと願うのは世の常であろうと思いますし、次代を担う子どもたちは、この願いを、よりよい社会へのバトンとして継承してもらいたいという思いは、私たち全ての大人の思いだろうと思います。
 子どもに関する施策の展開に当たりましては、お話しの子どもとの関連性を大切にし、子どもの最善の利益を考慮すべきであると思います。子どもの生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利を尊重しなきゃならないと思います。
このような理念に基づき、子どもにかかわる施策が実施されることで、大人も子どもも共に育つとともに、全ての子どもたちが夢と希望を持ち、目を輝かせて成長していくことを、我々は、目指しております。子どもの施策がしっかりと地域に根づくように、これからも努力を重ねることが、私たちの大人の使命だろうと思います。
 また、議員提案の子ども版共育大綱の策定は、子どもたち自身に共育の理念を浸透させる有効な手段であると受けとめておりますので、具体の実現を検討してまいりたいと思います。
 既に、この点につきましては、ご承知のとおり、千代田区の温暖化条例のときの前文で、子どもたちの意見が入っている。あるいは、子どもの遊び場確保に関する条例も、前文は、子どもたちが自ら書いて、そういうことをうたっておりますんで、必ずや、私は、子どもたちがそうしたことを自らつくっていくという土俵はできていると思いますんで、教育委員会にも、このことをぜひお願いをしたいと思います。
 なお、詳細については、関係理事者をもって答弁いたさせます。

〈子ども部長答弁〉

 大串議員の、子どもの権利擁護と児童相談所設置についてのご質問にお答えします。
 子どもの権利擁護についての「子どもの権利」の普及啓発の取り組みと子どもの虐待に、第三者機関の設置をというご質問についてですが、本区においては、相談体制を強化し、子ども本人が意見表明できるように、「どんなことでもいいよ、一人で悩まないで、どうしていいか困ったら電話してね」というカードを、小学生、中学生と、年齢に合わせた文言に直し、全生徒に配布したり、また、いつでも相談できる24時間365日相談電話を開設しました。しかし、虐待相談件数は増えており、子どもの権利が守られていない家庭もあるのが現状です。
 今後は、本区においても、議員ご指摘のとおり、他の自治体を参考にしながら、子どもに理解しやすい絵本や本を使うなど、子どもも大人も、子どもの権利について知り、正しく理解できるような普及啓発に努めます。区や、他の機関に申し入れや意見表明ができる公的な第三者機関の設置に関しても視野に入れ、一件一件の相談に、心と心をつなぐ関係性が築けるような、「子どもが健やかに育つ権利の実現」に向けて取り組んでまいります。
 次に、要支援家庭を対象とした区内ショートステイ事業のご質問についてですが、ショートステイは、レスパイトの目的で利用する方が多く、利用者数は年々増加しています。虐待予防の観点からも、要支援家庭を含むショートステイが必要であるということは認識しております。また、子どもと家庭の支援は、本来、その生活が営まれている身近な地域でなされるべきであり、ショートステイ先から歩いて学校に通えることが理想です。現在、本区が委託しているショートステイ先は区外であり、やはり近くで預けられるという自区にショートステイが必要であるということを認識し、民間の活力、協力家庭なども視野に入れ、検討してまいります。
 次に、児童相談所の設置についての千代田区版児童相談所の現時点での構想についてのご質問ですが、児童福祉法の一部改正により、特別区の児童相談所が設置できることになりました。現状は、児童・家庭支援センターと東京都の児童相談所で、「東京ルール」という共通ガイドラインに基づき、区は、子どもの虐待、ネグレクト等、ぎりぎりまで子どもと親の支援をしますが、一時保護や施設入所が必要になった場合などは、東京都の児童相談所へ依頼する二元体制になっております。この二元体制は、区民にとってはわかりにくく、また、二元体制の両者のはざまに落ち、深刻な事態になったケース、また、時間のロスや、都と区の認識の温度差等が指摘されています。
児童相談所を区が設置するということは、児童虐待や非行など、さまざまな問題に対し、未然防止から調査、援助、保護、措置、家庭復帰まで、迅速に切れ目なく対応し、千代田区全ての子どもの命と権利を、千代田区全体で守るということです。
 子どもとの関係性を大事にした区の寄り添い型の支援を基本とし、千代田区版児童相談所を実現するため、児童相談所の機能に加え、包括的な支援機能を持ち、身近な場所での継続的な支援を強化する、総合的、一元的な仕組みを整備してまいります。
 さらに、今後の児童相談所設置検討の中で、区の包括的な子育て支援機能と児童相談所機能を一元的に合わせ有することも検討し、いわば、子どもの総合的な支援拠点である、仮称「子ども総合サポートセンター」、略して「子サポ」の設置を目指したいと考えております。
 

ホーム ] 上へ ]